Ⅲ 活路と王国
魔王幹部と魔王討伐する事になったんですが!?
Ⅲ 活路と王国
声が聞こえる。思えばあの時から私の強さの概念は歪んでいたのかもしれない。映像が流れる。これが走馬灯なのかしら。不死者の王リッチーを破り魔軍12将総括官のざを奪い、そして魔軍総括官の座をも奪おうとし、ペルセポネに破れた。今もそう。私は二度もペルセポネに敗れた。二度の敗北そして今、私は恐らく死を迎えようとしている。
『タスケルッテホンキ?』
『ユウサマ。オヒトヨシニモホドガアリマス、ワタシハハンタイデス』
『デ,デモ』
『マア,ワタシハカマワナイワ。ユウガイイナラネ』
『ハア、モウスキニシテクダサイ』
『ジ,ジャア』
そんな話が聞こえていたが突如唇に暖かさを感じた
『ん、こ、ここは』
そしてレヴィアタンが目を覚ます。
『あ、目が覚めたよ。ペルセポネさん、ヘル』
目の前の男がそう呟いた。私は確かペルセポネに
『あら目覚めたのねレヴィ』
レヴィ。ペルセポネは時々私の事をそう読んでいた
『おーい。意識ありますか?』
この人はヘル、様。あれ?ここはもしかしたら
『現実?私生きているのですか?』
レヴィアタンは不思議そうに呟いた
『ええ。私にズタボロにやられて止めを刺そうとしたらユウに止められたのよ』
ペルセポネは不機嫌と喜びが混じったような表情でそう告げる
『そっか、私は負けたのですね』
レヴィアタンは俯いてそう呟いた
『ええ。それで?ユウ。レヴィに話があるんでしょ?』
ペルセポネはユウに目を向けた
『は、はい。とりあえず大丈夫ですか?』
ユウがレヴィアタンに質問する
『何故?』
『え?』
『何故助けたのですか?私は貴方を、殺しに来たのですよ』
レヴィアタンは俯いたままそう告げる
『そ、それは』
『好感度メーターにレヴィアタンさんが追加された。ですか?』
後ろからヘルがそう話す
『好感度メーター?』
レヴィアタンは不思議そうにユウの方を見る
『ユウ様は魔族とキスする事で魔族の魔力を完全回復する事ができるのです。』
レヴィアタンは驚いていた。
『貴方は、勇者の血族じゃないの?』
レヴィアタンはまた不思議そうにユウの顔を見た。
『そうなんですけど。どうやらそちらにいる元魔王の元女神のヘルの力で魔族のみを回復させる力を手に入れたようでして、それに母親が悪魔のリリスのようで俺は勇者と魔族の混血族だそうです。』
ユウはまじまじと語る。
『リリス様の息子?それにその元魔王と言われるかたはヘル様?』
レヴィアタンは驚愕と戸惑いでおろおろしながら話す。
『そうですね。ユウ様の言語力は残念のようなので私が話しましょう。私は貴方の知る元魔王のヘルです。とある事情からユウ様を主としているのです。そしてユウ様の母君も貴方の知るリリスです。好感度メーターとは私の加護の力で好感度が高いと魔力回復や限界突破などをできるのです。因みに回復の方法はキスです』
ヘルは坦々と語る。ユウは言語力が残念のようなのでと言われてショックを受けている
『き、キス?ていうことは私はこの方と?』
レヴィアタンはユウの方を見る
『ええ。キスしてましたよ。好感度メーターに表示されたお陰で回復できましたの』
ヘルは笑顔で答えた
『私がキ、キ、キ、キ、キス?そんな。ええ?』
レヴィアタンは顔を真っ赤にして手で顔を塞いだ。
魔族は案外純粋なのかなとユウは思った。
『その話は後でしましょう。レヴィ、貴方はこれからどうするの?魔王城に戻るの?』
ペルセポネは冷静にレヴィアタンに聞いた。
『帰るって言ったら帰らしてくれるのかしら?』
レヴィアタンは徐々に表情を戻しそう切り返した
『まあ、好きにすれば?追いはしないわ』
『まあ、問題ないですよ』
『また戦うとなると厄介ですが私も今はどちらでも構いませんよ』
三人とも一斉にそう、話した
『嘘。』
レヴィアタンはまさかそんな返答が来るとは思って無かった見たいで戸惑っていた
『貴方達の目的はなんですの?』
レヴィアタンはユウ達に質問した。
『魔王討伐です』
『魔王討伐よ』
『ユウ様のしたいことです』
三人はまたしても一斉にそう、話した
『魔王様を倒すのですか?』
レヴィアタンは無理だとも言いたげにそう告げた
『俺はペルセポネさんとヘルと、仲間達の一緒に魔王を倒したいと思っています』
ユウがそう告げてる後ろで仲間という言葉に感動しているヘルと照れているペルセポネがいることをユウはしらない
『仲間。ですか。いいですね』
レヴィアタンは遠い目をしながらそう呟いた
『あ、あの。レヴィアタンさん。魔王軍の幹部にこんなこと聞くのもどうかと思いますけど俺たちと一緒に魔王討伐の旅をしませんか?』
ユウは笑顔でレヴィアタンに手を差し伸べた
