表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/72

#18鉄の化け物

大変申し訳ないのですが、連載を2週間後の4月15日(日)まで一時休載させて

いただきます。詳しくは活動報告をご覧ください。

玉音放送の次の日。日本皇国は休戦状態を解除し、朝鮮駐屯地、台湾駐屯地、

湖南駐屯地からの燕、斉、楚への出兵を開始した。しばらくの間、休戦中

だった中国軍の警戒は緩んでいたため、すぐに国境の突破や沿岸部への上陸を

許してしまった。沿岸へ上陸した日本皇国軍はその周辺に要塞を築き、野戦の

準備を整えていた。


続々と上陸する日本皇国軍に、その輸送船を撃退するため、連合軍は

海軍を結成した。元々、この時代の中国では海戦など行われず、

ほとんどが黄河や長江などの河川で行われるため海軍はなく、水軍という

ものがある。海戦を得意とする日本皇国に対し、中国は圧倒的に不利なのだ。


そして、海軍を結成したという情報を日本皇国は聞きつけ、とある新型艦を

この戦いに導入した。



黄海沖での決戦の日。中国連合軍の船団と日本皇国軍の戦艦及び輸送艦が

この海で遭遇した。


「相手はジャンク船だと?奴らは皇国をなめているな」


日本皇国の指揮官は望遠鏡を覗きながら、そう呟いた。目視でははっきりと

見えないが、望遠鏡を覗けばジャンク船の姿が映っている。


「まあ、これなら皇国の圧勝は確実だな」


ジャンク船は、日本皇国だと神武天皇即位紀元25年に開発された船。

つまり、今から335年前に造られた船である。日本皇国の常識としては、

あまりにも旧式過ぎるのだ。しかし、それは日本皇国の常識の話である。

おかしいのは、中国ではなく、日本皇国なのだ。



一方こちらは先頭を走る斉のジャンク船。まだ相手と距離があるため、敵船は

遠くにぼんやりとしか見えなかったが、ついに、それを目の当たりにした。


「な、何だあれは!!?」


斉軍の指揮官が目にしたあれとは、この戦いで初めて導入した戦艦、金剛。

他の輸送艦でさえ、中国の常識では有り得ないほどに巨大であるのに、

この戦艦はその大きさを優に超えていたのだ。こちらのジャンク船の

排水量は100トンほどだが、日本皇国の金剛の排水量は3万トンほど。

話にならない。


「鉄の・・・化け物・・・・」


指揮官の目には、もはやそれが船だとも思えなかった。


次の瞬間、金剛は砲撃や雷撃を開始し、あっという間に味方の船は沈んでいった。

砲撃や雷撃も知らない中国に、何が起こっているかも分かっていない。

そこで、指揮官は命令を下した。


「全軍、退けっ!退けっ!!」


残っているジャンク船は後退を始めたが、高速戦艦から逃げ切れる訳もなく、

鉄の化け物の攻撃により次々に船は沈んでいく。


その時、指揮官は今すぐ自国に戻って「戦争をやめて今すぐ降伏しろ」と国王に

伝えたかったが、そんな思いも虚しく、体は海の底へ沈んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