表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/72

#10異国の船

「神の一言にて未曾有の事件終結、か・・・」


天皇は執務室で、その新聞の題名を目にした。未曾有の事件とは、この前の、

反乱軍によって官僚を殺そうとした事件のことだ。しかし、天皇が総理官邸に

いたことで、1滴の血も流れることなく事件は失敗に終わったのだ。


(なんかこれ、二・二六事件みたいだな・・・・

まあ俺がいたおかげで町が占領されるみたいなことはなかったが)


反乱軍が総理官邸に来ることを天皇が知っていた理由、

それは、反乱軍の誰かによって、官僚を襲うことを密告したこと。

それだけではどの官僚を襲うかは分からないが、天皇は、ただ当てずっぽう

で総理官邸を選んだだけだ。周りからは神の能力でどこに来るか見事

に当てた、と思われているが、単に運が良かっただけである。


「失礼します。天皇陛下、非常事態です!」


そう言って来たのは、運よく生きている総理大臣。

非常事態とも言っているので、ただ事ではないようだ。


「はぁ・・・一体何があったんだ?」


天皇はため息をつき、そう聞いた。


「はい、楚軍の哨戒艦が我が国の朝鮮行き貨物船を攻撃したとのことです」


(楚・・・中国の1国か・・・・)


「それで、我が国の被害は?」


「相手は弩なので、こちらの怪我人は0、船の損傷も見られません。

おそらく弓矢自体当たっていないと思われます」


(よかった。それなら、戦争をする理由にはならないな・・・)


天皇はそんなことを危惧していた。何故なら、今中国と戦争をすれば

歴史が変わってしまうからだ。下手すれば、秦が中国を統一しなくなって

しまう可能性もあるからだ。


「それなら、自衛権を発動させる理由にならない。

楚には、今後こんな事をしないように忠告しておけ」


「はい、かしこまりました」


そう言うと、総理大臣はその場を後にした。


(それにしても、何故楚軍は攻撃なんてしたんだ?貨物船が武装している

ようには見えないし・・日本皇国の国力だって分かり切っているはず・・・)


天皇はそんなことを考え始めた。何故、今になって

攻撃などをしたのか、それが分からなかったからだ。


(この前の事件が関係しているのか?もしかしたら中国と戦争をさせるための

自作自演?いや、そんなことをしても何も得はないな・・・)


そんな風に考えを巡らせていたが、既に朝鮮半島では、戦いが始まろうと

していた・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