『そ、それは。でも私は貴方たちを殺そうとしたのですよ』
レヴィアタンはまた俯いてそう呟いた
『そんなの。全然大丈夫ですよ』
ユウは再び笑顔でレヴィアタンの顔を見た
『で、でも』
『レヴィ。貴方はどうしたいの?』
ペルセポネがレヴィアタンにそう聞いた。
『え?』
レヴィアタンは戸惑いながら聞き返す
『簡単なことよ。ユウやヘル様や私と魔王討伐の旅をするか、再び魔王城に戻って私たちと戦うかどっちが言いかって事よ』
ペルセポネがそう言うとレヴィアタンは今にも泣きそうな顔をしながら口を開いた
『わ、私も仲間になって、いいのかしら?』
『構いませんよ。歓迎します』
『まあ、また貴方と戦う厄介さを考えたら引き入れた方がいいかもね』
『ユウ様がいいなら構いません』
また三人は一斉にそう言った。つくづく仲が良いのねとレヴィアタンは心のなかで思った。
『じ、じゃあ、私も魔王討伐の旅に力を貸します』
レヴィアタンはユウの手を握った。その手は暖かかった。
『ようこそ。レヴィアタンさん』
ユウは笑顔でレヴィアタンの手を握り返した
『さて、じゃあどこに向かうの?』
ペルセポネはユウに告げた
『とりあえずガンムデル王国に向かおうかと思っています』
ガンムデル王国。アルマンヘルク王国に次ぐほどの巨大国家。
『ガンムデル王国ですか。久し振りですね』
ヘルがそう呟いた
『ヘル様は行ったことおありなんですか?』
レヴィアタンはヘルにそう聞く
『昔に一度だけあります。まあ魔王時代に攻め混んだ時ですけど』
ヘルは不敵に笑ながらそう呟いた
『そこでとりあえず情報を集めようと思ってるんですが問題ないですか?』
ユウは三人に聞いた
『まあ、わかったわ』
『ユウ様がお構い無いなら』
『私も構いませんよ』
三人がそう告げた。そして四人はガンムデル王国へと向かって歩き始めた。
その頃魔王城では
『二人の総括官が裏切ったか』
そう呟いたのは魔王サタン。
『はい。どうやら』
そして返答したのは副官のベルゼブブ
『ふふふ、やってくれるな。ユウ・ファロン。厄介だな。魔族に好まれる何かをもっているのか』
サタンは不敵に微笑んだ
ガガガ
空間が歪みそこから緑髪のきれいな一人の女性が表れた。
『わたくしの出番ですかねえ~』
そしてその女性は呟いた
『いや。ベルフェゴール。貴様はまだだ』
『なんだ~つまんないの~』
どうやらこの悪魔の名前はベルフェゴールと言うらしい
『奴等の動きは?』
『はい。ガンムデル王国へと向かうみたいです。』
副官のベルゼブブはそう呟いた
『なら、そこにセルケトとアラクネを向かわせよう』
そう告げると再び空間が歪みそこから赤髪と銀髪の女性が表れた
『『お呼びでしょうか』』
二人の女性は一斉に告げた。
『よくきたな。アラクネ。セルケト』
『魔王様のお呼びとあれば』
二人の女性はそう呟いた
『二人はガンムデル王国へと迎いユウ・ファロンを密かに暗殺しろ』
魔王サタンは冷血な目で二人に指示を出した
『仰せのままに』
『ふふふ。さて、もうひとつ余興を見せてもらおう』
魔王の言葉が魔王城に木霊した
そして場面は戻りガンムデルへの迎い道
『魔力弾』
ドガーーーーーーーン
『高血 サンディライト』
パリーーーン
『氷鎌』
スパン
『ガガガ』
『やったわね。』
ユウ達は迎い道の途中に砂漠に差し掛かりそこで砂漠の魔獣サンドドラゴニアと戦っていた。
『サンドドラゴニア。砂漠にしかいない魔獣でしたね』
ヘルがそう呟いた
『中々珍しい技を使っていたわね。レヴィどーするの?』
ペルセポネはレヴィアタンに質問した
『そうですね。召喚魔獣にしておきます。』
そう言うとレヴィアタンは魔獣の体に文字を書き始める
『あれは、何をしているんですか?』
ユウはペルセポネに訊ねた
『ああ、あれね。レヴィは倒した魔獣に召喚文字を埋め込む事でその魔獣を自由に召喚することが可能なのよ』
それって結構チートですよね。と心のなかで呟いた
『ふう。完了です。これでこの魔獣は召喚デキマス』
『ペルセポネもチートだと思ってたけど貴方もチート何ですね~。今の魔王軍中々強いですね。』
ヘルは遠い目をしながらまじまじと呟いた
『ヘルの頃は魔王軍は弱かったの?』
ユウはヘルに質問した
『ん~。弱い訳では無いと思うけど今ほど強くもなかったですね。今の魔王中々やりますね』
ヘルは悔しそうに呟いた
『まあまあ。』
ユウはヘルを宥めた
『あ、あれがガンムデルじゃないの?』
ペルセポネが奥に見える城を見てそう呟いた
『そのようですね。』
レヴィアタンも続けて話した
『ユウ様向かいましょう』
ヘルがユウの手を握り呟いた
『よし。行きましょう。ガンムデルへ』
ユウ達は再びガンムデルへと向かい進み始めた