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掌編小説集8 (351話~400話)

ロペタ

作者: 蹴沢缶九郎

家庭用家事代行人型ロボット『ロペタ』は、1体の値段は決して安いとは言えない高価な値段であったが、ロペタに命じれば、どのような家事も難なくこなしてくれる。それまでの家事の煩わしさから解放される事を考えれば、購入する者が後を絶たないのも納得がいく。


あるところに、田中という男がいた。元々のずぼらな性格に一人身、それに仕事の忙しさも手伝い、家事がなおざりとなり、部屋は荒れ放題と酷い有り様であった。

そんな田中が、ロペタの購入を決めたのは、当然の流れである。


田中は、購入したロペタにさっそく命じた。


「よし、まずは部屋の掃除からだ。この部屋を塵1つ落ちていないほど綺麗にしてくれ」


しかし、ロペタは田中の命令にも微動だにせず、思いもしない返答をした。


「ソノ命令ニハ、従エマセン…」


「何だって!? 従えないだと!? 家事代行ロボットなんだろ!? 何故だ!?」


ロペタは答える。


「ワタシガ頂ク、給与ノ設定ガマダデス。コノ部屋ノ広サ、ヨゴレ具合カラ算出スルト、時間給デ15,000円ヲ頂キマスガ、ヨロシイデスカ?」


「ふざけるな!! ロボットに金を払えっていうのか!?」


憤る田中に、ロペタは当然のように言う。


「労働ノ対価ヲ頂クノハ、人間モ、ロボットモ、同ジデス」


毅然としたロボットの態度に反論も無駄と悟った田中は力なく項垂れるが、ロペタは続ける。


「元気ヲ出シテクダサイ。肩ヲ、オ揉ミシマショウ。1回500円ニナリマスガ、ヨロシイデスカ?」

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