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#15停戦協定

この頃、日本皇国は中国に奪われた占領地を全て取り戻し、それからピタリと

日本皇国の進軍が止まっていた。この時の双方の兵の被害は、連合軍が7万、

日本皇国は0だった。誰から見ても明らかな戦力差だった。このまま進軍を

続ければ中国などいとも簡単に勝てるのに、進軍をしないことに燕の昭王を

始め、連合軍は疑問に思っていた。


そんな最中、1番被害の大きかった燕。その首都である北京に突然、外国からの

来客が現れた。その来客とは、日本皇国の大使だ。昭王は、日本皇国からの

大使が来たと聞き、すぐに謁見を許した。


「国王陛下にお会いでき、恐悦至極に存じます。私は日本皇国大使、

葛城誠(かつらぎまこと)と申します」


「うむ。それで、今日は何の用じゃ?」


「はい、今日はこちらの事でお話があります」


そう聞かれ、大使である葛城が2枚の紙を取り出し、その1枚を昭王に

差し出した。それを見た昭王は・・・


「停戦協定・・・だと!?」


その紙には、漢文でそう書かれていた。しかし、停戦協定の内容の部分は

日本語で書いてあるため、昭王にはそれ以上読めなかった。


「はい、この協定は斉、楚とも結びますが、貴国の損害が甚大であると聞き、

先に通告するようにと思った次第です」


「そ、そうか・・・・」


(なぜ今、停戦なのだ?こちらから攻撃したと言うのに、いくら何でも

生ぬる過ぎないか?)


昭王はそう思った。かなりの被害を受けた燕は、今すぐ戦争をやめてほしいと

思ってもいたが、相手が、こちらから何も言わなくても、それに従ったことを

不思議に思っていたからだ。


「では、停戦協定の内容を口頭で説明します」


葛城がそう言うと、紙に書いてある内容を読み上げた。


「1、日本皇国と燕、斉、楚の両国は現在の戦争を放棄すること。

ただし、以下の要求を受け入れなければ、停戦は無効になる。

2、燕、斉、楚は日本皇国と国交を結び、貿易をすること。

3、燕、斉、楚の関税自主権を認めないこと」


「待て。関税自主権とは、何だ?」


葛城が4条を読もうとした時、さっきまで黙っていた昭王が、

質問をしてきた。関税自主権の意味が分からないようだ。


「関税自主権とは、輸入された物にかかる税、つまり関税を自分で

決めることができる権利のことです」


「それを、我が国に認めさせないというのか・・・」


葛城の説明を聞いた時、昭王はこの協定が不平等であることを理解した。

なぜなら、この3条を受け入れれば、輸入品は高く売られ、輸出品は

安く買われてしまう。明らかに、不平等だ。しかし、1条の通り、

これを認めないと停戦が無効になってしまう。


(停戦協定とは、このためだったのか・・・・・)


しかし、不平等条約の内容はまだ続いていた・・・・


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