#20歓喜の合間に
主人公のやることがだんだん過激になってきました。
日本皇国の出兵から2か月。日本皇国の猛攻撃により、燕、斉は滅亡。かろうじて
生き残っている楚も、秦からの攻撃により滅亡間近だった。楚には既に戦えるほど
の軍がなく、王宮の守りをすることしかできなかった。
「国王陛下、大変です!秦軍がこの王宮を包囲しました!」
補佐官は慌てながらにそう言った。しかし、国王は慌てる様子もなく・・・
「ならここを開城しろ。もうこの国に先は見えない」
国王は開城するように言った。それは、楚の滅亡を意味している。
「しかし・・・・いや、承知致しました」
補佐官は1度反論しようとしたが、それをやめて命令を聞き入れた。この国に未来
はもうないことなど、誰でも分かり切っていたからだ。
こうして楚の王宮は開城。燕、斉、楚の中国3国は全て滅亡した。この戦いでの
戦死者は民間人、軍人を合わせて滅亡した3国は1000万人。対して日本皇国の
戦死者は0人という結果になった。
この、戦死者1000万人というのは3国の総人口に匹敵するほどの多さである。
何故ここまで多いかというと、日本皇国が戦争とは関係なく、民間人を銃火器や毒ガス
で大量に虐殺したからである。それは、将来この土地の植民地化を狙う日本皇国に
中華思想を持つ中国人は要らないからである。しかし、日本皇国はその事実を隠蔽
している。
一方、本国では大国である中国の3つの国をわずか2か月で滅亡できたと聞き、
国中がお祝いムードだった。しかし、そんなことをできたからと言って、国民には
特に得などはない。天皇が喜んでいるから、国民も喜ぶ。日本皇国はそんな国なのだ。
しかし、喜んでいるのは、日本皇国だけじゃない。同盟を結んでいる秦もだ。
それは、前の条約で、滅んだ燕、斉、楚の土地を全てもらえるからだ。
秦は、それを楽しみに待っていたのだ。しかし・・・・・・
「陛下、日本皇国から文書が届きました」
文官が、そう言って文書を国王に渡した。一体何だと国王は思ったが、素直に
それに書かれている内容を読んだ。書かれていたのは・・・
「旧燕、斉、楚の領土の割譲について
1、右条項の全てを承認しない限り、領土の割譲は無効とする。これを拒否した
場合、武力を働くこととなる。
2、中国沿岸の港湾の権利を全て日本皇国へ譲渡すること。
3、秦と日本皇国は貿易を開始すること。秦の関税自主権は認めない。
4、秦王朝の政治に日本皇国人を雇い入れること。
5、秦国内での日本皇国の軍事基地の建設、利用を認めること」
「な、何だこれは!?話が違うではないか!」
その内容を読み終わったとき、驚愕と怒りの声を上げた。すっかり無条件で
土地をもらえると思っていた国王に、後で条件を突き付けてきたことに怒りを
感じていたのだ。しかも、その内容は日本皇国の属国になるような隷属的条件。
しかし、この要求を飲まなければ武力を働くとはっきり書いてある。日本皇国の
軍事力を知っている秦にはどうすることもできないのだ。結局、秦はこれらの
要求全てを認めることになってしまった・・・・




