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第12話 金色の焔

「はっははははは!はっははははははははは!」

「止まれ!止まれ!止まっての、この馬鹿野郎!」

 銀世界を駆け抜ける。朝の陽光を巻き上げられた雪が反射して、とても綺麗だ。

 今日は昨日の足跡を残さない精密重視の走行ではなく、速度重視のスタイル。《翼》の干渉力場を前面に展開し、空気の抵抗を軽減させて走っている。余波として、雪原には足跡ではなく、ナイフでV字に切ったようなラインが出来上がっていた。

 途中で魔獣や障害物に遭遇するも、跳び超えて、あるいは置き去りにして走り抜けていく。追随して襲ってくる魔獣もいたが、触れることも出来ずに後方へ消えていった。

 この速度は、初体験だ。

 現在、使用しているのはいつもの《アビリティ》―《翼》や《スキル》―《二足歩行》だけではない。赤い磨剣に施術されている《魔法》―《フィジカル・エクステンド》を並行して発動している。《魔法》は今まで一つも覚えていなかったので、これも初体験だ。

 《二足歩行》での身体の運用、《翼》での身体の変化、対し《フィジカル・エクステンド》は身体への外側からの上乗せだ。

 ヘルマンさんの授業によれば、《魔法》とは『外界』にありて、『形』と成す力である魔力によって編纂される、現象の行使だ。人の身体は魔力を精製するが、内部に蓄積するだけは殆ど意味をなさない。体外に放出し、術式に編纂することで初めて効果を発揮する。《フィジカル・エクステンド》は例えるなら、外骨格パワーアシストスーツだ。前世の知識では、医療の現場で看護師が患者を介助する際によく使っていた。各関節部をアクチュエータの伸縮により動作を補助し、人間の滑らかな挙動をそのままに、大きな力を運用する。《フィジカル・エクステンド》はそれと似た機能を持ち、全身を魔力の鎧で覆い、運動の補助と身体の防御を行う。

 《魔法》は便利な力だ。配陣処理のされた磨剣を使い、一定魔力さえ装填できるなら、誰であろうとも一律の効果を望むことができる。《スキル》や《アビリティ》の様に血統や才能に左右されず、成長させる必要もないので、即戦力として投入できる。《魔法》の存在を初めて知った時、その有為性から両親に早く《魔法》を覚えたいと頼んだことがある。

 その要望に対し。

『え~、《魔法》ですか。正直、私、アレあんまり好きじゃ無いんですよね。何か、こう手に帰ってくる反応が殆どなくて、フィット感がイマイチといいますか・・・』

『まあ、大量殲滅とか大規模破壊のジャンルなら《魔法》の右に出る技術ってそうそうないですけど、下手に強力な《魔法》が使える様になっちゃうと、『とりあえず、《魔法》ブッぱしとけば勝てる』みたいな、短絡思考になりやすいんですよね』

 その手の輩は、格好のカモだったと御袋殿は語る。

 親父殿は。

『確かに、《魔法》はヒトが生み出した強大な力だ。しかし、《魔法》とて数ある力の一端にすぎず、扱うのは結局ヒトだ。最初から、強力な《魔法》に頼っていては、他が疎かになる。今は自身の力を成熟させる日まで、待つことが寛容だ』

 何、そう遠い日ではないと語った。

 要するに、お前にはまだ早いとのお達しだ。

 そして今日、《魔法》に触れてみて改めて分かった。これは、依存してしまうのも分かる。発動中の《フィジカル・エクステンド》でさえ最下級の戦闘級の《魔法》だ。《魔法》の階級は、戦闘級、戦術級、戦略級とあり、階級が上がれば上がるほど、威力も上昇する。戦術級、戦略級の《魔法》ならば、どれだけの威力を出すのか。

