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#54島内開発、公開

条約締結のその日から、パンテレリア島の開発が始まった。パンテレリア島は

面積が小さいため、埋め立てから始まる。島を整地し、整地で生まれた土を

埋め立てに使う。足りない分は、島の周りの海底を浚渫して土をつくる。

この作業は、大規模な港をつくるにも必要だ。喫水が浅くては、

大型の船が入港できない。

パンテレリア島には、貿易品を扱う商店街をつくり、商人のための住居も

用意し、小規模の畑も開墾し、食料生産もできるようにする。

その他、役所や消防署、病院、警察署などの公共施設も建てられた。


工事は急ピッチで行われ、半年ほどで工事が終わり、日本皇国とローマ帝国の

両国に公開された。


真っ先にパンテレリア島を見物しに来たのは、ローマ帝国の貴族だ。

貴族たちは、島がどうなったのか興味津々だ。


「ま、まさかたった半年でここまでの大都市ができるとは・・・」


島に到着した時、貴族たちは驚いた。何故なら、このわずか半年で、

大都市ローマに匹敵するほどの都市が出来上がっていたのだ。

これには、日本皇国の国力を疑ってしまう。


貴族たちは、その景色を眺めながらぼんやりと中へ入ろうとすると・・・


「皆さま、お待ちください」


後ろから若い女性の声が聞こえた。どうやら、止められたようだ。


「ここから、我が国の領土となりますので、入国手続きが必要です」


若い女性はそう言ってきた。貴族たちは「元々は我が国の領土で、そっちは

ただ借りているだけじゃないか」と思ったが、早く行きたいので

素直に従うことにした。


「まずは、お名前、年齢、性別、職業を教えてください」


そう言われ、貴族たちは口々に情報を言う。それを机の上にあるPCに

打ち込んでいく。


「次は、こちらを覗いてください」


「これをか?」


指示に従い、PCのウェブカメラを不思議そうに覗き込む。すると・・・


パシャッ!


シャッター音が鳴り、「何の音だ」と驚く。初めて聞いた音なので、驚く

のは当然だ。驚きながら、全員分が終わった。


入力が終わると、女性はPCのそばのプリンターから先ほど作った

入国許可証を印刷した。それを貴族に手渡すと・・・


「な、何だこれは!?絵なのかこれは?私そっくりではないか!」


その入国許可証にあった自分の写真に貴族はひどく驚いた。貴族たちは

写真を知らないので、そっくりに描かれた絵が瞬時に出てきたのだと

思っている。しかし、その説明はない。


「その入国許可証は、島内での買い物、宿泊の際には、必ず許可証を

提示してください。提示できなければ、それらは出来ないので

お気を付けください。なお、再発行には罰金が科せられますので、

くれぐれも気を付けてください。では、島内での観光をお楽しみください」


(やっとか・・・)


若い女性の長い説明を聞き、ようやく貴族たちは、敷地内へ足を踏み入れた。


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