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#60地中海沖

日本皇国のアフリカ方面遠征部隊は、アフリカ全域を占領したため、地中海を

越えてユーラシア大陸などに向かおうとしていた。

ローマ帝国は、日本皇国の上陸を食い止めようと海軍を日本皇国の船団へと

向かわせていた。


その中でも、チュニジアを占領した部隊は、陸軍を輸送船に切り替え、

先頭に戦艦を護衛につけてシチリア島へ向かっている。

シチリア島を占領されてしまうと、イタリア本土への上陸が容易に

なってしまうため、ローマ帝国は何とか阻止しなければならない。


戦力は、日本皇国が軍艦3隻(その後ろには輸送艦20隻と揚陸艦など)、

ローマ帝国がガレー船や帆船が50隻である。数で考えれば、ローマ帝国の

方が有利で、その船舶の技術も、強大な海軍国であるカルタゴから学んだもの。

ローマ帝国側は、この戦いに勝てると確信していた。しかし、現実は違う。


ローマ帝国海軍の指揮官は、貿易で入手した望遠鏡を覗きながら、敵艦を

探している。長い間探しても、水平線が見えるだけなので諦めようと

していたその時、水平線にいくつかの影が見えてきた。


「敵艦を発見!総員、直ちに戦闘準備へと移れ!」


指揮官は、その影を敵だと確信し、自軍にそう伝えた。兵士たちは、

槍や弓を構え、投石機の準備を始めた。


その影がこちらへ近づき、お互いが見合った時、指揮官は仰天した。


「何だあれは・・・・」


見えているのは、日本皇国海軍シチリア上陸部隊の旗艦、軽巡洋艦の

木曾、駆逐艦の皐月、文月、後続する輸送艦などだった。

それらの軍艦は、ローマ帝国のどの船よりも大きく、建材も木ではなく

鉄のようなものだった。更には、船から煙まで吐いている。

最早、それが船なのかは分からないほどだ。


絶対に勝てないことは分かっているが、何か戦果を残したいので、

指揮官は1つの命令を下した。


「総員、敵艦に向け、総攻撃せよ!」


その命令を受け、兵士たちは弓や投石機を駆使して艦隊へと

立ち向かうが、矢を射っても射程外、届いても艦隊の装甲に

へし折られたりと、何1つ戦果を挙げられなかった。


木曾、皐月、文月は、魚雷や艦砲射撃に使って、ローマ帝国の

船団を一撃で木っ端微塵に粉砕していく。


指揮官はもう無理だと悟り、撤退命令を出そうとしたが、

それはもう遅かった。ついに指揮官の乗る船までも玉砕され、

他の船は指揮をとる人間がいなくなったことで逃げまどい、

敢え無く沈没し、ローマ帝国船団は全滅。

結果、海軍は大敗退となり、シチリア島上陸を許すことに

なってしまった。

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