表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/72

#番外編1

今回から番外編です。皇族の話と言いながら、前半は弓削京の話になってしまいました。

日本皇国の最大の都市、首都でもある弓削京。神武天皇即位紀元120年に西京市からここへ遷都されて以降、長い間日本皇国の首都であるため、千年京と呼ばれてる。

弓削京は、建設されて以降、時代の流れに合わせて発展してきた都市でもある。その証拠として、中心部には高層ビルが立ち並んでいる。しかし、弓削京の北側にいる旧市街地は近代の面影を残している。


弓削京は静岡平野の大部分を占める都市であり、弓削京はどこの県にも属さない特別な都市である。

弓削京の行政の最高責任者は天皇である。


弓削京は日本皇国の中心であるため、交通の大動脈でもある。弓削京の東西を流れる東海道新幹線とそれを延伸した路線は、弓削京近くの静岡駅を起点としていて、西は鹿児島まで、東は北海道まで行くことができる。博多からは、対馬を通り朝鮮へ行くことが可能であり、北海道からは樺太へ行くことが可能である。

朝鮮からは中国へ、樺太からはロシアへ行くことができ、1つの鉄道で世界を巡ることも可能なのだ。

弓削京近くの静岡空港は、本国最大のハブ空港であり、上海、ロンドン、モスクワ、アレクサンドリア、ニューヨーク、シドニー、ブエノスアイレス、ニューデリーなどの世界各地の都市を結んでいる。

弓削京内にある清水港及び三保半島は日本皇国最大の港湾であり、この港には大量の物資が毎日運ばれてくる。清水港の面する駿河湾には、いつも大型のタンカーが往来している。


日本皇国一の大都市である弓削京だが、何故、弓削京はここまで大都市なのか。

理由は、弓削京の中心に鎮座する1つの氏族にある。その氏族とは、弓削氏。天皇を始祖とする氏族、つまり皇族である。皇族には苗字がないため、弓削という氏族名が苗字の代わりとして用いられている。



「ハァ・・・どうしたものか・・・」


椅子に腰かけため息をつくこの男、弓削文人(ゆげふみひと)。その姿から、情けない若いサラリーマンのように見えるが、彼は第32代皇太子。次期天皇の皇位継承の第一順位である。その血統から、神の子孫と周りに言われているが、彼自身は並のレベルであり、それにもかかわらず国の重役を任されている。自分が皇太子であることが、プレッシャーになっていることもあるだろう。


「あら、どうしたの?そんなところに座り込んで」


そこに現れたのは、文人の従兄弟である弓削霞美(ゆげかすみ)。年も近いため、お互いは親しい仲である。


「・・・何だ、霞美か。霞美こそ、どうしてここに?」


「天皇陛下に、文部相へ書類を渡すのを頼まれて」


「そうか・・・全く、こっちも大変だよ。天皇陛下が出席する会議で出す資料を間違えちゃって、この前も同じようなミスをしたし・・・もう散々だよ」


「そうだったの。別に気にすることはないわ。ミスは誰にでもあるわよ」


(この前も天皇陛下に同じようなこと言われたな・・・)


霞美に励まされ、文人は天皇からの励ましの言葉を思い出した。本当に、このまま皇太子をやっていけるのか、彼は心配だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