1話 ー出会いー
高校生になり1年が経ち2年生のクラス発表の日となった。
…何も起きなかったなこの1年。いやほんと不思議なくらいに何もなかった。
この日本の高校はどうやら人間離れした力を手に入れることができる「異能高校」というのがあるらしい。
だかそこは高校と言っても軍隊施設みたいな感じのとこだと「知識」として理解していた。
たがら俺はそこに入れられるのかと思ったんだけど…普通の高校に入学されられたし。あの医者は本当に普通の高校生活を送らせるらしい。
まったく何を考えているのか分からない…。
高校生活では俺は人と深く関わる事を避けた。なぜなら他人に干渉すればするほど面倒事が起きると感じたからだ。
それでも誰とも話せないわけではない。本心を許してないだけで表面上は上手くいっているはずだ。
まったく…記憶が無くなっているというのになぜこんなに冷静でいられるのか、昔俺に何があったのか知りたいよ。
そんなことを思いながら俺は着替えてその後自分で朝食を作って食べた。
「やっぱ朝食は米だよなー、朝食べる目玉焼きって異常に美味しいんだよ」
そんな1人事を言いながら準備してあった荷物を手に取り玄関を開け鍵を閉め学校へと自転車で向かった。
学校に到着し自転車を【チャリ置き場】と書かれたとこに置くなり下駄箱の方へ向かうと
そこにはクラス替えの発表の紙が大きく張り出されていた。
「え、なんかこのクラスの発表の仕方古い気がするんだけど…まあ俺にそんなのわかるはずないか」
それで俺のクラスはどれだ?えーと、あったE組か。
前のクラスの知り合い誰もいなさそうなんだけど大丈夫か?まあ、いいか。前みたいに表面上上手くやっておけばなんかとかなるだろ。
そう自分に言い聞かせて教室に向かった。
すると教室の前で立ち尽くす少女がいた。
俺はその少女に声を掛けた。
「えーとE組の子かな?教室入らないの?」
そして少女が振り返った時俺は一瞬目を奪われた。
整った顔立ちにきれいな宝石のような瞳
さらさらしていそうな金髪
シンプルなショートカット
全体的に細い体型
見るからにつやつやな肌
おそらく校内で1位を争う美少女なんじゃないかと思うくらいだ。
…まあちょっと無駄に引っ込んでいるとこはあるけどそこは気にしないことにしよう、うん。
もしかしたらどっかのお嬢様のようなすごく丁寧な言葉が返ってくるかもしれないと期待していた。
しかし少女は上擦った声で、
「へ!?あ、入るわよ!別に友達いないからどうやって入るか迷ってたとかじゃないから!全然そういうのじゃないだから!」
「あ、はい。そうですか…」
あ、あれー?なんか返事が予想外なんだけど?
ってかそういこと言っちゃうやつ初めてみたよ。
そんな予想外の事に驚きながらも俺は
「それじゃあお先に」
と言ってドアを開けて教室に入った
「んで俺の席っと…あ、あった。また真ん中かよ。去年と全く一緒じゃねーか。」
と文句を言いながら席に着き携帯で時間を確認する。
あと2分でチャイムが鳴るのかならぼーっとするほかないかなあ。
そんなことを思っているとあっと言う間に時間は過ぎチャイムがなった。
そして…
「やっば!チャイムなっちゃった!どどどどうしよう!?」
そんな声が廊下から聞こえてきた。
え?
っていうかさっきの子の声じゃん。なにやってんだよ。どうしようじゃなくて中に入って座ればいいだろ…。
そんなことを考えながら先生に背中を押されながら教室に入ってきた彼女の目を追っているいると…
って俺の隣かよ!
そう彼女は俺のとなりの席だったのだ。
なんてこった…。
その少女が座ったときの周りからの視線は結構痛いものだった。
先生の話が終わりこれから始業式に向かうと廊下へ並ぼうと思ったら隣の少女がいきなり罵声を浴びせてきた。
「な、なんでさっきもうすぐチャイムなるって教えてくれなかったのよ!おかげで周りから痛い目で見られちゃってるじゃない!」
…いや知るかよ。どう考えてもお前の自業自得だろ。
ってかその罵声こそが周りからの痛い視線を集めてるってことに気づいてないのか?
「なんか言ったらどう!?私が悪いみたいじゃん!」
え?俺のどこが悪いの?全く見当がつかないんだけど。
でもこのまま状況が悪化しても困るし返事してやるか。
なんか涙目になっちゃって可哀想だし。
「わかったよ。俺のせいでもなんでもいいから廊下ならばない?」
「え!?あ、うん…」
あー、やっと静かになってくた。ほんと助かった。
もう関わりたくないなこの金髪の女の子…。
そのあと無事始業式が終わり帰りのHRとなった。
「はーいじゃあ今日はこれで終了ねー。明日は入学式で休みだからお家でいい子に寝てなさーい」
このなんか小学生に言いそうな言葉遣いを俺たちに言ってくる女の担任は森墨 羅々《もりずみ らら》である。
なんか喋り方腹立つな。
「みんな立ってー。あ、今日はまだ号令係とか決めてないもんね。先生が言っちゃうね。きょうつけ〜れい〜」
さよならーと言ってぞろぞろと人が教室を出ていく。
俺も教室を出て【チャリ置き場】へ向かった
そして自転車をこいで校門を出て今日も今までと変わらない高校生活が終わりを告げる
はずだったんだけど…