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2話 ー高校生初の出来事ー

俺は自転車で学校から家まで10分くらいの道のりを今日の朝の出来事を思い出しながらゆっくりこいでいた。


「なんだったんだろうなあの金髪の女の子…っていうかまだ名前も知らないんだけど」


こうしてこいでるうちにいつもの人通りのない細い道に入っていった。

いつもならこれからずっと真っ直ぐ進むのだが今日は左のそれ道に同じ高校の制服の人がをがいたので思わずブレーキをかけた。

いやより正確に言うならば同じ高校の制服の人というだけではなく今日朝出会った金髪の女の子がいたのだ。


「あの子帰り道こっちなんだ…」


と呟いていたいた瞬間、俺は上の方から『何か』を感じた。

その直感のまま見上げると、家の屋根が動いていた。


「屋根が剥がれそうになってるのか?。あれ吹っ飛んだら危ないだろ」


そんな事を言っていられたのもつかの間。動いたいたのはある黒い物体だった。


なんだあの黒いの?


そう思ってよく見てみると、あれは…スナイパーライフル!?


でもどうしてそんなものが屋根の上にあるんだ?

しかもあのライフルは動いている。

っ!まさか…!?


「おい、そこの金髪女!伏せろ!」


「え?」


銃声はなっていない。だが俺は確かに見た金髪の女の子のすぐ近くを小さい物体が一瞬で通り過ぎたのを。


間違えないあれは暗殺者アサシンだ!


それにしても助かった。今の一発は俺が急に叫んだから手元が狂ったのだろう。けど次はそうはいかない。相手は俺を認識したはず、だからもう驚くことはない。


少女は今何が起こったのか分かっていない様子だ。だから何を言ってもきっとこちらの言葉を呑み込めないだろう。


しかしなんの装備もしてない俺が助けに行ったところで死ぬだけだ。まあ装備してたところで結果が変わるとは思えないが。


じゃあ今の俺にやれることはなんだ?


死ぬ覚悟で飛び出すか?

いやそんなことをしてもライフルの玉を1つ減らすことしかできない。


…だめだ、助け出せる方法が思い浮かばない。


どうすれば助けることができる?


なんかこの状況を打破できる方法はないのかよ!?


そう思ったとき、


カチッ


と頭の中でギアが変わったような音がした。


そして俺は気がつくと自転車で飛び出していて、ただひたすらに少女の元へ向かっていた。


少女が驚いた顔でこちらを見ている。


それもそうだ。俺だって同じことされたら驚くさ。今でも自分が何やってんのか分かんないしな。


最初、少女との距離は30mほどあったがほんの数秒であと10mのとこまで縮めた。


そのときまたさっきと同じ『何か』を感じた。


そこで俺はこの状況だからこそ理解できた。この『何か』とは何なのかを。


そうかこれは…『殺気』か。


そして自転車の勢いを殺さずに右側に降りる準備をし、左側から感じた殺気に向かって着地と同時に今までの勢いを利用して自転車を投げ飛ばし、一回転させた。


自転車が一回転している間に金属と金属がぶつかった音がした。


やっぱり撃たれてたか。俺の感じた殺気は正しかったってことだな。


とりあえずここは…


俺は何が起こったのか分かっていない顔をしている少女の手を掴んで


「ひとまず建物の陰に隠れるぞ!」


「え?ちょっと!何が起こってるのか説明しなさいよ!」


「そんなの説明してたらその隙を突かれて殺されちまうよ!いいから走れ!」


「もうっ!本当になんなのよ!?」


そして1つ目の曲がり角を曲がったところにすぐにもう1つの曲がり角があったためそこも曲がる。

そこですぐに俺と少女はあのスナイパーが狙いをつけられないであろう建物の陰に隠れた。


なんだったんだ…今のは?身体が勝手に動いて、すごい行動ができたんだけど。


とりあえずそのことは後回しにしよう。


それよりあいつが何でこの金髪女を狙っているかが知りたい。


だから俺は少女に問うた。


「お前名前はなんて言うんだ?」


明理あかりだけど」


「そうじゃない、苗字だ」


鈴谷すずやよ!」


鈴谷か…聞いたことないな。命を狙われるような家柄なのか?

