表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

0話 ープロローグー

初投稿です。できるだけたくさんの人に見てもらい評価してくれると嬉しいです。

0話 ープロローグー


何故……自分が「あの事件」があったのに生き残っているのか。

何故……自分が事件の被害者でありつつも普通に高校生活を送れているのか。

何故……自分が「あの事件」の被害者でありつつも事件について何も知らないのか。

何故……自分は記憶を失ったのか。

それなのに何故……自分は自分を知っているのだろうか。

そして何故……自分は存在しているのだろうか。


俺は自分に問い続けてきた。けど答えなんて出るはずもなく時間はただ過ぎていく。


ー1年半前ー


俺が目を開けた時に見えたのは真っ白い天井だった。


ベッドで寝ている状態から身体を起こしあたりを見渡す。


なんで俺はこんなベッドで寝ているんだ?


状況を整理しようと周りを見渡した。


そこには小型のテレビ、点滴、花束などが置かれていて、カーテンで閉められていた。


「病院か?なんでこんな所に…」


一人言を呟いた瞬間、突然カーテンが開き白衣を着た医者がやって来た。そして唐突に質問をしてきた。


「質問1、君の名前は?」


「は?まて、なんだ急に。今この状況を説明しろ」


「僕の質問だけに答えればいい。それ以外は喋るな」


「…俺の名前は高宮切也たかみや きりやだ」


「じゃあ次は質問2だ。切也君の両親の名前は?」


そこで俺はすぐ答えようとする。けれど思い出せない。母親の名前が、父親の名前が。


口が動くだけで声は全くでなかった。


「そうか。両親の名前すら覚えていないか」


「一体どうなってるんだ?説明して…」


頭が混乱し説明を求めようとするが、医者は低い声で突き放すように言った。


「さっき僕の質問以外は喋るなって言ったよね?」


俺はこいつに逆らってはいけないと本能がいっていた。


この後、100を超える質問を受けやっと俺に質問をさせてくれた。


「さて、ここらは君の質問に3つ答えてあげよう。何が知りたい?もしかして今更この状況を教えてくれとは言わないよね?」


「ああ、言わないよ。俺は記憶喪失なんだろ?ただどういう種類の記憶喪失なのか細かく教えてくれ」


「君はそこそこ優秀みたいだね。いいだろう、教えてあげよう。君の場合の記憶喪失は社会的な知識、雑学、そういうのは無くなっていない。なぜか年齢に合った知識は持っているみたいだしね」


「年齢にあった知識…つまり中学時代の知識は全て覚えているってことか」


「そういうことだね。」


「じゃあ、無くなったのは人との付き合いの記憶、思い出ってところか?」


「そうだ。だいたい合っているよ。ここまでは稀に見る記憶喪失のテンプレ通りだ。しかし見た限りでは異例なことがある」


「それはなんだ?」


俺がそう問うた瞬間、医者がナイフを突き刺してきた。

俺はそれを瞬時に察知し医者の手首を左手で掴み、右手でナイフを振り払った。


カランと床にナイフが落ちた音がした。


「どういうつもりだ?」


「それだよ」


「は?なに言って…」


「普通の人間なら、記憶喪失の今頭が混乱しいる中でナイフ突き刺されたら驚いて避けるかそんなことをする余裕もなく驚くことしかできないはずだ。しかし君はあまりにも冷静だった。僕の攻撃を察知し反撃さえしようとしていた。それにこの行動に対して怒りすら感じない」


