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投師と奇術師

読んでいただき、ありがとうございます。

予想外なことにブクマが増えずにポイントが増えました(ありしゃす!


 奇術師トリックスターさんからwisが飛んできたのは前日の事。僕は二つ返事で、『問題ありません』と答えました。

 待ち合わせの時間から約10分。

 まだ彼は現れません。えぇ、いつものことです。

 まぁなんだかんだ、この待っている時間も好きになって来ている僕もいるのも事実なのですが。

 しかし噴水の前で男の人を待っているなんて、いかにもデートみたいでわくわくします。

 そんなこと奇術師さんに言ったら、鼻で笑われた後噴水に沈められそうですけど。

 でも、奇術師さんに噴水に沈められるんだったら、悪くないかもしれません。

 あーいけません。この思考は戦乙女ヴァルキリーさんに通ずる物があります。

 それは悪です。

 悪・即・爆です。

 戦乙女さんの行動力は見習わなければいけない所はあるとは思いますが、倫理とか道徳とかは守るべきだと思います。

 そういえば、2日前にもGMコールを貰っていたと戦士ウォーリアさんが良い笑顔で話していましたね。

 あの人と司祭プリーストさんは一番の被害者ですから、内心わくてか……いや表に出した状態で喜んでいました。

 僕はまだ一回しかGMコール貰ったことはないですが、結構ゲーム内の時間を拘束されますから、1回受けた身としてはご愁傷様です。

 まぁ、犯罪者としてリアルニュースに取り上げられてないだけマシというものでしょう。

 このゲームは他のVRMMOより犯罪に厳しいゲームですからね。この世界の法律と日本の法律を加味して、重罪の場合はリアルのニュースにも名前を挙げられたり、逮捕されたり、罰金を払わなきゃいけないですし。

 まぁ、楽しいゲームまで来てそんな悪質な犯罪を犯すなとは思いますけど。

 犯罪にならない程度のGMコールを7回・・・8回でしたっけ? まぁそれくらい受けている、戦乙女さんには感心する……やっぱりだめですね、感心しては。

 犯罪にならないのは、ギルド内のイザコザとして処理してくれるのと、【インフィニティ・トゥルース・オンライン】の世界での同姓へのセクハラはそこまで重罪ではないと言うのがありますけど。

 うーん、戦乙女さんの話で時間を潰して見ましたけど、奇術師さんまったく来ませんね。

 15分経ちました。いつもなら15分前後に来るはずなのですが。

 っと、そんなことを思っていたら来たようです。おそろいの黒いローブを着ているので間違いないです。

 ギルド規約その6に『ギルド専用の黒いローブを着ている時は、見て見ぬ振りをしましょう』と言うのがあります。誰が何の為にその規約を作ったか甚だ疑問ではありますけど、こう言う時は、便利でもあります。

 なんにせよ、おそろいって所がいいです。

「よ、遅れた」

「別に気にしてませんよ」

 いつものことですしね。

「そうか。じゃあいくぜ」

 奇術師さんも気にした様子も、謝罪も無く、話を進める。まったくもってこの人らしい。

「ところで、どこにいくんでしょうか?」

 そういえば、行く場所聞いてませんでしたね。ただ、武器をありったけ(・・・)持ってきてくれとしか言われませんでした。鍛冶師さんにお願いして準備できたのが8丁だけでしたので自分のストックと合わせても、13丁しかありません。

 本来であればもう少し作っていただける予定だったのですが、急に仕事が入ったとの事で、埋め合わせまで決められてしまいました。あの人は頼りになるんですけど、仕事になると見境なくなりますからね。きっと新しい玩具・・・が見つかったのでしょう。

 それにしても、何をするのでしょうか。どこかの固有ユニーククエストでしょうか、それともダンジョンでしょうか。もしかしたら新しくできた迷宮かもしれませんね。

「言ってなかったか。【ロクーサの迷宮】60階層のボス狩りだ」

「わーお」

 驚きました、予想の斜め上でした。まだ攻略されていない未探索ダンジョンでした。

「僕、そこまだ40階層までしか進んでないですが」

「あぁ、知ってるぜ。だから、最速で60階層まで行って、最速でボスを狩る。ボスまでの道中は俺様に任せろ。ボスはまぁ投師スロワーに任せるぜ」

 流石、奇術師さんです。本来であれば数日に分けるような探索を1日で行おうとするのは。まぁ、ボスだけを目的とするのであればギリギリ許容範囲内なのでしょうけども。

「ところで、メンバーは僕と奇術師さんだけでしょうか?」

「あぁ、他の面子な。40階層に2人程用意しているぜ。腕が立つかは知らねぇが、おめぇの盾くらいにはなるだろうよ」

 まぁ、40階層に行けるなら、そこそこ動ける人でしょう。火力なら僕一人で十分・・・ですしね。

「そうですか。じゃあ問題ないですね」

「そうと決まれば急ぐぜ、待ち合わせ時間はとっくに過ぎてる」

「え、そうなんですか」

「あぁ、ゲーム時間で10時だからな」

 奇術師さん、それ僕の待ち合わせ時間と一緒ですよ。

「あいつら、すげー怒ってるだろうな」

 そう言って、ケラケラ笑う奇術師さんはすごい楽しそうでした。

次は、戦闘回の予定です。なお、この予定はあくまでも予定なため実際どうなるかはわかりません。

もしかしたら、1話別な話を挟むかも。

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