俺が今あれこれ考えてもらちがあかない。本人に聞いたほうが早いか。


「鈴谷の家はすごいのか?」


「すごいってどういうこと?」


「えーと、つまりなんか特別な仕事をしてたり家がどっかの貴族の繋がりもってたりするのかって意味だ」


「何言ってんの?至って普通の家なんだけど?」


「なら、なんか命を狙われるような恨みをかったか?」


「そんなことしてないわよ!」


「じゃあどうして狙われてるんだよ…」


「そんなのこっちが聞きたいわよ!」


まあ、それもそうか。


それにしても情報が少なすぎるな。これじゃあ相手の目的がなんなのか分からない。


あいつの目的さえ分かれば交渉か何かできたかもしれないんだが…。もうそれは期待できそうにないな。


考えをまとめている間に鈴谷が提案してきた


「とりあえず大通り出れば安全じゃないの?」


「え?あ、ああ。それもでもいいんだけど…」


「けどなによ?このままじゃ見つけられて殺されちゃうじゃない!?」


「けど、今日は逃げきれたとしても明日以降もきっとあいつらはお前を襲って来る」


「そうかもしれないわね…。でも警察に言えばなんとかしてくれるんじゃ…」


「確かに警察に言えばなんとか何日かは護衛してくれるかもしれない。けど安全だと思われて警察の護衛がいなくなった後はどうするんだ?」


「そんな先のことなんて分かんないわよ!じゃあ今あいつを倒す方法はあるの!?あんたがなんとかしてくるの!?」


「それは…」


「あんたは私にどうしろって言うのよ…。今ここで死んだ方が楽になれるって言いたいの…?」


そう言ったときの鈴谷の顔は不安を募らせ最後の方の言葉は声がほとんど聞こえなかった。


普通そんなこと言われてもどうすればいいかなんて分からないよな。


無責任な事を言ってしまったな。俺が何かする訳でもないのに追い込むような真似をした。


黙り込んだ俺に鈴谷は泣きそうな声で


「ねぇ、答えてよ…」


と言ってきた。


そうだよな。こんなに風に不安にさせた責任はとらなくちゃな。

できる限りのことはやってみるか。


そう決意し俺は彼女の頭を撫でた


そして、


「ああそうだ。俺がなんとかしてやる。だからここで座って待ってろ」


と笑顔で優しい声で言った。


鈴谷の頬はだんだん赤くなり俯いて頭を一回縦に振り座り込んだ。


俺はそれを確認した後、敵がどこにいるか確かめるため音を立てないようにゆっくりと壁に張り付く。


1個目の曲がり角は一本道にしては距離が短すぎるからまだあいつはいないと思うが。一応慎重に行かなきゃな。


顔だけを出し暗殺者がいないか確認する。


さっきの屋根の上にもいないか…ってことはやっぱり次の一本道で待ち伏せか?


そして次の曲がり角まで移動しようとしていると、さっきは隠れるため必死に走っていて気づかなかったが金属バットがあった。


これでさっきよりはまともな装備になったな。

でもさっきよりまともとは言ってもバット対ライフルなんだよな…。負ける気しかしないな。


さっきなんとかしてやるなんてかっこいい事言ったけど、実際俺はどうやってスナイパーライフルを持ってるやつに勝てばいいんだ?


…思いつかねぇ。


やっぱり引き返して逃げようと言うか?さっきは勢いだけでどうにかなると思ってましたって言えばなんとかなるか?


やっぱりそんなのは却下だな。なんとかするって言ったんだからなんとかしないとな。

有言実行しないと。


まず状況を整理しよう。


1つ目、敵はただの人間、能力者じゃないと仮定する。

ってか能力者だったらもっと簡単に俺たちを殺せるはずだしな。


2つ目、武器はあのスナイパーライフル1つだと仮定する。

それで相手の銃を見極め弾切れになるまで躱すしかないな。


3つ目、敵は接近戦が苦手だと仮定する。

弾切れになり接近戦に持ち込めればもしかしたら勝てるかもしれない。


よし、これで俺が勝つまでの過程は生み出せた。

あとは実行するだけだ。


それじゃあ、


「なんとかしてみますか」


そう言って俺は金属バットを握りしめ走り出し一気に1本道へ出る曲がり角を出た。


そこには屋根の色をした人間がスナイパーライフルを構えていた。


そこで俺はバットを振った。


キンッ


と、また金属と金属がぶつかった音がした。


予想通り。


やはりあいつは俺がでてきた瞬間を狙ってきやがった。


それにしてもあいつすごい動揺してるな。お前のいるところから20mほど離れてるのにここからでもその動揺っぷりが分かるよ。


相手が動揺している間に俺は情報引き出した。頭の中の『知識』の部分を絞り出す。そしてあいつが持っている銃が何かを推測する。


あれは…対人狙撃銃M24か!


