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#14それぞれの思惑

このあたりから色々とややこしくなります。

燕サイド


「鉄でできた筒からの轟音で占領地の軍が全滅した!?」


「は、はい。詳しくは分かりませんが、何とか逃げ帰ってきた兵が、その音を

聞いたそうです」


「そんなわけがあるか!?我が軍の精鋭部隊だぞ!?」


執務室の中で、王が文官を怒鳴り散らす。その王とは、朝鮮と国境を接する

中国の1国、燕の昭王(しょうおう)。昭王は、かつて斉に攻められて

衰退した燕を再興させ、燕の全盛期を築いた優秀な人物だ。


「日本皇国が大陸に勢力を伸ばしたから、その勢力を打倒するために

斉や楚と協力したのに、返り討ちに合うとは・・・・」


燕が日本皇国へ侵攻した理由、それは、大陸への勢力拡大に危機感を感じた

からである。あまり軍備が発達していない朝鮮に奇襲すれば、すぐに

勢力を排除できると考えたこと。そして、日本皇国の王が殺され、国の

内部が分裂しているこの時期が最善だと踏んで、実行したのだ。

しかし、その情報はほとんどが嘘であり、天皇は殺されてもいないし、

1度内乱が起こりかけたが鎮圧している。誤った情報が伝わっているのだ。


「まあいい。全軍がやられたわけではない。戦闘を続け、何としてでも

敵軍に被害を与えるようにと伝えるのだ」


「はい、承知しました」


(日本皇国の国力はどうなっているのだ・・・ただの東方の田舎ではないのか?)


何にしても、昭王の読みは外れていた。



斉サイド


「燕軍の占領地が日本皇国に取り返された、か・・・やはり燕は弱いな」


斉の王であるビン王は報告を聞き、そんな風に呟いた。

かつて燕に攻め込み、今もまだ戦国時代である時に、燕に協力

した理由、それは、燕が日本皇国に負けると予想しているからである。

燕が負ければ、空いた土地を奪い取ることができるからだ。

斉は、それを密かに企んでいるのだ。



楚サイド


(燕と斉が日本皇国と戦い、互いに身を削っている間に我が国が

争っている土地を頂く。まさに、漁夫の利というやつだな)


楚の王である懐王(かいおう)はそんな企みを心中で思っていた。


この戦いは3国、それぞれの思惑が入り交じった戦いであったのだ・・・


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