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#43特殊作戦

この日、日本皇国の特殊部隊は密かにエルサレム郊外へ、兵員輸送車で潜入

していた。目的は、イエス・キリストの拉致。

特殊部隊には「陛下との謁見のために、本国へ遣わす」と伝えてあるため、

それが善行であることを信じて疑わない。計画としては、皆が寝静まっている

この時間帯に、誰にも分からないようにキリストを連れ去り、兵員輸送車に

乗せて走り去り、日本皇国の領土まで来たら、飛行機に乗り換えて弓削京まで

連れていくのだ。

特殊部隊は、3人で構成されており、拉致を実行するのは2人で、もう1人は

車両の運転手として待機し、待機している間は辺りを用心深く見張る。


特殊部隊は、キリストと弟子たちが寝泊まりしている建物を発見し、

その近くで駐車する。現在の時刻は午前2時45分。拉致するには絶好の

時間帯だろう。実行を担当する2人は、計画通りの任務を遂行する。

町に灯りなどはなく、月光だけが光源。今夜は三日月なのでその光さえ小さい。

人間には到底自由に動ける明るさではないが、暗視ゴーグルを装着することで

視界を確保する。準備が完了し、いよいよ建物へ潜入する。


先に中へ入った1人は、辺りを見渡し、潜入していいか確認する。そして、

後方にいる隊員へとゴーサインを出した。建物へ入った特殊部隊は、音もなく

ただゆっくりと周囲を警戒しながら進んでいく。区切られている部屋を1つ1つ

探していく。すると、1番奥の部屋にキリストらしき人物が寝ているのを

発見した。手元にあるキリストの写真と照らし合わせ、本人だと確信した。


これから、キリストを外の兵員輸送車まで連れていく。持ってきていた担架に

ゆっくりと、起こさないようにキリストの体を移した。全く動かないことから、

熟睡しているのは確かだろう。無事に担架へ移した後は、迅速にこの建物から

退却する。静かでいて、迅速にだ。これを成すにはかなりの訓練が必要だ。


特殊部隊は、何とかキリストを兵員輸送車まで運び込んだ。特殊部隊の2人は、

運転席の後ろの席に座った。キリストは奥で寝かしてある。


「任務はどうだった?上手くいったか?」


運転手である特殊部隊の1人が聞いた。


「ああ、問題ない。誰にも見つかることなく、対象を連れてきた」


「それはよかった。さあ、すぐにここを出るぞ」


そう言って、車は走り出した。キリストの拉致が成功し、一安心だが、油断は

できない。途中でこの車を見られてしまったら、作戦は成功ではない。

なので、舗装されている道路や、家が並ぶ道路ではなく、建物も何もなく

舗装されていない場所を走る。この車では、ある程度の段差は乗り越えられる。


しばらく走った後、ついにローマ帝国領から抜け、日本皇国領へ入った。

これでひとまず、キリストの拉致が見つかるという心配は要らないものとなった。


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