見つからないモノ
「もう夜か……」
気がつくと、日は沈んでしまっていた。辺りは既に真っ暗だ。
「流石に今日探すのは無理か……また明日来るか……」
私はやむなく家に戻ることにした。
「ただいまっと」
もちろん、誰もいない暗い家からは返事は帰ってこない。
「いつもと同じじゃないか……何しんみりしてんだよ、私は!」
私は壁を叩く。
「っ……何イライラしてんだよ……」
やっぱりこんなの私らしくない。
「くそ……」
感傷に浸っても仕方が無い。私はとりあえず寝ることにした。
次の日、私は朝起きてからすぐに森に向かった。その次の日も。そして、その次の日も。私は箒を探し続けた。
けれど、箒がみつかることはなかった。
「なんでムキになってるんだろうな、私……」
分からない。何故あの箒にここまで固執しているのか……だけど、何故かあの箒がとても大切なものに思えてしまう。
「あれっ……」
箒を探して家に帰る途中。魔法の森の上空を飛んでいると、景色が歪んだ。
次第に目の前が真っ暗になっていった。
「ここは……?」
目を覚ますと、知らない天井が視界に入ってきた。私はベッドの上に横たわっていた。私は起き上がって、辺りを見渡す。どこだろう、ここは。いや、何度か来たことがあるな。
「目が覚めたのね、魔理沙」
部屋のドアが開いて、家の住民が入ってきた。
「アリス……私は……?」
「魔理沙、あなた落ちてきたのよ。私の家にね。驚いたわ。何があったのよ?」
アリスはベッドのとなりに設置されている椅子に座った。
「それが——」
私はここ数日のことをアリスに話した。
「じゃあ、何も食べてなかったわけ? 馬鹿なの!? そんな生活してたら普通の人間は倒れるわよ」
グウの音もでねえぜ……
「仕方ないわね。適当に作ってくるわ」
「悪いな……」
アリスは立ち上がり、部屋から出ていき、しばらくしてから戻ってきた。
「あの箒、それだけ大切なものだったの?」
「それがよくわかんないんだよな。なーんかあった気がするんだけど思い出せないんだよな」
記憶が曖昧で思い出せない。
「ふーん。まあ、無理に思い出してもしょうがないわよ」
アリスの言う通りかもな。でも、これは思い出さなくちゃいけない問題な気がするんだよな……
「そうかもな。そういや最近、神綺とはどうなんだ?」
ふと、そんな言葉が口から出た。
「お母さんと? そういえば、来週こっちに来るって手紙が来たわね。それがどうしたの?」
神綺は魔界を作った魔界の神で、アリスの母親である。
「いや、なんとなく聞いてみただけだぜ。そんじゃお邪魔したな。飯、美味かったぜ!」
私はアリスの家から出て、自分の家に戻った。
「なんであんなこと聞いたんだろうな……」
最近、家族って言葉に取り憑かれているような気がする。きっかけは、やっぱ小夜さんなんだろうな。
なんかもやもやする。
「家族、か……」
明日、行ってみるか……




