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未来の来訪者 No.3

 タイムマシンに乗ったままエナ=エンジェルは考えていた。

「さすがに簡単には信じないか。しかし、まずは悪魔の懐に入って奴の弱点を調べないと。

 この時代の人間は偶然巻き込まれるのが好きそうなのに、やっぱり悪魔は他の人間と違うと言うことかしら。

 次の作戦に変更ね」



「友達から始めましょう作戦」



 拳を握りしめ決意を新たにするエナだった。



 ・・・



「あー疲れた」

 エナを追い出したあと誠は勉強に励んでいた。さすがに夕方に近づき集中力が落ちてきたのだった。

「少し休憩しよう。なにかおやつはないかなっと」

 一階に降りていくと居間から母親の話し声が聞こえてくる。

「誰と話しているんだ? 父さんはまだ帰っていないだろに」


「なんですかこれ?どら焼って言うんですか?最高に美味しいですね」

「エナ=エンジェル!」

「あ、誠君、休憩ですか?どら焼を一つどうですか?最高に美味しいですよ」

「どうしてそんなベタな設定を普通に楽しんでいるんだ?」

 エナのほっぺたをツネリあげる誠。

「痛い、痛い。暴力反対」

「未来から来た、タイムパトロールが何をしているんだ?」

「こら誠、エナちゃんに乱暴したらダメよ」

 母親に咎められる。

「母さん?なんでエナのこと知っているの?」

「エナちゃんは遠い親戚でしょ」

「こいつが遠い親戚だったら人類みんな親戚だよ」


 誠はエナに小声で話しかける。

「おまえ母さん何をした?」

「お母さんには何もしてないよ。ちょっともしもそのウソほんとボックスで追加設定を……ね」

「ね、じゃねえ」

 呆れ返る誠。

「なんでそんなに家に入り浸ろうとしてるんだ」

(悪魔の懐に入って弱点を調べる。そして悪魔を倒し世界を救う。その為にはどんな危険や困難にも立ち向かう)

「おいエナ。すごく悪そうな顔してるぞ」

「そ、そ、そうかしら?」

「いずれにしてもわかったよ」

「じゃあ、ここにいても……」



「出てけ!」



 ・・・



 結局エナはホームステイしてる外国人で落ち着いたようだった。

「へへーよっろしくー」

「またっく、そこまでなんでもありなら便利道具で世界を救えるんじゃないか?」

「それができれば苦労しないよ。悪魔は巧妙だし、便利道具を無効化する力をもってるの」

「一体、エナは何から世界を救うんだ?悪魔って、そんな奴がいるのか?」

「正確には今はいないわ、あと数年後に悪魔が現れて世界を制服するの」

「おいおい。そんな適当な」

「エナは近未来の人間なのか?」

「いいえ、遠い未来よ」

 遠い目をしながらエナ=エンジェルは話を続ける。

「今の時代から10年後、最初の悪魔が表れるわ。その時は時を同じくして天使も現れたの。天使は悪魔を駆逐して事無きを得たの」

「悪魔に天使って……。一体、10年後に何が起きるんだ?」

「その辺は記録でしか知らないから正確にはなんとも……」


「そうなのか……」

「そして、その悪魔が私達の時代、約300年後の日本に現れたの。そして世界を征服した」

「今度は天使とやらは現れなかったのか?」

「現れたわ、でも……」

「やられたのか?」

「いいえ。堕天使になっていた……。悪魔の部下になっていた」

「えっと……」

「私は最初の悪魔の発生を防ぐその為に、この時代に来たの」

「まあ、事情は理解した。でも10年後の話じゃないのか?」

「ええ。でも、私たちの調査では、この時代に悪魔が生まれるきっかけがあるようなの。それを探し出し、最初の悪魔を封じ込めるのが私の任務」

「まあ、事情は理解した。正直、ぶっ飛びすぎていてイマイチ現実味がないが、好きにしろ。でも勉強の邪魔するなよ」

(やった。悪魔が信用した。うまくいったわ」

「なんか言ったか?」

「え、なに?あはは、暑いねーこの部屋」

「エアコン無いからな。嫌なら押し入れに戻れ、自分の部屋の方が快適だろ」

「そうですねー」

 押し入れに戻るエナ。おもむろに振り返り言う。

「すいませんが邪魔だったので押し入れに入っていた布団と怪しいものはそこに置いていたから」

 押し入れの外に布団と誠の秘蔵の品が積まれていた。

「わー。み、見たのか?」

「何をですか?」

「見てないならいい」

「ああでも、いくらマンガやアニメとは言っても、あの容姿にあの胸は違和感がありますよ」


「見たな。俺の個人情報を! 未来の警察に訴えてやる!」

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