 仮に、《魔法》を――容易に振るえる強力な手段を、もっと早く憶えてしまっていた場合、《魔法》関係の知識と技術ばかりを身につけた、歪な成長をしてしまわないかと、親父殿は憂慮していたのだろう。その点については、大いに同意だ。逆境の渦中でこそ、人は成長する。有用性に目がくらみ、安易な方法に頼ろうとしてしまった自分を諌めてくれた親父殿には感謝だ。

「何、分かったような顔してんだよ!前を見ろ、でっかい河だぞ!突っ込む気か!?」

 背中に背負ったジークリンデは、とても元気だった。昨日は何針も縫うような怪我をしたにも関わらず、食事を取り、たっぷり寝るともうピンピンしてる。今朝、包帯を変える際に確認したが傷口が既に塞がっており、損傷など無かったような綺麗な肌になっていた。自己治癒の速度が早すぎる。本人に治りの速さの理由を聞いてみても、何でそんなこと聞くんだと、逆に不思議がられた。詳しく聞くと、傭兵団の他の団員も大体この程度の怪我ならば、すぐ治るそうだ。

 常識はずれに強い御袋殿に何千回とズタボロにされながら感じていたことだが、この世界の住人の身体は前世の人間と比べてとても頑丈に出来ているようだ。自分自身の身体からして、壁にめり込むような衝突をしても、痛みはあったが骨折などもなく、軽傷ですんでいる。今までは比較対象が無かったので判断がつきかねていたが、ジークリンデの話を統合すると、あながち間違いでもないらしい。

 魔獣が跳梁跋扈する過酷な環境で生き残る為、種の本能が身体を頑強にしたのか。それとも、効率的に能力を強化する『パーソナルシステム』を何代にも渡って発現させ続けた結果、身体そのもの基盤が強化されたのか。

 或いは両方の要因が重なった結果かと、考えた矢先に頭が両側から押さえつけられ、左右に振り回された。

「だ~か~ら~、俺の話を聞けえええ!」

「おおっとすまんな、ジークリンデ。少し、ぼーっとしていた。それで・・・」

 眼前には幅10m程の河が流れていた。尤も、表面は氷ついているので、水の流れは外気に触れない氷の内部だけだろうが。

 渡河用の橋もない。

 なので、飛び越えることにした。

 川縁手前で、勢いのままに地を蹴り前へと跳ぶ。空中に身を投げ出す間、「と、飛んだっ!?って下から何か来てる!」と叫びながらジークリンデが強くしがみついてきたので、下を見ると氷面を砕いて水中から子牛位はある怪魚が飛び出した。ピラニアをそのまま巨大にしたような怪魚で、開いた口の内部には二重構造の小さくとも鋭い無数の牙が見えた。あの牙で、獲物の肉をこそぎ落とし、出血を強いて捕食するのだろう。

 ちょうどいいので、そのまま足場にさせてもらう。

 《鱗》を十枚載せで発動させ、弧を描く跳躍軌道からその場に垂直急落下。

 こちらに喰らいつこうとしていた怪魚の顔面を蹴りつけ、反動で対岸へ跳ぶ。

 着地の衝撃を動きなら分散させて、着地。《鱗》から《翼》へと切り替えて、再び走りだす。後方をチラリと振り返れば、怪魚が陸地でピクピクと痙攣していた。あのままなら、他の魔獣の餌になるので、無駄にはならないだろう。

「それで、何か用か?振動が傷口に響くなら、速度を落とすが」

「・・・いや、もういいや」

 子供には似つかわしくない、諦めたようなため息を、ジークリンデは漏らした。

 



