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夜。背後に黒々とした山を控える郊外のガソリンスタンドに、一台の車がゆっくりと滑り込んできた。白々と光る照明だけが、タイヤ痕のついたコンクリートの床面を照らしている。
店員はいつものように営業用の笑顔を貼りつけ、軽い駆け足で車に近づいた。
「いらっしゃいませ! レギュラーでよろしいですか?」
「あ、は、はい。ま、満タンでお願いします……」
「かしこまりました! 恐れ入りますが、給油口を開けていただけますか? よろしくお願いしまーす」
「あ、は、はい……」
「ありがとうございま――あっ、あはは。トランクのほうが開いちゃいましたね」
「え、あ、あ、あ、ま、まちが、まちがえ、あ」
「ん? えっ、あ、あ、あ、あ、これ、これ……」
「ちがちが、ちが、う、う、う、う」
「で、で、で、で、すよね、ねね」
「そ、そそそう、しし、し、死体じゃないよ。な、ないよー」
「わ、わ、わわわ、で、でも、え、え、え」
「い、い、言う? いうー?」
「い、いわ、い、いわ、言わない、ない、な、なない」
「ほほ、ほ、ほ、ほ、ほんと? と、とと?」
「い、い、い、いわです」
「たた、たま、たまたま、ひ、ひ、ひ、轢いちゃって、で、で病院、病院! に、はこ、はこぼ、運ぼうってて」
「と、と、と、トランクに入れてー?」
「そ、そ、そ、そう」
「け、け、警察、け、けけけけけ」
「だ、だめ、だめ、だめ、殺す殺す殺す」
「わ、わ、わ、わ、じゅ、じゅ、銃? ほ、ほほほ」
「そ、そ、そう、ほ、本物」
「お、お、おお、おち、おちつ」
「そ、そ、そっちも、もも、こ、これ、わるい」
「わ、わる、わるい人? ほ、ほん、ほん」
「ほ、ほ、ほんとー」
「な、な、なん、んでんで、じゅ、じゅ」
「も、も、持ってた、じゅ、銃、わ、わ、わるひと、ひき、ひき、わざと、わざと」
「じじじ、じこ?」
「そそそそう、そう、そー」
「な、な、なる、な、なるほ」
「ね、ね、ね、しんじ」
「は、は、はい、はははは」
「う、う、うそ」
「ほ、ほ、ほん、し、しん、し、ししん」
「や、や、やだ、つ、つかま、やだ」
「し、しんじ、じんじ」
「か、かば、かばかば、かばん、か、か、かね」
「す、すご、すご、た、た、たいき、たいきん」
「もて、もて、た。わる、わるひと、あ、あげ、あげる、あげる」
「い、い、い、いい、いい」
「じゃ、じゃ、じゃあ、け、け、けいさつ、けいさつう?」
「い、いや、いや、いわ、いわ、わない」
「いう、いう、ころ、ころ、ころす、か、か、かぞ、かぞく、いる、から」
「ぼ、ぼぼ、ぼ、いる、いも、いも、いもいと、いもぷと、いも、びょ、びょうき」
「い、い、いえ、いえ、ろ、ろ、ろーん」
「し、しぬ、い、いや、いや、いやややや」
「あ、は、はな、はははな、はなななな、せせせせ」
「よよよ、よ、よこ、よこここ、せ」
「だ、だだだだ、だめ、だだだだ、だだだだだ」
「お、おい……てめえら何してんだ……おれの銃を……返せ……。金はどこやった……殺すぞ……」
「わ、わ、わわ、わああ!」
「だ、だ、だあああ!」
「……い、い、いきて、いきて?」
「……し、し、し、しんだ」
「う、う、うった、うった、どっちー? どっちがっ」
「りょ、りょ、りょうほ、りょうほーほほほー」
「いわ、いわ、いわ、いわない、つ、つ、つうほ、ない、しない、つー」
「う、う、うん、かね、かね、わけ、わける、か、かね、かー」
「う、うめ」
「や、やま」
「し、シャベル」
「し、しまう」
「持った」
「乗って」
「どうも」
「こちらこそ」
「行こう」「行こう」




