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#31修学旅行(後編)

「それでは、早速、見て周りましょう!」


案内員がそう言い、2人はそれについて行った。そこで見た展示物は・・・


「これは・・・天皇陛下の写真?」


展示されているのは、かなり古びているが天皇の写真だった。しかし、見た目は

今と変わらない。そのため、疑問形なのだ。


「その通りです。それは降臨時の天皇陛下のお写真ですよ。神秘的ですよねー」


「・・・って事は450年以上前の写真?見た目が今も変わっていないって

本当だったんだな」


浩が驚きを口にする。不老になる方法など、現代科学では証明できないからだ。


「私も天皇陛下みたいに不老不死になれたらなーピッチピチのままで

いられるのに」


美佳が願望を漏らす。おそらく本心だろう。


「いや、お前は既にババアだろ」


「何をー!浩も同級生なんだから、あんたはジジイよ!」


浩が美佳の容姿を蔑むと、美佳も言い返してきた。それを見ている案内員は

苦笑いである。


「つ、次行きましょうか」


案内員が間を取り持つように、先へと進む。何とか、喧嘩まではいかなかったようだ。


「へえーこんなものもあるんだー」


そこには数々の写真が展示されていた。降臨初期の葛城村の風景や初代長老の

写真、奉納品など。これを撮影しているのは全て天皇だ。


「昔の西京市ってこんなのだったんだな」


「そうね。まさかこんな昔の写真が残っているなんてね」


「では、次はこちらを見ましょう」


案内員が指したのは、何かが書かれている木簡だった。


「これは・・・何ですか?」


「降臨初期、当時の村民に教えるための国語の教科書です。あいにく、他の

教科書は現存していませんが・・・」


「ホントだ。ここに『格助詞は、が、の、を、に、へ、と、から、より、

で、や、などがある』って書いてあるわね」


「文法も、今と変わってないのだな」


浩が、文法が今と変わっていないと言ったのは、他の言語では時代によって

言語が変化することがあることを知っているからだ。


「私達が使っている日本語は、天皇陛下がその基礎を創り上げ、それを先人に

伝えたことで成り立っているのですよ」


案内員は微笑みながら説明し、2人はそれに感心するばかりである。

2人は、何か不思議なものを感じた。


その他の展示物も一通り見終わり、ついに別れの時。


「今日は1日、ありがとうございました。貴重なお話を聞かせていただきました」


「いえいえ。そんなことですよ。またのご来館、お待ちしています。それでは、

お気をつけて」


そう見送られ、2人は次の目的地へと足を運ばせた。


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