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#61混乱と因循

開戦からおよそ20日。現在で言う、アナトリア半島東部、ブルガリア、セルビア、

オーストリア、ハンガリー、シチリア島、サルデーニャ島、コルシカ島、

サロニカ諸島などの領土が、日本皇国に占領されてしまった。


あまりの進軍の速さに、重臣や元老院は慌てふためき、結局何の対策も出来ぬ

まま時が過ぎていった。今日も議会を開き、対策を考えているが、こうしている

間にもどこかで戦いが起き、誰かが死んでいく。議会を開いたところで、結局

戦況は変わらず、ローマ帝国は全戦全敗。

ここまで勝てないことはローマ帝国で前代未聞であり、日本皇国は正に

未知なる敵であった。


(この戦況、どうするか・・・)


国王は、そんなことばかり考えていた。ローマ帝国軍は各地で敗北を続け、

多くの兵を失ったことで、元は30万人ほどいた兵力が、今や10万人ほど。

その10万人には、PTSDになってしまった兵もいるので、使える戦力は

もっと少ない。一方、日本皇国軍の規模は100万人以上。数で考えても

明らかに勝てる物量ではない。策をいくら考えたところで、勝つ術は

ないのだ。


そして、議会は今2つの意見に分かれている。1つ目は、早期降伏派。

2つ目は徹底抗戦派だ。早期降伏派は「これ以上戦っても意味がない。

すぐに降伏して、何とか国を維持させるべきだ」という考え方。

徹底抗戦派は「まだ戦力はあるのだから、帝国の誇りに賭け徹底抗戦し、

歴史に爪痕を残すべき」という考え方だ。どちらもほぼ半々の勢力で、

更に皇帝が中立の立場にあるために、結論がまとまらない。



何の手立ても打てずに迎えた開戦後22日。シチリア島を占領した部隊が

イタリア半島南部へ上陸。日本皇国はついにイタリア本土まで来たのだ。


更にその2日後、ラエティアなどに進軍した部隊がイタリア半島北部へ侵攻。

他にも、ジブラルタル、アナトリア半島などが陥落し、ローマ帝国の危機感は

最高潮となった。


開戦から30日が経つと、トルコ、ブルガリア、ギリシャ、マケドニア、

アルバニア、フランス、スペイン、ポルトガルが陥落、占領された。

イタリア半島南部、北部で、かなりの兵力を使い、反撃に出たが、全く

敵わず、陥落寸前である。既に、元の領土の10分の1ほどになってしまい、

国力は疲弊し、各地で反乱も起こっている。


ローマ帝国の負けは確定となった。


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