#70日本皇国(終)
神武天皇即位紀元1030年(紀元後370年)
史実ならば、数少ない強国が、世界の一部を支配し、数々の戦争を繰り広げてきた
この時代。そんな中、未だ負けを知らない1つの強国が世界を統べている。
その国の名は、日本皇国。
この国は、800年ほど前までは極東の島国でしかなかったが、その強大な国力と
無限の資源を駆使しながら、周囲の国を打ち破り、勢力を広げてきた。
紀元前310年、日本皇国領だった朝鮮半島に、中国大陸で大きな力を持っていた
燕、斉、楚の連合軍が圧倒的な兵力で侵攻し、一部地域を占領されたが、
日本皇国はすぐに反撃を開始し、撃退するどころか侵攻した3国を滅亡にまで
追いやった。紀元前304年には、中国を統一し、周辺国を震撼させた。
その頃から日本皇国はみるみるうちに国力を増大させ、建国からわずか340年程で
世界一の強国として君臨した。
中国というアジアの脅威がいなくなり、まだ国もできていない地域を圧倒的な
武力で侵略し、それから200年後には太平洋、東アジアを制覇した。
紀元前140年には、北米大陸を制覇。その20年後にはパルティアを滅ぼし、
アジア世界は、ほぼ日本皇国のものとなった。
紀元後110年には、地中海沿岸一帯を支配するヨーロッパ最大の国、ローマ帝国へ
戦争を仕掛け、瞬く間に進軍。ローマ帝国は属州全てと本国の一部を失い、
帝政ローマが崩壊。ローマ帝国は、実質的に終わりを迎えた。
その後、アフリカ、南米、南極を制覇し、日本皇国は世界を統一した。
何故、日本皇国はここまで強いのか。それは、この国のとある人物が関係している。
その人物とは、1030年間日本のトップとして君臨する天皇。この天皇は、
今から1030年前に突如現れ、様々な特殊能力を駆使して先住民を従え、
先住民に高度な技術を教えて国を発展させた人物である。天皇は、不老不死
であるため、1030年間、歳も取らず、死ぬこともなければ病気に罹ることもない。
普通ならば、それらの不可解なことを疑うが、天皇への信仰力は絶大であるため、
天皇を疑う者はいない。いたとしても、周囲の者に異端者呼ばわりされるだけだ。
日本皇国の技術力は留まる所を知らず、近年では、ロボット兵、パワードスーツ、
ロケット、宇宙船などの研究、開発が進んでいる。
日本皇国は、地球上の資源を開拓するため、海底資源のフロンティアとなる
海中都市、砂漠の地下資源のフロンティアとなるドーム型都市、南極の資源の
フロンティアとなる地下都市などの建設を次々と始めた。
地球以外にも注目し、月や火星にも拠点をつくり、宇宙移民への第一歩を
踏み出した。地球と似たような環境である星を探すため、惑星探査機を
いくつも発射させ、新たな惑星を探している。
日本皇国の発展も著しいが、ローマ共和国も発展している。少しでも日本皇国に
対抗するため技術進歩に力を入れているのだ。そのおかげで、ローマの技術力は
5世紀並の技術レベルとなっている。人口も増え続け、日羅戦争終戦時の
イタリア半島中部の人口は120万人だったが、今では300万人である。
そこで事件が起きた。ローマ共和国の国民が増長したのか、自分たちで軍を
立ち上げ、国内の日本町を襲ったのだ。すぐに日本皇国の自衛隊が駆け付け、
すぐに鎮圧されたが、日本皇国国民のローマ人に対する反感が強まり、
敵国を意識するようになった。もちろん、ローマ人に対する復讐は天皇が
禁じているが。
「天皇陛下、ローマ共和国で武装蜂起した軍の首謀者が捕まり、ついに我々に
降伏しました」
日本皇国の首相が、執務室の椅子で座る天皇に向かって報告する。それに天皇は
「ならよかった。これで、しばらくの間は国も安泰だな」
と嬉しそうに言って、安心した。
ご愛読ありがとうございました。最後の方は何だか端折ってしまいましたが・・・
これにて、今作の本編は終了となります。
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