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#16本来の目的

少しおかしい気もしますが、大目に見てください。ネタがありません。

「続けます。4、燕、斉、楚は、日本皇国に沿岸部での漁業を認めること。

5、燕、斉、楚の全ての港の権利を日本皇国に譲ること。以上です。

何かご質問はありますか?」


葛城は残りの項目を読み上げると、そう聞いてきた。読み上げている間、

昭王は無言でただ見守っていた。


「いや、特にない」


「分かりました。それでは、私たちにとって良い返事を期待しています」


そう言うと、葛城はその場から立ち去っていった。


(やはり、この条約は同意しなければいけないか・・・)


昭王の頭にはそんな考えが浮かんでいる。しかし、この条約に同意すれば、

これ以上の被害はないものの、国の衰退は確実。同意しなければ、

日本皇国が自国に攻め込んでくる。まさに「ジレンマ」だった・・・・・



その休戦協定の話は、斉と楚にも同じように話された。

しかし、斉のビン王と楚の懐王の反応は、燕のものと違った。

斉と楚の反応は「誰がこんなものに同意するか」という態度だった。


斉と楚は、燕とは違いあまり日本皇国への侵攻も積極的ではなかったので、

兵の被害はあまりなかったのだ。更に、燕と同盟を組んだ理由も、燕が滅んだ後に

空いた土地を自分たちが奪い取るためだったからだ。休戦協定が結ばれたら、

これ以上の戦闘がなくなってしまい、燕が滅ぼされることもなくなってしまう。

仮に、不平等条約のせいで、燕が衰退しても、自分たちも衰退してしまう。

この条約は、斉と楚にとって何もいいことはなかったのだ。


結果的に、この休戦協定は賛成1か国、反対2か国(日本皇国を除く)という

状態になってしまった。反対の国がいるので、日本皇国の判断により、この条約は

棄却となった。よって、戦争状態が解除されることはなくなった。


これに対し、燕は「日本皇国がまた進軍を開始するのでは」と思ったが、

日本皇国が進軍する様子もなく、ただ都市の修復を行っていた。

そしてもう1つ、疑問に思っていたことが燕にはあった。


「あの不平等条約は日本皇国に有利なはずなのに、自分から棄却し、

結局何も得をしていない。相変わらず、何をしたいのだ?」


日本皇国は、燕を翻弄していたのだ・・・・



日本皇国が休戦協定を持ち掛けた理由。それは、戦争をやめたいわけでも、

利権をとりたいわけでもないのだ。本当の目的は、各国の思惑を知るため。

大使の葛城は、密かに各国の重臣から「なぜ賛成したか」「なぜ反対したか」

などと、上手く聞き出していたのだ。その内容は、戦争を始めた理由など

全てだ。各国の思惑など、日本皇国には筒抜けだった・・・・


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