 早朝に小屋を出発し、雪原を走ること早数時間。視界の先に、幾つかの白煙が上がっているのを発見した。

「火を起こしてるみたいだな。場所はあそこであっているか、ジークリンデ?」

「ああ、間違いない。ウチの団旗が立ってる」

 更に近づけば、風にはためく真紅の旗を確認することができた。赤の下地に、金糸で炎の形が刺繍された、なんとも豪華そうな旗だ。あの旗下に、傭兵団の野営地が有るらしい。

 旗が見えてから5分もせず、野営地には到着した。

 水源を確保する為に河近くに宿泊用らしきの天幕が幾つか並び立ち、その間を剣や槍で武装した様々な種族の男たちが行き交っていた。数は大凡で30人前後。一番多いのは、やはりヒト種の中でも最大の個体数を誇る人族。次いでケモノの耳や尻尾を持つ獣人族が。その次が背が低くて頑丈な鉄人族、一番少ない華人族は3名程。天幕の外にいる傭兵達が、突然現れたこちらに訝しげな視線を送る。

「おおーい、皆!帰ったぞー!」

 背中のジークリンデが声をあげながら手を振ると、傭兵達は破顔一笑。傷に塗れた顔を喜色に染めながら、こちらを、正確にはジークリンデを足早に取り囲んだ。

「お嬢、無事だったのかよ!」

「ったく、心配してたんだぜ。いつまでたっても戻らねえから、これから捜索隊を出そうって話になっててよ」

 傭兵達の無骨な太い指が、ジークリンデの頭を無遠慮にクシャクシャにするが、本人は至って気にした様子はなく、寧ろ嬉しそうだった。

「ワリィワリィ、ちょっと運搬の途中に魔獣に襲われちまってよ」

 ジークリンデは背中から飛び降りると、天幕の中で一番大きいものを親指で指した。

「細かい話は、後でする。とりあえずは、団長に報告行ってくる。ああ、そうそう・・・」

 スルリと少女の細腕が首に回され、ジークリンデと顔を並べる状態になった。息遣いも分かりそうな距離。傭兵達の視線が一気に険しいものになった。

「コイツ、俺の恩人で、ダチになった奴だから、お前ら変なことすんなよ」

 それだけ宣言して、ジークリンデはスタスタとその場から立ち去った。

 後には、自分と傭兵達だけが残された。ジークリンデは武張った職業の人種に注意喚起したつもりなのだろうが、正直、今のでは逆効果だ。アレだな、娘が初めて連れてきた彼氏を威嚇する頑固親父みたいな形相に傭兵達はなっていた。

「で、ガキよ、お前どこの誰よ?」

 これ以上無い位に分かりやすく、狼の獣人が敵意を向けてくる。

「お嬢に何か良からぬ事をしてたら、お前、泣かすぞ?」

 抱き合って、一夜を明かしたと答えたらどうなるのだろうか。

 一応、肉体的には五歳児の子供なのだが、知ったことではないとのばかりの眼光だ。360度全方位を厳つい大人に囲まれれば、この年頃の子供なら普通は泣いてると思われる。

 大人気ないにも程がある連中だ。

 ただ、これがジークリンデに対する情の深さの裏返しと考えれば、まあ微笑ましくもあり、腹も立たない。

「お初にお目に掛かります。俺の名前はリョウマ・サーガ」

 両膝を寝かせると、両手を地面に置いて、頭を下げる。

 公の場で自ら名乗り、挨拶をすることは、洋の東西、世界を問わずに重要な行為だ。礼儀作法の問題も勿論あるがそれ以上に、自らがここにいるという事の証を立てることであり、同時に相手がそこにいることを認めることでもある。名乗りも挨拶もできない輩は、自己の定義もできず、相手を承認することもできない、只の愚者だ。

「僻地に住まう田舎者で、この度は故有りジークリンデさんとは一時同行することになり、道を同じくしました。御息女様には、道中大変良くして頂き、本当にありがとうございます」

 名乗り、挨拶と続けば、次は当然手土産だ。リュックからブロック状に切り分け野草の葉で巻いたアスラ・ベアーの肉を取り出す。因みに、昨日の反省を踏まえ、水で戻した味噌を事前にまぶして臭み抜きを試みている。時間の問題で、完全には抜け切れてないだろうが、昨日のそのままの肉よりは大分マイルドになって食べやすくなっているはずだ。