よくあれをサイレントライフルに改造できたもんだと感心してしまう。


あれの装弾数は5発までだ。だからさっき鈴谷を狙って二回打った後補給したとしても弾数は残り4発のはずだ。


あと4発残っているなら俺の動きを封じるため足を狙ってくるはず。俺を殺すだけだったら残り1発で仕留めればいいしな。


そう思った俺は横にジャンプし、一瞬あの銃口が光っていたのが見えた。


やっぱり足を狙ってきたか、ってことは残り3発の可能性が1番高いな。弾数は補給されたと考えておこう。


そして着地と同時にトップスピードで走り出す。


相手が俺に標準を合わせるまでに距離はもう5mほどになっていた。


銃口は頭に向かっていた。


俺は相手が引き金を引く動作が見えた瞬間にバットを下から上に振り上げた。


キンッ


と弾をはじいて今度はバットを上から下に振り下ろして直撃させようと考えていたとき、


「あ…!」


弾をはじいたとき、勢いよく振ったため手が滑りバットが後ろに吹っ飛んでしまった。


さすがに…詰んだな。


あいつはまだ弾が2発残っているはず、なんの武器ももっていない俺にはなすすべもない。ここで撃たれておしまいだ。


そう思っていたのだが、


「な、なぜだ!?なんで弾道がよめる!?この化け物め!」


急にそう言ってきた暗殺者は持っていたスナイパーライフルを投げ捨て腰に巻き付けていたナイフを取り出してきた。


…どういうことだ?

もう玉切れなのか?もしかして、玉を補給用は持っていなかったとか。そうか、だから最後ギリギリまで俺を引きつけてきたわけね。


それならまだ俺にも勝機はある!


暗殺者は勢いよく襲いかかってきた。


ナイフを振り下ろす動き…それなら!


そこで俺は振り下ろしてきたナイフの手首を狙って蹴り上げた。ナイフが吹っ飛ぶ


「…っ!」


相手が硬直したその隙を俺は逃さない。


瞬間でしゃがみ相手の視界に消え、拳を強く握りしめて顎めがけて思いっきり右アッパーをかましてやった。


暗殺者は勢いよく後ろに倒れた。


そこに俺は近づく。


「気絶したか。まあ後は警察に通報すれば終わりかな。」


と言いながら携帯をだしタッチで110を押し電話かけた。


「あ、もしもし。実はですね…」




そして今あった事を全て話し終え電話を切った。


「こいついつ起きるか分からないし見張っといた方がいいよな」


そこで2分ほど立ち尽くししていたら後ろから走ってくる足音が聞こえた。


っ!敵の援護か!?と思って後ろを振り返ると、


抱きつかれた。


金髪の女の子に、いや鈴谷に。


そこにはほんのりピーチの香りがした。


「え、ちょ、なに!?どうしたの!?」


と俺は動揺しまくりの裏声になりながら言っていた。


当たってるんだけど、その…胸の部分とか。まあ見た目通りそんなに大きい感じじゃない感触だな、うん。

あと顔近い、近い、近い。左肩の上に顔乗ってけるのやめてもらえる?

あと強く抱きしめすぎだよ、ちょっと息苦しいよ。


でも、これは俺も抱きしめ返した方がいいのか?だってほら、今手が情けない感じにぶら下がっちゃってるし。


そう思って俺も鈴谷の背中に手を回した。


けどその瞬間


「バカ!」


と、怒鳴られた…。


思わず回した手を離した。


俺がやるのは駄目なのね…。


そう思っていたらまた


「バカ!バカ!バカ!」


「そこまで嫌がるとは思ってなかったんだよ。だからそんなにバカ連発しなくてもいいだろ…。」


俺ひどい言われようだな。バカ3連打くらったよ。1発くらいクリティカルヒットをくらってもおかしくないじゃないか?

