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最弱男女の大勇譚【ザ・ブレイブ】  作者: かませ犬
序章:落ちこぼれの雷魔法使いボンズと蛮勇の少女ペティ。
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第0001話:Cランク冒険者パーティ4名VSハイゴブリン5体



海西歴1004年。

フォレストラビリンスと呼ばれる大森林の南西部にて。



「ボンズッ! パラライズッ!!」



焦りの混ざった男の叫び声が大森林一帯に響いた。


灰茶色のレザー装備一式を身に纏う金髪ショートヘアで顔立ちの整った青年、ウィルが後方にいる仲間ボンズに向けて放った言葉だ。


今、彼らはハイゴブリン5体と対峙している。


ゴブリンの亜種で上位種の魔物、ハイゴブリン。


背丈は通常種のゴブリンと比べ50〜60cmほど高く、人間の成人女性程度の身長を有している。


知能は高く、性格は狡猾でずる賢く、自身の身に危険が迫ると仲間の元へと逃げ、助けを呼ぶ習性を持っている。


「う、うん! ぱ、ぱららいずっ!」


野太く太った声のボンズが、ハイゴブリンたちに大杖を向けて呪文を唱えた。


パラライズ。


雷属性の状態異常魔法だ。


単数もしくは複数の対象に痺れを与え、身動きを麻痺させる。


雷属性の魔法使いはまず全員が最初に習得するであろう、雷属性の中で最も習得難度の低い雷属性魔法である。


才能のある者なら、5才で習得できる初級魔法だ。


「ぎゅえ?」


5匹のハイゴブリンたちは不思議な顔でお互いを見合っている。


何かが体に刺激されたが、それが何かわからないといった様子だ。


どうやらボンズの呪文は失敗したようだ。


「ぎゅえへゃへゃへゃ」


口元を歪ませながら、嫌味たらしく笑うハイゴブリンたち。


「お、おいボンズ!? ちゃんと掛かってんのか!?」


「ご、ごめん! も、もう1回」「もういい! あたしに任せて!」


ボンズの言葉を遮りながら、ボンズの真横を走り抜けた少女が1名。


左手に剣を持った赤髪セミロングヘアの美しい顔立ちの少女、イチカが殺気を放ちながらハイゴブリンたちに向かう。


「イチカ、右3体頼む! 俺は左2! アリシア、イチカに強化魔法を!」


「はいっ! ッエリクション!!」


ウィルの大声に、ボンズの隣にいる金髪ロングヘアのこれまた顔立ちの整った麗しい少女、アリシアが応えて呪文を唱えた。


身体能力向上強化魔法、エリクション。


体内の筋力、身体能力を大幅に向上させる光属性の支援魔法だ。


赤髪少女イチカの全身から湯気が湧き出てくる。


バフ成功だ。


「はああああ! 気炎、一閃ッッッ!!」


イチカの剣が勢いよく燃え始める。


火属性の中級魔法、気炎一閃。


剣に火属性の魔力を宿エンチャントし、剣を勢いよく燃やし、剣を振る瞬間時、両腕の筋力を大幅に増強させる、火属性魔法と身体強化の複合魔法だ。


「「「ぎゅえあ!?」」」


ハイゴブリン3体に彼女の橫薙ぎに放った剣筋が直撃する。


瞬間、ハイゴブリン3体は切られた胴体から青い血飛沫を上げながら倒れた。


「うおおおおぉぉぉっ! タングステンッッ!!」


同時にウィルの張り上げた声が空間一帯に響いた。


タングステン。


身体強化、硬化魔法。


両手両腕を銀白色に硬化させ、あらゆる攻撃から身を守る地属性中級防御魔法だ。


それをウィルはハイゴブリン2体に殴り込み、格闘攻撃として使った。


殴られたハイゴブリンたちは1体は地面に深くめり込み、もう1体は宙に勢いよく吹っ飛んでいる。


「ボンズッ!! ルーブだッ!」


ウィルが声を荒げながら、ボンズに再び指示を出した。


「う、うん! る、るーぶ!」


拘束魔法ルーブ。


単数の対象に強い金縛りを与えながら、対象の全身を硬直させて身動きを封じる無属性初級魔法だ。


地面にめり込んだハイゴブリンの全身から湯気が湧き出る。


呪文成功。


だが、


「ばかやろう!! そいつは死んでるだろうが! 吹っ飛んだ方だ!」


ウィルの怒声が響く。


「あっ、あっ、ご、ごめ」「ルーブ!」


ボンズの隣にいるアリシアが呪文を唱えた。


吹っ飛んでいるハイゴブリンが上空でカチコチに固まり、そのまま勢いよく落下する。


ルーブ成功だ。


戦闘終了。



Cランク冒険者パーティ4名、ハイゴブリン5体に勝利。

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