「だからなんだ?」


「つまり、君は欠けてしまったんだよ。ある一部の『感情』が」


その言葉に俺は何も言えなかった。あまりにも適切だったから。


「まあ正確に言うと、『欠けた』のではなく『薄れた』というのが正しいのだと思うけどね」


「そうか…」


俺はこの言葉に少し安心をした。

全てが無くなったのではないのだと、まだ何かを感じることができるのだと、そう思ったから。


そして俺は二つ目の質問をする。


「あと、俺の両親は今どこにいるんだ?」


「ああ、それなら君が眠っている間に亡くなったよ」


それを聞いた瞬間、俺は今日初めて驚いたのかもしれない。それは両親が亡くなったからではない。

そう、悲しくなかったのだ。

自分の両親が亡くなったと聞いた瞬間、何も感じなかった。

そして俺は悲しめなかったことに悲しんだ。


このとき俺は理解をした。自分の感情が薄れているということに。


「……眠っている間に亡くなったって言ったよな?それじゃあ俺はどのくらい眠っていたんだ?」


「それは答えられないね」


「そうか…ならいい」


「うん。それでいい。随分賢くなったね。」


分かっている。また同じ質問をしても答えは返ってこないと。


だから3つ目の最後の質問をした。


「それじゃあ、俺はどんなかたちで記憶喪失になったんだ?」


「それが最後の質問か。じゃあ逆に問おう、どんなかたちで記憶喪失になったと思うのかい」


「不慮な事故…いや、事件か?」


「さすが切也君だ、正確だよ。そう君は事件の被害者なんだよ。そこで提案なんだが、いいかな?」


「…なんだ急に」


「本当なら目覚めた君はこれから警察の取り調べを受けなければならない、そしてそのあと事件が解決するまでずっと牢屋に閉じ込められなればならないんだ…けどそういうの抜きでこれから普通の高校生活を送りたくないかい?」


「なぜそこで牢屋に入れられなくちゃいけないんだよ」


「それは警察が焦っているからだよ。犯人が見つからなくてどうしようもないのさ。だから少しでも犯人候補探したいんだろうね。例えば、現場にいた君とかってことさ」


「警察も頼りにならないもんだな」


「そうだね。それでこの提案呑んでくれるかい?」


牢獄行きか高校生活行きどちらがいいかと聞かれれば答えは1つしかなかった。


「ああ、分かった。その提案呑んでやる」


これ以外の答えなんて他ないだろ。


そしたら医者は急に、


「そうかこれで交渉成立だね。じゃあちょっとこれを飲んでくれないかな?」


とただの水にしか見えないものを俺に渡してきた。


まあ、どう考えても罠だろうな。

そう思った俺はその医者に聞いた。


「これは睡眠薬かなんかが入ってるのか?だったら飲む気はないよ。」


すると医者は驚いたように


「さすが切也君だ。素晴らしい判断力…と言いたいところだが間違っているよ。」


「なにがだ?」


そしてその医者はニッと笑い


「そう、それは君の言う通り睡眠薬だよ。でも…君に拒否権なんてあったかな?」


「……」


「まあ安心してくれたまえ。君が寝ている間に手続きを終わらせようと思っているだけだよ」


「分かった。それじゃあ後のことは任せる」


「あと、1つ忠告だ。今度から年上に対する口の聞き方を覚えた方がいいかもね」


「…はい」


こうして俺は水を飲み、すぐ眠りについた。



もう一度目覚めた時には前起きた時とは景色が違い、自分の家であろう場所だった。

カレンダーを見ると4月5日。入学式は明日ということになっている。


「まさか前日に目覚めるようにしてるとはな……」


俺はベッドから這い上がり机に向かう。


そこには書類があり自分がどういう状況か、明日何すればいいか、高校生活を過ごすときの条件は何か、と色々書いてある。


「こりゃご丁寧にどうも」


と1人ぶつぶつ言いながらベッドの方に戻った。


あいつは『普通の高校生活』と言っていたが記憶が無い俺にそんなことができるのだろうか…。


そんな不安を抱きながら再び眠りついて、これから1年間高校生活を送った。

読んでくださってありがとうございました。

次から内容に入っていくつもりです。

びどかったかもしれませんがこれからもよろしくお願いします。


追記、どんどん話を進めるにつれプロローグの出来が酷いと思ったので矛盾しているところや設定を少し変更しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