などとまさにバカな事を考えいると、


「バカ…死んじゃうじゃないかって…あのまま待ってても戻ってこないかもって…ずっと心配してて…でもちゃんと私を守ってくれた。だから…」


鈴谷は肩と肩がくっ付いていた距離から少し離れ、今度は顔と顔が10㎝くらいの距離で


「ありがとう!」


と満面な笑みで言われた。


それにドキッとしていた俺は


「あ、ああ」


それしか言えなかった。


この後、警察が到着し暗殺者は連行され今日の出来事はまた後日伺うということになった。



今日は先ほどあんな事件があったので鈴谷を家まで送って行くことになった。

話によると家はここから徒歩5分くらいらしい。


すると鈴谷が俺に話しかけてきた。


「もう今日は本当にびっくりしたわね。まさか私が命を狙われるなんて思ってもなかったわ」


「ああ、そうだろな。俺もびっくりしたよ。」


「それよりもびっくりしたのはあれよ、あんたがなんの武器も持たないで敵に突っ込んだことよ!」


「あー、あれは俺がお前にちゃんと責任とんないとなって思ったからな」


「せ、責任!?どういう意味!?」


と鈴谷は顔真っ赤にして聞いてきた。

あれ?なんか俺変なこと言ったかな?と考えながら答える


「どういう意味ってそんなの決まってるだろ」


「ど、とんな意味?」


「お前を追い込んでしまったんだから俺がその責任をとってしっかり敵を倒してやらないとって意味だ」


「あ、そう。なんだ…」


「なんだとはなんだ…せっかく命がけで守ったのに」


俺の小さな呟きは聞こえなかったみたいで、鈴谷は話を変えてきた。


「そういえばただ帰ってる途中だけだったのになんで私が撃たれるなんて思ったのよ?」


「あれはその…なにか感じたよ。その、殺気と言うかなんと言うか」


「殺気を感じるなんて凄いわね…。それで、なんて言うのよ?」


「え、何が?あの暗殺者が持っていた銃のことか?あれはだな」


「そーじゃなくて!あんたの名前を聞いてるのよ!」


「そういうことか。っていうかまだ言ってなかったっけ?」


「聞いてないわよ。」


「俺の名前は高宮切也。まあ一応言っておくとお前と同じE組で出席番号は23番だ」


「ふーん。じゃあ切也でいいわよね?」


「いきなり名前かよ。苗字じゃないんだ」


「なによ。何か不服?」


「いや、別に」


「ならいいじゃない。ま、まあそれが不公平って言うならその…私のこと明理っ呼んでもいいけど…」


「不公平だなんて思ってないよ。だから鈴谷って呼…」


最後まで言い切る前に鈴谷に


「いや…なの?」


と不安そうな顔で、今にも泣き出しそうな声で言われた。

そんな風に言われたら…断れるわけないだろ。


「じゃあ名前で呼ばさせてもらうよ」


「そ、そう!まあ勝手にしなさい!」


ツンとそっぽを向きながら鈴谷は言った。


表情が見えないから怒ってるのか怒ってないのか分からないんだけど…


まあとりあえずあっちの提案だし怒ってないだろ、たぶん。


とりあえず、


「ああ、そうさせてもらうよ」


と俺は言っておいた。


それっきりお互い無言で歩き家まで向かった。


そして鈴谷の家に着いた。その場所とは…


「って!俺の家の向かい側かよ!」


「そうだったのね。不思議な事もあるのね」


「ほんとだよ!なんで1年同じ高校に通ってて向かい側の家だったのに今日までお互い見たこともないんだよ!不思議すぎんだろ!」


「うるさい」


「すいません」


だってしょうがないだろ、今超驚いてるんだから。

こんな目立つ子が同じ高校で向かい側の家に住んでたのに1度も会ったこともなかったなんて…。ある意味すごいな。


「送ってくれてありがとう」


「まあただ家に帰るついでに送るみたいな感じになっちゃったけどな」


「そうだね」


「それじゃあまたな鈴谷」


「待って」


「え?」


「名前で呼ぶんじゃなかったの?」


「あ、ああ。そうだったな。…また明日な明理」


「うん!また明日ね切也!」


と笑顔でお別れを言って鈴谷…じゃなくて、明理は玄関に入っていった。


またドキッとしてしまった。


そしてあの笑顔を見れて嬉しいと思っている自分がいた。

何考えてんだ俺は…


そういえばあいつ親に今日なにがあったかなんてどう説明するのだろうか?

まあ、明日にでも聞けばいいか。


そんなことを思いながら鍵を開けて家に入り風呂に入ってあとベッドにダイブしすぐ深い眠りについた。


高校生になってから初めて何かが起きた。


まあこれをきっかけにこれから色んな事件に巻き込まれるとは思いもしなかったけど。

今度からの投稿もこれくらいの長さでやっていけたらなと思っています。

1話1話の内容をできるだけ濃くやっていけたらいいなと思っているので何とぞよろしくお願いします。


次話は日常のストーリーを描きキャラをたくさん登場させる予定です


どんな感想でもして頂けたら嬉しいです。

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