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東方永絆録  作者: Alice
一章:紅白少女
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日向ぼっこの吸血鬼

「と、とりあえず落ち着いたわ……」


 言葉とは裏腹に、図書館の椅子に座ってプルプルと震えているレミリア。


 なんか難儀だな……


「それにしても、なにがあったんだ?」

「私が聞きたいわよっ!!」


 聞いただけなのに怒られました……


「落ち着きなさい、レミィ。とりあえず、フランのことも確認したらどう?」


 パチュリーはレミリアを宥める。


「ええ、もう咲夜に頼んであるわ。それにしても、私の羽……どこに行ったのかしら……」


 さっき、湖でチルノにあったときの違和感。そういえば、あいつも氷の羽のようかものがなかったような気がする。


「ほら、いつも飲んでるブラッドジュースよ。これでも飲んで落ち着きなさい」


 パチュリーはレミリアに缶を渡した。ブラッドジュースって……

 さすが吸血鬼といったところか。


「ありがとう、パチェ――ん、まず……」


 それが、ジュースを一口のんだレミリアの感想だった。


「どうしたの、レミィ。いつもは勢い良く飲んでるじゃない」


「そうなんだけど、なんていうのかしら。血が飲めなくなってるのかもしれないわ……」


 血が飲めない? 吸血鬼なのにか?


「羽もないし、血も飲めないんなら、ただの人間だな、お前」


 空気が凍った。冗談で言ったつもりなんだが、今のはまずかったか……?


「ねえ、パチェ……吸血鬼が人間になった事例ってあるの?」

「聞いたことないわね」

「そう……」


 パチュリーの回答を聞き、レミリアは席を立った。


「どこに行くんだ?」

「外よ。もしもという場合もあるでしょう?」


 そういって、レミリアは図書館から出ていった。


「あいつ、外になんか行って何するつもりなんだ?」


 紅茶を飲んでいるパチュリーに問う。


「日でも浴びてくるんじゃないの? あなたが変なこというから」


 パチュリーは私が悪い、みたいな目でこちらを見てくる。


「なんだ!? 私のせいなのか!?」

「知らないわよ。あら、フランが来たわね」


 扉がゆっくりと開いたと思ったら、フランが目を擦りながら入ってきた。咲夜はその後ろから危なっかしそうに見守っている。


「ないな」

「ないわね」


 フランの羽も綺麗に消えてしまっていた。一体、この幻想郷に何があったんだ……?


「ふぇ……? 魔理沙、パチュリー、どうしたの?」


 私とパチュリーで、事の次第をフランに話した。


「ほんとだ! 羽がないっ!! ……ま、いっか。そんなとより遊ぼうよ、魔理沙!!」


 妹の方はやけにあっさりしてるな……


「まてまて、原因が分からんのに弾幕ごっこは危険だ。少しだけおとなしくしてろって」

「……はーい」


 フランはしゅんとする。


「それでは私はお嬢様の朝食を作ってまいります」


 そう言って咲夜は踵を返した。


「ああ、咲夜。フランのついでに私にもなにか食べるもの作ってもらえる?」

「食べるもの、ですか? かしこまりました」


 咲夜は少し戸惑い、頷き、図書館から出ていった。一般的に、魔女や魔法使いは食事をしない。それは、捨食の法という魔法で、自らの魔力をエネルギーに還元できるからなのだが……


「どうしたんだ、おまえ。食事なんて珍しいじゃないか」

「そうね。わたし自身も驚いているわ。何故かはわからないけど、お腹がすいてしょうがないのよ。こんな感覚、いつ以来かしら」


 パチュリーはどこかしみじみとしている。珍しいこともあるんだな。


「戻ったわよ。あらフラン、起きたのね」


 そうこうしていると、レミリアが戻ってきた。


「どうだったの?」

「どうだったもなにも、全然平気だったわ。ついでだから、日光浴をしてきたわ日向ぼっこってああも気持ちがいいものなのね」


 日の光に感動する吸血鬼っていうのも希少だな……


「平気だった……? ねえ、レミィ。根拠は全くないのだけれど、私達は魔理沙の言う通り、人間になったんじゃないかしら……?」

「何言ってるんだよ。さっきのは冗談だぜ?」


 二人は黙り込んでしまった。なんで、本気にしているんだ……? そもそも、吸血鬼が人間になれるのか?


 もしそうだとしたら、これは――





「異変よ、魔理沙」





 私が入ってきた所から入ってきたのは霊夢だった。


「どうしたんだ、霊夢。こんなところに来るなんて珍しいじゃないか」

「ええ、神社が依頼人でごった返しているから手伝って」

「博麗神社が人でごった返してるだと……? 確かに異変だ……」


 一体何があったんだ……? コイツがなにかしでかしたのか……?


「お前、いくら信仰を集めるためっていっても、やりすぎじゃ――」

「殺すわよ?」


 ニッコリと笑顔で言われました。目が笑ってないぜ……


「じ、冗談だぜ。そっちも大変かもしれないけど、こっちもいろいろと大変なんだよ」

「それ、どういうことよ」


 私はこれまでの経緯を霊夢に話した。

 ここからが本番です。羽のないフランドール姉妹とか、自分で書いておきながらあんまり想像出来ないですね。

 

 どこかの同人誌では脱着可能だとかいう設定もあるらしいのですが、ここでは脱着不可でございます。(羽のない2人とかただの幼女……いえ、何でもないです)



 さてさて、やっと霊夢が出てきましたが、先に謝っておきます。少し、二次設定が強い気がしました。(特に守銭奴あたり)


 なんていうか、ちょっとハマりすぎなんですよね(笑)



 一応、彼女のためにフォローしておきますが、霊夢はそこまで貧乏という訳ではありません。自炊も出来ていますし、妖怪退治なんかもやっているため、普通にお金持ちの部類に入るものだと思います。お金持ちだからこそ、ケチっていうのはあるのかもしれませんけどね(笑)


 とりあえず、この小説ではカツカツの貧乏巫女という事にしておいてください(汗)

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