第2ラウンド
「うぁぁぁあああっ」
吹き飛ばされてたフランが私達めがけて飛んできた。
「ちょっ!? フラン!!? 大丈夫なの!?」
レミリアはそれを受け止める。
「あ、お姉様! あいつすごいよっ!」
フランの目はキラキラと光っている。なんていうか、無邪気だな……
「そっちもどうにか無事だったみたいね、魔理沙」
「ああ、どうにかな。そっちも随分とヤバそうだな、霊夢」
私達のそばにやって来たのは霊夢達だった。あいつの方もすでにボロボロだ。
少女は攻撃を一時中断し、こちらを見下ろしている。
「なるほど、援軍ですか。それもいいでしょう。作戦会議は大丈夫ですか?」
いちいちこちらを舐めてくれるぜ。ほんと、どこかの巫女に似てるよな。
「なんか、あの巫女さん霊夢さんに似てませんか? いえ、外見とかじゃなくて、中身が」
早苗は私が思っていることを口にした。
「あんた、私に喧嘩売ってるの?」
霊夢の鋭い眼差しが早苗を襲う。
「じ、冗談ですよっ! 今回は巫女退治ですね! 頑張らないと!」
どうにか話をそらそうとするが、全くそらせてない。ほんと、空気読めないよな……
「いつまでコントみたいなことやってんだよ。ところで、お前誰だよ……?」
「鈴仙よっ! 耳がないとわからないの!?」
鈴仙はすこし泣きそうな表情になる。
「いやまあ、いつも耳を目印にしていたもので。って、そんなことはどうでもいいんだよ。あいつの波長はどうなってるんだ?」
「そんなことって……ちょっとまって——あの人の波長は長いままね。ずっと冷静でいられる人だわ。掻き乱すのは難しいかも」
なるほどね。さて、どうしたものか……
「これは一斉に行くしかないわね……いくわよ、フラン!」
「わかったわ、お姉様!」
私たちが考えていると、何も考えていないレミリアはグングニルを、フランはレーヴァテインを手に握った。少女に向かって飛んでいくレミリアにフランは続く。
「まったく、勝手な……私も行く!」
妖夢は刀を勢いよく引き抜き二人に続いた。勝手なのはお前も同じだろ……
「しょうがないわね……守矢の巫女さん、あの三人が引き付けている間に私達は隙を付くわよ。霊夢と魔理沙はここで力を溜めておいて。ほら、行くわよ!」
「わかりました! ——って、待ってくださいよー!」
早苗は鈴仙の後を追っていく。
とりあえず、私達は回復と力を貯めることに集中しなければ……
レミリア達は近接戦に持っていったようだが、少女の方はひと振りの剣を持って三人を圧倒していた。
「その剣に斬れないものはなかったのではないですか?」
少女は嘲笑うように言う。
「あんまり、と言ったはずだ!」
妖夢は少女と鍔迫り合う。
「そう。あなたは半人半霊ですね。ということは、白玉楼に住んでいるのかしら。幽々子は元気ですか?」
少女は現在人間になっている妖夢の本来の姿を見破った。あいつがこの異変の犯人だから分かるのか?
「元気といえば元気だな」
「それは良かったです」
少女は後ろから這いよるフランとレミリアに襲われる前に、妖夢を切り飛ばした。
「妖夢!?」
「ぐ……大丈夫だ……」
強がっているが、どう見ても大丈夫じゃない。一撃で致命傷って……
「そちらは吸血鬼ですね。どうですか? 今の幻想郷は」
レミリアとフランの猛攻を受け流しながら、少女は問う。
「ええ。最高だと思ってるわ。だからはっきり言って貴女は迷惑ね。私は吸血鬼ということに誇りを持っているの。だから、早くやられてくれない?」
「お姉様、すぐに壊れちゃったら面白くないよ!?」
「あー、もうあんたは!! いい? 今はこの異変解決することが先決よ。吸血鬼に戻ったら遊んでもらえばいいでしょう?」
「それもそうだね! それじゃあ、いっくよー!」
フランから狂気が溢れ出した。結構離れているここまで伝わってくるって怖すぎだぜ……
フランはレーヴァテインを投げ捨てた。
「あははっ、壊れちゃえっ!」
フランは右手の拳を少女にぶち込んだ。
ものすごい打撃音が空に響いた。
「今のは危なかったですね」
砕けたのは剣だけ。フランの拳は後一歩届かなかった。
「これはお返しです」
瞬間、少女は手から放った光線で二人を凪いだ。
「レミリア! フラン!」
レミリア達はどうにか私達の近くで体勢を取り直した。
「大丈夫……多分ね……」
こっちも負傷か……
残るは早苗と鈴仙だけだが——
「きゃああっ」
なるほど、全滅ですか……