「どうぞ、つまらない物ですがお収めください」

 差し出された肉塊を、狼の獣人はおずおずといった体で受け取った。獣人族らしく鼻で匂いを確かめ、渡された肉の重みと、肉の新鮮さを感じ取ると、軽く舌なめずりをした。

「おお、こいつはいい肉だな、坊主」

「それは良かったです。長期保存用の処理などはしていないので、お早めにご賞味ください。」

「へへ、悪いな」

 早速手に入れた肉を狼の獣人が持ち帰ろうとすると、彼の進行を阻むように大きな壁が現れた。否、それは壁ではなく、人だった。

 おそらくは、人族。身長2mはあるか。四肢は太く、胸も厚いが、断じて脂肪で丸く膨らんだ訳ではなく、鍛えこまれた鋼の筋肉が皮膚を突き破ろうと唸りを上げているのだ。岩からナイフ一本で人型を削り出したら、似た形になるかもしれない。傭兵達は皆、いい体格をしているが、この人物と比較すると貧相にすら見えてしまう。

 頭に、巨大なリボンが巻かれていなければ、男性だと思い込んでいただろう。

「この、バカタレ共!」

「はぐぁ!?」

 狼の獣人の脳天に、拳がめり込む。

 獣人は悶絶しながら、その場に倒れた。なお、取り落とした肉はしっかりと別の傭兵がキャッチしていたが。仲間よりも肉を優先した傭兵が、抗議をあげた。

「な、なにするんですか、姐さん?折角の飯を、駄目にするとこだったじゃないっすか」

「少しは俺の心配しろよ!」

 リボンを巻いた筋肉の人は、そんな声も解さず、次々と傭兵達に拳の雨を降らせていった。連続で起きる悲鳴。そして、転がっていく男達。

「あんたら、こんなに小さい子供に寄って集って、恥ずかしくないのかい!?しかも、強請なんて下衆な真似を・・・・・・傭兵の矜持はどうした!?一方的に奪うのが、アタシ等のやり方だったか!?」

「いや、これはこのガキの方から・・・」

「お黙り!」

「ひぃ!」

 一喝で周りを沈黙させると、筋肉の人は倒れている傭兵達の尻を文字どうり蹴り上げて、強引に立ち上がらせた。

「この場にいる者全員、野営地100周。一周でもサバ読んだら飯抜きだからね!」

「分かりやした!」

 我先にと傭兵達が駆けていく。余程、筋肉の人が恐ろしいようだ。

「あの、すいません」

 流石にこのままでいるのもまずい為、正座の姿勢を崩さぬまま、声を掛けることにした。

「あの肉は、本当に俺の方から御近付きの印に差し上げたもので、別に恐喝されていた訳では・・・」

「それぐらい、アタシも分かってるよ」

 はあ、とため息をつきながら、筋肉の人が目の前にしゃがみこんで来た。目線の高さを合わせて、子供を怖がらせないようする配慮だろう。どうやら、見た目よりもずっと気遣いのできる人物のようだ。

「私は、マルタ。ここの副団長をやってる。まあ、大体は姐さんって呼ばれてるけどね」

 筋肉の人改めマルタさんは、その大きな手こちらの頭に触れてくる。厚みのある掌だった。重量級の武器を何千回何万と振るい、手の皮膚が幾度と剥けて尚武器を振るい続けた、努力の厚みに覆われた掌だ。

「アンタ、お嬢を助けてくれたんだってね。ホント、ありがとうね。あの馬鹿共も、悪気があったわけじゃなくてさ、ただお嬢を可愛がりすぎてるってなだけで。アタシの方で、軽くシバいとくからさ、許してやってくれないか?」

