現場が分かる奴を上にしてくれ~飲酒運転を撲滅するため、徹底的な点呼で交通事故を発生させます~
バカか、こいつ等…………。
自分が予想していた斜め上をさらに捻じりながら行く発想をするのが、上の連中である。ホントに極小な数のデカイ声を拾って、そうするんじゃないっていうこと、分かってくれないのかな。
「…………あの、……ね」
部長クラスとかは自分の首が掛かっちゃうから分かるんですけど、その上は何を言っているんだろうか?お仕事っていうのは、AMAZONや楽天、ヤフオクみたいに、注文すればできるだろうって仕組みではないんですよね。どの仕組みも、有難いお仕事には1人1人の努力なり、技術があるもんですよ。社会人やってて分からないんですかね?
「交通事故が起きたけど?」
笑えないんですけど、……これお客様にご迷惑が相当掛かりますよ。
お偉いさんの指示で指導された日常点呼を始めた初日に、……”交通事故”が発生するとか、……現場は分かってたからね。できないよ。
「おい、帰るな。テメェ等も付き合うのが筋じゃねぇの?」
◇ ◇
起きちまった後でこれ言うのなんだけどさ。
「普通に考えてくれねぇか?」
アルコールチェックとかはするんだよ。飲酒運転をしちまったのは、それを周りが止めなかったり、配達以外の業務をやらせるといった、管理の問題なわけよ。日常点呼が全てを解決するわけでもないし
「出勤した時点で、テメェに早退の言葉は、自分の仕事が終わる以外にあり得ねぇ」
……厳しい言葉であるけど、山口部長ならそう言ってくれる。
体調が悪かったら出勤するな。仕事ができるなら出勤しろ。それがまず、当たり前である。出勤してから動けませんなんて、聞きたくもないわけだ。
ようするに、その時点で健康管理は済んでいなきゃいけないわけだ。
「飲酒運転はダメだからな。酒はせめて22時までにしろ。睡眠はしっかり7時間はとれ……無理してとれとは言わないけど、コンディションは才能も努力もねぇ分野だ。お前の身体と精神に直結する」
……ふざけたことに冷暖房が効いた上の連中が、……外で配達している下の連中がミスすると、
「朝食はちゃんと食え。昼飯は13時過ぎを覚悟しろ」
『朝食をしっかり摂らないから仕事でミスするんですよ、君達は』
とか、最近の指導項目で、”朝飯をちゃんと食べて仕事をしてください”とかいう、……外の仕事、嘗めているのかと確認をとりたい、ご質問とご回答をしてきました(これ以外にもあるけど)。これ下から相当バッシング入ったと思いますが、……これから猛暑日の日々になるんですよ?朝飯を食わないで、蒸し暑さで眠れない、肌は黒焦げ、日中は汗だくで水と塩がなきゃ死ぬ、汗などの臭い、その状況下でもお客様にちゃんとしたお荷物をお届けするのがお仕事になっているのが、私達ですよ。
睡眠不足で飯もロクに喰わずに、水分補給を怠れば、我々死にますからね。外の仕事って昼飯の時刻ですってチャイムも鳴りませんからね。そのお時間に配達のご依頼だってあるんですからね。
お前の仕事って死なないんですか?睡眠不足で、飯も要らず、冷暖房が効いてる部屋で仕事してるのは良いですね。……この指導に関する資料、テレワークで作りました?いいですねぇ、夏場の通勤時って大変なんですよね~。
ピピッ
「はい、健康状態オッケー?」
言っちゃあ、なんですが。ホントに日常点呼って、雑談しながらやってます(今日の配達の動きの確認をしながら)。免許とアルコールの確認。班全員が集まって、『体調悪いのいないよね?』って確認だけです。というか、体調悪かったら自発的に言うし、出勤するなって上が言うくらいです。
こいつを1人1人細かにやることはあまりないんですよ。っていうか、365日で体調が悪い日なんて1週間もないんじゃないですか?それに体調悪くても、普通に出勤したらそれでできる100%の業務をするだけです。
