喧嘩の理由
「それでうちに来たと。いい加減、親父さんと仲直りしたらどうなんだ?」
霖之助は呆れたようにいう。私は実家ではなく、香霖堂に足を運んだ。
「そうは思うんだけどさ、なんか気まずいんだよ」
あんな大ゲンカして見栄張って出ていったもんだから余計にだ。
「いつかは蟠りが解けることを期待しているよ。そういえば、いつもの箒はどうしたんだい?」
霖之助は私の手に箒がないのに気づいたらしい。
「いやぁ、それがなくしちゃってさ。今探してるんだわ。こっちに流れてきてないか確認も兼ねてきたんだけど、なさそうだな」
店内を確認するがそれらしいものはない。
「そんなになってまで探すってことは、何か大事な箒だったのかい? 他の箒でいいなら換えはあるよ?」
「うーん。大丈夫。よくわかんないんだけど、大切なもののような気がするんだよなぁ……」
やっぱり思い出せない。思い出すのをなんかに邪魔されている気がしてならない。
「そうかい。もしここに流れてきたら連絡するよ」
ほんと地味に頼れるよな、こいつは。
「そりゃ助かるぜ。そういえば最近、店の方はどうなんだ?」
「そうだね……最近はマジックアイテムの仕入れが多いかな。そういえば、親父さんと喧嘩をした理由ってマジックアイテムだったよね。あの頃魔理沙はまだ魔法を使ってなかった筈なのにどうしてそんなことで喧嘩になったんだい?」
痛いところをついてくる。なんか墓穴をほった気分だ。
「なんでって、そりゃ…………」
あれ……? なんでだっけ……?
「魔理沙……? まさかと思うけど、忘れた、とかいうんじゃ……」
「あはは、んなわけ無いだろ……」
完璧に忘れました。どうしても思いだせない。
「はあ……君らしいといえばそうなるのかもしれないけど、それじゃあ仲直りもできないよ」
霖之助はため息をつく。
「ま、いつか思い出すだろ。なあ香霖。魅魔って人、知ってるか?」
私は箒を探している時に口から出た言葉について聞いてみる。
「魅魔? 聞いたことないね。その人がどうかしたのかい?」
「いや、なんでもないぜ。それじゃ、私は箒を探しに行くとしますか」
どうやら霖之助は知らないようだ。収穫なし、か……
「箒探しもいいけど、たまには神社に顔を出しときなよ。昨日、霊夢が心配して探してたから」
「それもそうだな。そんじゃ、邪魔したぜ」
私は香霖堂をでて、神社に顔を出すことにした。朝飯まだ食べてなかったしな。




