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#56貿易の成果

日本皇国とローマ帝国の貿易が開始され7年。貿易を始めてから、ローマ帝国

の国民の生活は豊かになった。その理由は、日本皇国からの輸出品では、

布、食料、生活用品などの日本皇国製の高品質な品が輸出された。

更に、パンテレリア島の租借料が巨額なため、大きな富が流れてきたからだ。


他にも、ローマ帝国には日本皇国の食文化が流入した。その料理はパスタ。

主に、カルボナーラやナポリタンなどの茹でるパスタだ。

この頃のイタリア半島では、パスタを焼いたり揚げたりして食べるのが普通

のため、茹でるパスタというのはとても斬新だ。

ローマ帝国人にその味の美味さがヒットし、日本皇国が安価で輸出するため、

貧民から貴族、王族までの誰もが食べる定番料理へと変わった。


一方、日本食も受け入れられ、パンテレリア島には日本食専門店が開店し、

大きな賑わいを見せた。パンテレリア島は、最初の頃は無料で公開されたが、

後に有料になったにも関わらず、観光客は減っていない。


ローマ帝国からの輸出品では、日本皇国は物資の輸出を求めず、奴隷の輸出を

要求してきた。ローマ帝国は、食料の輸入があるため、奴隷の輸出を快く

承諾した。奴隷を高い値段で買っていくのも理由だ。



その頃、皇帝のトラヤヌスは病死し、ハドリアヌスが新皇帝となった。

ハドリアヌスは、日本皇国との貿易に危機感を持っていた。


(奴らは、我が国の市場を日本皇国製品で埋め尽くし、市場を独占して

経済を崩壊させるつもりだな・・・)


日本皇国との貿易にはいくつか不審な点があった。まずは、商品を安価で

売ってくること。普通ならば、高値で売ってくるし、自国の利益を重視する。

安価で売るのはおかしいのだ。そのため、日本皇国が市場を独占しようと

していると考えたのだ。その証拠に、日本皇国は年々輸出量を増やして

きている。奴隷しか買っていかないのも、自国の商品が生産できない

ようにするためと考えれば説明がつく。


ハドリアヌスは、今の貿易を見直したいが、中々踏み込めない。

下手すれば、パンテレリア島の租借がなくなり、貿易もなくなって

しまうかもしれない。パンテレリア島が領土へ復帰すれば、自国にとって

有益だと思うが、パンテレリア島の運営費は膨大であり、ローマ帝国には

IT技術もないので、島の管理ができない。貿易がなくなれば、国民の不満も

爆発する。ハドリアヌスの選択肢は、現状維持しかなかった。


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