#17玉音放送
玉音放送のところが少しおかしいですが、ご了承ください。
神武天皇即位紀元355年(紀元前305年)
四川省、重慶市、湖南省、江西省、福建省以南を領有化。今ある中国の
国々の国境ギリギリまで領有化した。領有化したと言っても、ただ土地を支配
しているだけで、住民のためのインフラ整備や学校建設、食料の配給などは
一切していない。この辺はまだ中国の領土ではないが、中華思想があると
いけないので、日本皇国の戸籍にも登録していない。いわば、保護領という感じだ。
この土地を領有化したのは、中国との戦争のためだ。陸上ルートがあった方が、
戦闘を行いやすい。ちなみに、休戦協定は結ばれていないが、中国は
これ以上攻めてきていない。燕はかなり被害を受けているので、当分は
攻めてこないだろうし、斉と楚は、燕が動くまで、何かするつもりはないようだ。
前の休戦協定の時で、向こうが考えていることは筒抜けだからな。
今回獲得した領土には、中国との戦争のため、軍事施設を建設している。
もちろん、現地住民の反発はあったが、銃や火砲を見せながらお願いしたら、
すぐに了承してくれた。何故か知らないが、神の怒りに聞こえたらしい。
この時代の中国には、まだアニミズムがあったのだな。
戦争で被害を受けた朝鮮半島の復興も完了した。敵国はまだ負けたわけでは
ないので、賠償請求はしていないが、すぐに再戦をして、必ず負かす。
こっちには、新兵器があるのだから・・・・
しかし、本気で戦いをするにはまだ大切なものが足りない。それは、国民だ。
現状、中国が攻めてきたことを本国の国民はほとんど知っていない。
国民に秘密の状態で戦争なんてできないからな。
この日、天皇によって中国との開戦がラジオ放送で伝えられた。玉音放送だ。
まだラジオが一般家庭にあまり普及していないため、ラジオを持っている家に
周辺住民が集い、放送が始まるのを待っていた。
「これから何が始まるの?重要な放送があるって言っていたけど・・・・」
集っている住民たちがそう話し合う。まだどんな放送かはつたえられていないからだ。
「これより、放送を開始します。皆さま、ご静聴願います」
放送開始の合図。これから玉音に変わる。
「過ぎし日の事。我が皇国の海を渡った先の地にて異船が度々現れり。
しかし、かようなことは序曲なり。我が皇国の外地である朝鮮にて、戦国列国
である燕、斉、楚が戦を始めんとす。皇軍の勇猛なる反撃により、戦国列国は
転進せり。皇軍が再び列国と戦うをここに表す。そのことを考えて行動せよ」
「これって、結局どういう意味?」
玉音放送が終わった時、聞いていた人々が口々にそう言った。
天皇は文語体を朗読していたため、難解な言葉が多かったからだ。
この後、政府により、中国と再び戦いをすることを正式に表明した。