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#68分断の壁

神武天皇即位紀元800年(紀元後140年)

ガーナ、コートジボワール、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ギニアビサウ、

ガンビア、セネガル、カーボベルデ、アンゴラ、ナミビア、スワジランド、

南アフリカ、レソト、南アメリカ大陸を領有化。

これで、アフリカ大陸と南米大陸を制覇した。前は南米大陸の沿岸部しか領有

していなかったが、内陸部の支配も徐々に進んでいるので、正式に領有宣言をした。


ローマ共和国の統治も、一時期は反乱が何度か起きて不安だったが、ローマ人が

少しずつ支配を受け入れてきたようだ。終戦後の混乱はなくなり、最近では

発展もしている。



ローマ共和国サイド


その頃、国境沿い壁の内側を見つめる父親と息子がいた。身なりからして、おそらく

一般人だろう。


「父上、これは・・何ですか?」


息子は、父親に目の前の壁を指しながら言った。この息子は、父親に何も言われぬ

まま、ここまで連れられてきていたのだ。


「これは、日本皇国とローマを遮る壁。別名『分断の壁』だ」


「何で、こんな壁があるんですか?」


「・・・今から30年前、今は隣国である日本皇国と戦争をしたのは

知っているよな?」


何故父親がこんな質問をしたかというと、息子は今10歳ぐらいの年齢であり、

戦争を経験していない。戦後の混乱もない時代に生まれているので尚更だ。


「知っています。確か、ローマは日本皇国に負けたのですよね?」


「ああそうだ。かつてローマ帝国は広大な領土と強大な軍事力を誇っていたが、

そこに突如日本皇国が現れ、国交を開いた。しかし、日本皇国はローマに

無理な要求をつきつけ、戦争が始まる。ローマは全兵力を投じて対決するが、

日本皇国の未知なる兵器の数々によって、瞬く間にローマが蹂躙されたのだ。

日本皇国は、何故か知らないがローマと講和をし、疲弊したローマを支援し、

何とか今日まで国を保っている」


その話を聞き、息子にとっていくつか疑問点があったが、それは胸の内に

抑え込んだ。また後で聞こうと思っているのだ。


「ローマは負けましたが、日本皇国が助けてくれたのだから、日本皇国は、

実はいい国ではないのですか?」


戦争に負けたローマを支援したことを聞き、息子はそう言ったが、

それに父親は首を横に振った。


「それは少し違う。私の父上、お前からはお爺様だが、実際に戦地へ出向いた

父上から聞いた話では、日本皇国との戦争は悲惨なものだったらしい。

父上は、戦地まで行くため、馬に乗って移動していたが、偶然『何か』を

目撃したらしい」


「・・・何かとは、何ですか?」


「それは私にも分からない。その時、父上はナポリの周辺を通っていた

らしいが、ナポリに目で追えないほどの速さの物体が何個か落ちたらしい。

落ちた途端に町が大爆発し、一瞬にして焼け野原になったとのことだ。

私は隕石の可能性を疑ったが、父上曰く、日本皇国の仕業らしい」


息子にはその話が信じられなかった。とんでもない速さで飛んできて、

一瞬で町が消えるものなど、この世にないと思っているからだ。

しかし、父は真面目な顔で言っているので、嘘とは信じがたい。


「それで、ナポリはどうなったのですか?」


「それは分からない。その後すぐにローマが降伏したからだ。分断の壁に

よって、外の世界は見られないし、ナポリを知っている人間はもういない

からだ。私たちは、この狭いローマから出ることはできないのだ」


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