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ツーカー          :約1500文字

作者: 雉白書屋
掲載日:2026/04/06

 夜。背後に黒々とした山を控える郊外のガソリンスタンドに、一台の車がゆっくりと滑り込んできた。白々と光る照明だけが、タイヤ痕のついたコンクリートの床面を照らしている。

 店員はいつものように営業用の笑顔を貼りつけ、軽い駆け足で車に近づいた。


「いらっしゃいませ! レギュラーでよろしいですか?」

「あ、は、はい。ま、満タンでお願いします……」


「かしこまりました! 恐れ入りますが、給油口を開けていただけますか? よろしくお願いしまーす」

「あ、は、はい……」


「ありがとうございま――あっ、あはは。トランクのほうが開いちゃいましたね」

「え、あ、あ、あ、ま、まちが、まちがえ、あ」


「ん? えっ、あ、あ、あ、あ、これ、これ……」

「ちがちが、ちが、う、う、う、う」


「で、で、で、で、すよね、ねね」

「そ、そそそう、しし、し、死体じゃないよ。な、ないよー」


「わ、わ、わわわ、で、でも、え、え、え」

「い、い、言う? いうー?」


「い、いわ、い、いわ、言わない、ない、な、なない」

「ほほ、ほ、ほ、ほ、ほんと? と、とと?」


「い、い、い、いわです」

「たた、たま、たまたま、ひ、ひ、ひ、轢いちゃって、で、で病院、病院! に、はこ、はこぼ、運ぼうってて」


「と、と、と、トランクに入れてー?」

「そ、そ、そ、そう」


「け、け、警察、け、けけけけけ」

「だ、だめ、だめ、だめ、殺す殺す殺す」


「わ、わ、わ、わ、じゅ、じゅ、銃? ほ、ほほほ」

「そ、そ、そう、ほ、本物」


「お、お、おお、おち、おちつ」

「そ、そ、そっちも、もも、こ、これ、わるい」


「わ、わる、わるい人? ほ、ほん、ほん」

「ほ、ほ、ほんとー」


「な、な、なん、んでんで、じゅ、じゅ」

「も、も、持ってた、じゅ、銃、わ、わ、わるひと、ひき、ひき、わざと、わざと」


「じじじ、じこ?」

「そそそそう、そう、そー」


「な、な、なる、な、なるほ」

「ね、ね、ね、しんじ」


「は、は、はい、はははは」

「う、う、うそ」


「ほ、ほ、ほん、し、しん、し、ししん」

「や、や、やだ、つ、つかま、やだ」


「し、しんじ、じんじ」

「か、かば、かばかば、かばん、か、か、かね」


「す、すご、すご、た、た、たいき、たいきん」

「もて、もて、た。わる、わるひと、あ、あげ、あげる、あげる」


「い、い、い、いい、いい」

「じゃ、じゃ、じゃあ、け、け、けいさつ、けいさつう?」


「い、いや、いや、いわ、いわ、わない」

「いう、いう、ころ、ころ、ころす、か、か、かぞ、かぞく、いる、から」


「ぼ、ぼぼ、ぼ、いる、いも、いも、いもいと、いもぷと、いも、びょ、びょうき」

「い、い、いえ、いえ、ろ、ろ、ろーん」


「し、しぬ、い、いや、いや、いやややや」

「あ、は、はな、はははな、はなななな、せせせせ」


「よよよ、よ、よこ、よこここ、せ」

「だ、だだだだ、だめ、だだだだ、だだだだだ」

「お、おい……てめえら何してんだ……おれの銃を……返せ……。金はどこやった……殺すぞ……」


「わ、わ、わわ、わああ!」

「だ、だ、だあああ!」


「……い、い、いきて、いきて?」

「……し、し、し、しんだ」


「う、う、うった、うった、どっちー? どっちがっ」

「りょ、りょ、りょうほ、りょうほーほほほー」


「いわ、いわ、いわ、いわない、つ、つ、つうほ、ない、しない、つー」

「う、う、うん、かね、かね、わけ、わける、か、かね、かー」


「う、うめ」

「や、やま」


「し、シャベル」

「し、しまう」


「持った」

「乗って」


「どうも」

「こちらこそ」


「行こう」「行こう」

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