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#番外編2

かなり間が空きましたが、番外編2です。今回は大国主神の住む世界の話で、

これが次回作に繋がってきます。

次の番外編はまだ考え中です。

根国(ねのくに)。そこは、葦原中国(あしわらのなかつくに)の地下深くにあり、黄泉国(よみのくに)黄泉比良坂(よもつひらさか)を結ぶ国である。黄泉国が死者の国であるのに対し、根国は生者も往来可能である。正確に言えば、黄泉国で共食の儀式を済ませなければ、死者の扱いではない。


根国の中心部には、大きな屋敷がある。そこは、大国主神とその家族が住んでいる屋敷である。


「今戻ったぞ」


家に着き、馬を留めて家に入り、開口一番で男はそう言った。それに対し、家の中にいたこの女は・・・


「おかえり、葦原志許乎(あしわらしこを)


などと言った。


「おい、その名で呼ばないでくれ。その名前には慣れていないのだ」


「悪いわね。ここじゃこの名前が普通なの」


葦原志許乎というのは、大国主神(おおくにぬし)の別名である。そう、この男の正体は大国主神であり、奥の女は大国主神の正妻の須勢理毘売命(すせりびめ)である。


「ところで、成果はどう?」


「ああ。猪2匹を獲ってきた。早速これを食むか」


大国主神は猪2匹を見せつけそう言った。神々の食料の調達方法は、未だに狩りである。人間とは違い、彼らに新技術など要らないのだ。


「久しぶりの大物ね。ありがたいわ」


須勢理毘売命は嬉しそうに言う。

2人は、獲った獲物を火にかけ、食べ始めた。

食べ始めてから、少しの時間の沈黙があったが、妻が口を開いた。


「そういえば・・・あの、弓削和人とか言う男は今どうなの?」


妻は大国主神に問う。


「弓削和人・・・ああ、御業を与えて国造りさせている人間か」


大国主神は途中で思い出すかのように言った。弓削和人の存在も、彼にとってはどうでもいいようだ。


「彼は彼らしくやっているようだ。まあ、核兵器は使わなくとも、大量虐殺はしているし、異国の神が送った人間・・・名はイエスと言ったか。イエスまで殺したらしいからな」


「ふーん・・・本当に彼でよかったの?」


「何がだ?」


大国主神は妻に問い返した。


「何がって・・・国造りを任せるのが彼でよかったって聞いているのよ」


「彼に特別な才能はないが、彼は正しい血統を持っている。私の血を直に引き継いでいる青年は、彼しかいない」


大国主神は、自分の血統について語った。国造りを行う人物は自分の血を受け継いでいないと駄目らしい。


「ところで、彼の国造りは進んでいるの?」


妻はまた大国主神に問う。


「この前、彼の国が葦原中国の全域を平定したらしい。国造りの終了もそろそろ頃合いかもしれないな」


大国主神はそう言った。こうして、大国主神の新たな計画が始まった。


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