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 あの、マナーの先生に豚と罵られ泣いた日から私は、かなりまじめにダイエットをはじめました。



 前回まで、明日からやるとか、そんな話ばっかりでした。真剣みが足りませんでした。

 食べる量を少しづつ減らしていき、ゆっくりゆっくり散歩から運動をはじめました。

 

 最初のうちは、歩いているはずなのに、すぐひぃひぃと呼吸があらぶり、大粒の汗が吹き出し、むちむちのお肉のあいだにその汗が流れ込み、たまらなく不愉快だったりしましたが、我慢して歩き続けました。

 日に日にだんだん歩ける距離は伸びていきました。

 

 

 1ヶ月ほどは、苦しい日々が続きました。

 

 なんだか一日中お腹がすいて、いらいらしてしょうがなかったり。

 甘いものが食べたくなったり。

 

 でも、なんとか乗り越えて、脂肪を減らしていきました。

 

 その間、勉強も怠りませんでした。

 

 マナーは特にしっかり勉強して、最近では、先生も

 ぐぅの音がでなくなったようなのです。

 そろそろ学ぶことがないので解雇したいと思います。

 

 ダンス・詩・刺繍…貴族って無駄に覚えること多いですよね。

 

 そんな日々を1ヶ月半ほどすごした、ある日のことです。

 

 皇太子さまの9歳の誕生日ということで、昼のパーティーに招かれました。

 

 

 もっとちゃんとダイエットしてからがよかったなぁと思いましたが、入るドレスはサイズ的に確かに小さくなっていたし、皇太子さまの誕生日の日付はずれませんし、しょうがありません。

 

 

 

 キラキラと輝く会場で、

 

 皇太子様は負けじと輝いています。

 

 

 ため息がでるほど美しい、輝く金の髪と白い肌。

 

 蒼い瞳はまさしく宝石をはめこんだかのようです。

 

 その体すべてが、正しく完璧なバランスで配置されています。

 

 

 急に、ドレスのサイズが縮んだくらいではしゃいだ自分が惨めになりました。

 

 正直、隣に来られると、逃げたくなりました。

 

 

 皇太子様に会って気付いたことがありました。

 

 

 私が彼をすきになることはないだろうということです。

 

 彼は確かに美しいのです。

 

 そして、人格的にも素晴らしいです。

 

 丸々と太ったむちむちのドレス私の姿を見た滑稽さ不快感を彼は完璧に消し、優しく接してくれました。

 

 完璧な演技でした。


 でも、醜いのだと思われていることはうっすらと分かりました。


 私の心がやたらと疑いをもっているせいかもしれません。

 

 もう一度言います。鏡をみれば、醜いと自分でも思うのです。

 

 だからひどいと責めたいわけでもないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 でも、

 

 

 


 

 

 

 

 でも、なんだというのでしょう。

 

 

 

 


 


 華やかなパーティ会場はどこも、完璧に美しく



 だからこそ居心地が悪くてたまりませんでした。

 

 

 



 王城でのパーティの帰り、

 

 領内の森を馬車で走っていると、なんだか妙に騒がしい音がしました。

 

 警戒のために、一度止まり、あたりを捜索します。

 

 すぐに音の発信源はみつかりました。

 

 草の茂みに、獣に食われそうになった少年がいました。

 

 

 彼は口減らしに親に森に捨てられた、目の見えない少年でした。

 

 

 

 

 

 その日でなければ、私は違う行動をとっていたと思います。

 

 

 彼が盲目でなければ、私は違う行動をとっていたと思います。

 

 

 

 こんな考え方、高慢なのでしょうか。

 

 彼はほうっておけば、あそこで死ぬような人です。

 

 乙女ゲームには出てこないでしょう。

 

 ゲーム通りのエリザベスには、絶対にかかわりのなかった人のはずです。

 

 

 だからこそ、私は彼に深く関わりたいと望みました。

 

 

 たぶん、彼の目が普通に見えたならば、この日出遭ったのでなければ、私は、たぶん、一時的に保護して、彼を普通に孤児院にやっていたと思います。

 

 

 でも、そのとき、

 

 私は彼が神様が私に与えたなにかに思えたのです。

 

 

 目の見えない彼は、決して私の醜さは見えないのです。

 

 美しくなろうと、醜いままでも関係がない。

 

 それは、ほっとすることでした。

 

 

 

 

 私は「彼を好きになる」ことを決めました。

 

 彼が好きになってくれなくてもいい。

 

 ただできるかぎり彼に親切にして、好きになってもらえる努力をしようと決めました。

 

 お父様は、有力貴族と結婚しろというでしょう。


 でも、10代半ばで国外追放とか、死ぬ未来もありえたのです。


 許してもらいましょう。



 

 

 私は、私を主人公としない乙女ゲームなんてどうでもいい。

 

 

 

 そう、決めるために彼を好きになろうと決めたのです。

 

 

 

 

 そうして、

 

 私は、必死にお父様に頼み込み、

 

 盲目の少年は、我が家の執事見習いに就労しました。

 

 

 

 

 それからときは流れに流れてーーー

 

 

 

 ダイエットは続きーー

 

 

 

 少年は、貴族の執事として働けるよう、盲目ながらも教育を受けーー



 

 

 

 

 7年の月日がたちました。

 

この、話の続き方でいいのか、

自信が微妙にない…


もっと別の話を期待してるひとがいる気はしてます。ごめんなさい。

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