「だいたい、7人を1分ぐらいでやってる。ただし、7人の内の1人……ようするに、点呼執行者っていう、日常点呼を任された奴は自分を除く6人分の確認をとるんだよ。……この人だって配達を任されてるわけだし、そんな貧乏くじを引きたがる奴はいねぇ」
そーいう仕組みを分かってないのに、あいつ等が来るとちゃんとした点呼をしろと叫ぶのである。
「1人に対して3分ぐらいかけるんだよ(ガチで)」
アルコールチェックと免許の確認、健康状態、薬の服用、持病の確認、酒を飲んだ場合のあれこれ、睡眠時間と起床時間、~~~~~~………
「って感じな質問。やってるの医者じゃねぇんだよ、健康診断じゃあるめぇし」
点呼執行者以外は3分くらいで済むと言っても、並びますから。……ちゃんと並んで受けろって言うんですよね。こっちは配達準備があるんですけどね。それよりも点呼執行者もこんなことに15分以上かけてから、仕事になります。
当然ですけど、急ぎますし。お客様にも迷惑が行くんですよ。
『時間指定って……なに?どーいうお荷物なの?』
マジでこーいう問いかけをするのが、やってくるんですよ。
『どーしてそんなにみんな急ぐんだ!!』
『お客様に遅れると連絡すればいいじゃないですか!!』
いや、お前等がそれをやらねぇーのはなんでですか?電話番号はここに書いてあるぞ。当たり前の事を言うが、お客様は謝れば許すと思うか?
ブロロロロロロ
「……………」
交通事故の原因は日常点呼もそりゃあありますよ。ただ、それだけを護ればいいわけじゃないんですよ。注意力、集中力、時間の余裕。これを削ってまで、日常点呼に意識を注ぐのはいけないんですよ。そーいう場合は、どちらにも全力の意識を注ぐっていう、矛盾をやり遂げなきゃいけないと思うんですよ。
お前等の意識っていつも社内ばっかりで、社外出た我々の動きをまったく考慮されてないんですよ。
ドガアアァァッッ
「…………………」
奴等は言うだろう
『日常点呼をした運転手が交通事故を起こしたのか……』
とても無責任で、いつも言うだけだ
『でもそれ、避けられない方も少しは悪いよね?』
◇ ◇
「ゴホンッゴホンッ、……大変申し訳ない」
少し端折ってしまったが、交通事故が起きたのは事実だ。
「現場の疲弊と人手不足からいって、日常点呼に重点をおいたところで交通事故が0になるわけじゃない。時間的な余裕も、日常点呼もしっかりやるのが、当たり前なのは事実だ。だが、余計なことはしないし、信頼するのが現場の人間達じゃないといけない」
作者も山口部長も、あいつ等は嫌いだ。
「そもそも、計画や人員のバランス、力量のバランスを、ロクにとれてない奴等にそんなことを期待しちゃいけない。奴等は話し合った結果、いつもいつも黙ってやる奴に仕事を任せる。批難されたくない気持ちも分かる」
この状況でこの日常点呼を続けるのは、たぶん、得策ではないと思ってる。すでにかなりの人達はイラついてます。運転に悪影響が出るだけで、効果が薄いと思いますし、むしろ悪影響かも。
だって、作者のとこ。1年半くらい交通事故なかったんですよ。もらい事故はいくつかありましたけど、1年半ぶりですよ。で、何を変えてさっき事故ったの?って言われたら、もう完全にコレでしょ?って答えちゃうくらいです。イライラすると左右確認とか怠りやすいです。
そんな馬鹿みたいな日常点呼をやりたいのならね。
「人員の確保をするなり、業務の見直し、勤務体制の見直し……全部が必要ってわけじゃないが、どれかにメスを入れる必要がある。そんで、どれをとっても言うけれど、金はまず掛かるぞ。……つまり、料金の値上がりを覚悟しろよ。最近知ったけど、10月にクロネコさんがまた値上げするそうですけど、」
日常点呼をちゃんとするから、値上げしていいですか?
