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#30修学旅行(前編)

久しぶりに国民サイドの話です。たまにはこういう話もいいですね。

「あーあ、修学旅行って面倒くさいよなー」


「っもう・・そんなこと言わないのっ!」


そんな会話をしながら西京市内を歩くこの2人、(ひろ)美佳(みか)は修学旅行で

ここへ来ている高校生。2人は幼馴染である。


「・・・次はどこ行くんだっけ?」


「国立葛城博物館でしょ。しっかりしてよ!」


「俺はしっかりしていないから、美佳と一緒に行動しているんだろ」


「・・・全くもー。浩はいつもそうなんだから」


笑い交じりに、仲良く目的地へ向かう2人。その足取りは、いつしか既に目的地へ

到着していた。


「ここが葛城博物館かー。400年以上前に造られたとは思えないな」


「ホントねー」


その建物を見上げる2人。国立葛城博物館とは、旧葛城御所のことである。

400年前ほど前まで皇居だったここは、遷都により使わなくなったため、建国時

の天皇の私物などが展示されている博物館へ改装されたのだ。


「じゃ、中に入るか」


浩がそう言い、2人は博物館の中へ足を踏み入れた。


「けっこう混んでいるね、ここ」


「だな。これじゃ落ち着いて見られないな」


館内は修学旅行シーズンのせいか、多くの学生などで賑わっていた。

葛城博物館は修学旅行では定番の場所だからだ。人混みの中、前へ中々

進めないが、頑張って展示物の方へ進む。そこで、最初に目に留まったのは・・・


「・・・これって拳銃?最近のものに思えるけど・・・」


美佳がそう不思議そうに呟いた。それはそうだ。拳銃は比較的最近に開発

された物。ここは古代の物を展示する場所だからだ。


「そうです。それは拳銃ですよ」


展示物を見ていた2人の背後から、突然、可愛らしいような声が聞こえてきた。

振り向いてみると、その人は博物館の制服を着た若い女性がいた。

その女性は、話を続ける。


「その拳銃は天皇陛下の降臨時に所持していたものですよ。今も錆びれる

ことなく、貴重に保管されているんですよ」


「へえ・・・そういえば、教科書で見た気がする」


「そんな物が、今もまだあるなんて凄いわね」


その話を聞き、2人は感心した。


「あれ?あなたは・・・」


展示物に気を取られていた2人だが、次にその女性の存在に意識が向いた。


「あっ失礼しました。私はここで案内をしている佐伯梨美(さえきりみ)です」


案内役の佐伯は、少し焦りの反応を見せながら丁重に自己紹介をした。


「よろしければ、館内をご案内しましょうか?」


「え?いいんですか!?」


「もちろんです。お代を取るようなこともしませんよ!」


こうして、2人は案内を受けることになった。


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