「いえ、皆さんが『家族』を大切にしているのは伝わってきましたし、別段咎めるつもりはありません」

「・・・年の割に随分と物分りのいい子だね」

 マルタさんは、手を握ってこちらを立ち上がらせると、天幕の一つに親指を向けた。

「ちょっと、アタシの天幕まで来な。お嬢が戻るまで暇だろ。お茶でも飲んでいきな」




 通されたのは、天幕の中でも二番目に大きなものだった。因みに、一番大きな天幕は団長が使用しているらしい。床は、分厚い絨毯が何層も敷き詰められており、靴を脱いで中に入る。

 内部の調度品は、移動することを考えて携帯性が重視され簡素で運びやすい品が多かった。特殊鉱石で駆動する取っ手付きの小型竈に、天井には取外ができる照明器具が吊るされていた。他には、壁には大型のハルバードが立てかけられており、これがマルタさんの得物なのだろう。

特殊鉱石を内蔵する非戦闘用の磨剣は、魔導具(ガジェット)と呼称されている。この室内で言えば、竈や照明器具がそれにあたる。戦闘で必要とされる要素、耐久性や武器としての性能などを削ぎ落し、魔法を発動するのではなく、『発光』『発熱』などの単純な効果のみが出力されるよう調整されているため、刻む術式も短くて済む。引いては、使用する特殊鉱石も小型で済むため、磨剣よりも安価での生産が可能だ。前世の知識を引用するなら、電気ではなく魔力で稼動する家電のようなものだ。もっとも、それなりに値は張るので、これらの魔導具が複数個設置されている『金色の焔』は、中々に金銭面で充実した傭兵団なのだろう。

 マルタさんは、竈で湯を沸かすと、棚から取り出したティーカップで茶褐色の粉末を溶かし出した。即席珈琲かとも思ったが、差し出された容器を満たす液体は、珈琲よりも白味があり、口に含むとやわらかい甘さがあった。これは、ココアか。

 冷えた体に、その暖かい甘味は染み入るようで、ふぅと軽く息が漏れた。

「悪いね、そんなものしかなくて」

「いえ、とても美味しいです」

 実際、この手のインスタント食品のクセになるチープさは、まだまともに飲食が可能だった頃の前世の記憶を刺激する。ある意味で、2号さんが手間暇掛けて丹精に精妙に調理された我が家の食卓に並ぶ料理よりも、舌に()る。

 美味いに、唯一絶対の解答はない。個人の嗜好、時間や状況が複雑に作用し合うケースバイケースであり、粋を凝らした妙なる料理よりも、粗にして野な雑多極まりない料理が妙に腹に響くこともあるのだ。

 懐かしい味を堪能しながら、マルタさんと軽く雑談などをしていると、入口の幕を開けてジークリンデが入ってきた。

「痛てて、一発は覚悟してんだがな・・・まさか、二発落ちるとは」

 片手で頭を押さえるジークリンデを見て、マルタさんが吹き出した。

「はは、お嬢、どうやらイイのを貰ってきたみたいだね」

「一応俺、怪我人だぞ。あ、マルタ姐さん、俺にもココアくれよ」

「あいよ」

 ジークリンデは、金髪を揺らしながら自分の横に座ると、団長の所での話を聞かせてくれた。

「とりあえず、今回の件は二発でチャラだってさ。特段、俺のカ、カシツー?もないらしいし」

「過失のことか?」

「あー、多分それ。ただ、腹ごしらえしたら、何人か連れて、放置してきた物資を回収して来いだと。鍵付きのコンテナに入れて運んでたから、余程強い魔獣にでも食いつかれてなきゃ、中身も無事だろうし。後・・・」

 ジークリンデの碧の双眸が、こちらを向いた。

「お前と、会って話がしたいんだと」

「俺と?」

 元々、挨拶には行く予定だった。渡りに船の状況だが、団長の精神構造が野営地外周をランニングしている集団のものと類似品なら、一対一でメンチを切られることになる。

「心配すんなって、団長はロッカスの奴みたいな馬鹿しないって。きっと、純粋にお前に興味を持ったんだよ」

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