「って、世間に訊きたいわ。俺も作者もそんな理由だったら、値上げしない方が良いと思う。そんなことを口述にしたら、客が利用しねぇ……じゃ、あいつ等は精神論しか言わねぇし、面倒だから、やってねぇーんだろって声を挙げるけど、交通事故起きたからな?……もっかい言うけど、交通事故起きたよ。具体的な方法じゃないと、お客様に示しがつかないのを理解して欲しいぜ」
1.人員の確保
「これがシンプルで一番早い解決策だ」
1日の配達は、60人くらいで各地域に荷物をお届けします。さっきも書きましたが、指導の入った日常点呼には3分くらい掛かるんです。ザックリとした言い方ですけど、
3 × 60 = 180分 。まず、最低でもその時間は必要で
数人の日常点呼者に至っては、15分は時間をとられてます。60人で200分の時間を浪費してると考えたら、その200分に相当する配達や、その他の対応に動ける人員が必要です。
こーいうのはやる前から分かってるのに、精神論で始めて交通事故を引き起こすのはヤバイです。決して多くない人数なのに、確保できてないのは、そこで働かなくとも分かると思います。
2.業務の見直し
「交通事故を発生させやすいのは、時間に追われることだ。これがたぶん、総合的に見たら金が掛からないけど、お客様に迷惑がいくからやりたくねぇ」
日常点呼は当たり前ですが、出発前にやるため午前中にやります(出勤したらやる)。
こんなことに情熱を注ぐんだったら、シンプルに
「午前配を廃止すれば、絶対に日常点呼がちゃんとできるよ」
これだけすれば、どうとでもなる。全然、日常点呼に時間をかけましょうって言えます。日常点呼をしないと仕事ができないため、午前配が無くなれば対応できます。
ただ、午前じゃないと受け取れないって方もいますし、早めに受取たいって方にご迷惑がいきます。
「日常点呼を訴える奴は、これに全部対応すればいい。お前が責任持って、断りのご連絡をすればいいだけだよ。精神論でもない話だ。電話番号だってちゃんと書いてあるんだ。俺達からしたら、午前配が消えるだけで大分楽だ」
3.勤務体制の見直し
「人員の確保よりも改悪だし、残業計算が面倒だけれど……現実的にすぐにできるのなら、これがいい」
8時からのお仕事を、7時半からお仕事を始めるって感じで良いと思う。
「これは労働者個人が考えていい事だ。7時半にはもう職場にいる奴もいるしな」
単純に朝の時間がないのなら、前倒しするのがあまり手を加えなくていいと思う。全員である必要はなく、全体で4分の1くらいがそうやれば、
「さっきも言ったが、午前配に対応もしやすく、時間に余裕を作れる。法律だって護れるからな……問題は、全体で4分の1がやってくれるかどうかだし、その分のケアは職場の人間がしなきゃいけない。……それとこれに並行して、時間指定の見直しも考えなきゃな」
午前 9時~12時
午後 12時~18時
夜間 18時~21時
「みたいな、3種類しかない時間指定にするとかな。それでもお客に不便を感じさせるけど」
パッと思いつくだけでも、こーいうやり方を実施してから取り組むべきだと思います。日常点呼のために車は飛ばします、左右確認を怠ります、交通事故を起こしました。なんのための監査ですか?あなた達のご機嫌をとるためでなく、ちゃんとした現場の事情を調査するのがあなた達のお仕事と思いますし。その場の思い付きであーだこーだとゴネて、問題が起きたらトンズラするのはホントに迷惑です。
なるべく、っていうか、お客様が望むとしたら、声を挙げないと思いますが、
ちゃんと求めた商品が届いて、ちゃんとした運転をしていて、大変だろうけど値上げをしないでくれって事だと思いますよ。できれば、俺達だってやりたくないんですよ。どーせ周りも値上げするから。
ルールを破っていいって言ってるわけじゃないです。
そもそも、この現場でルールを守れるか?っていう状況なんです。
ルールを改定しないと危険ですよって言ってるのに、精神論の話をするのは上の悪いところです。酒を飲まない人とか、時間的なことに追われる人って、こーいう余計な問答にはイライラしかないし、YESしか返事ないんですよ。仕事をしに来ているんで