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恋愛観

「ねえユーマユーマ。見て、このメッセージ」

「お、やるな」

 そこには、告白のメッセージが書かれていた。

 今の時代、SNSのメッセージサービスで告白ができる。

 実際にあって話すより、気まずくないし、少しの勇気でも告白することができる。

 本当に良くなったと思う。正直、実際にあって話すより、SNSでメッセージを交換するほうが楽だし、嫌だなと思った人とは合わなくていいから、俺は好きだ。

「どうすればいいと思う?」

「どうすればって、迷うくらいなら、付き合わないほうがいいんじゃないか?」

 君がどれだけ相手のことを好きなのか、胸に手を当てて考えてご覧? なんてことは言わない。

 なんか占っぽくて嫌だし。

「ちがうちがう、ユーマならどんなかんじで付き合ってみるか、考えをききたくですね」

 ソラはニヤニヤしながら聞いてきて、俺も、つい嬉しくなって、ニヤニヤしてしまう。電車で面白いシーンを見たときみたいな感じで。

 でも、またしてもやってしまったなと思う。

 共感力。相手の感情を読む能力が足りなかったと思ってしまう。

 やばくね? まじやばいよね? あれでよく会話続くよなって思うもんな。

 何がやばくてどういうふうにやばいのか伝えてほしい。このスイーツめっちゃ美味しそうで『やばくね』、そうだよね、あんた太っているからやめとけって感じで、あんたの体重まじ『やばいよね』。正直、私と一緒にいないでほしい。

 ここまでいってほしいよな。誰がわかるんだよこの会話。……というか、こいつら友達じゃね―な。

「で、どうします?」

「変なことだけどいいのか?」

「どうぞどうぞ。というか、もしふつーのことを言ったらそれはユーマじゃない」

 ソラは断言する。

 もちろん悪い意味で言っているわけではない。むしろ褒め言葉ってくらい。

 でもあれだよな、個性的であれ、っていうけど、個性的だったら絶対に周りから嫌われるよな。

 だって、臭かったら絶対に嫌われるもん。スティーブ・ジョブズ。

「最近、俺は考えてしまった。相手には3人彼女を作っていいようにします」

 そして、ソラの異様な質問に、悠真は異様な答えを返す。

 異様に思えるこの風景。これが日常だった。

「へー、なんでなんで?」

 ソラは面白そうに目を輝かせ、軽く上下にぴょんぴょんする。

「もし、男が他の女と付き合ってもいいとなったらどうなると思う?」

「浮気される?」

「正解。だけどちょっとちがうんだなー、そもそも、許可していたら浮気にならない」

「あー、そっか」

 ソラは納得したようにうなずき、少し考える。

 その間、悠真はニコニコしながら待つ。

「とりあえず、メリットだけでも考えてみ」

「そうしてみる。えーっと、ユーマがそーいうことは、なにかいいことがあるわけじゃん?」

 逆説的だが、結構いい読みだと思う。

「沢山の人と付き合うメリットがあるわけでー、えーっと……違うか。沢山の人と相手に付き合ってもらうことのメリットが有るわけで、だからといって、別に性的なことは関係ないだろうし、女子の扱いがうまくなる? もてなしとか、サプライズが上手になったり……あー、男性が、束縛されると嫌ないきものだってカッコつけて言って、ちょっと引いたなー。この前ドラマでも『俺は束縛されるより、するほうが好きだ!』とか恥ずかしいセリフをいってたしなー。近くなってきた?」

「なににだよ」

 そう言って悠真たちは笑いあう。

「束縛されないってことは、めんどくさくなくなるから? たとえ、ソラが変なことをやらかしても、ソラが許している分、相手は自分を許してくれる……というか、今の時代、結婚すること自体が古い? ってことは、普通に、恋愛を楽しめってこと?」

「そうだね」

「おー、あたった」

 ソラは嬉しそうにする。

 が、はたから見ていたら、それがあたったということは嬉しそうにしていいことなのかと言われたら、疑問が残る。

「あと、お互いが離れないように努力するようになると思うんだよね」

 ソラは少し考えるが、わからない。わからないがとりあえず、わかってなくてもわかりましたと言っているときのような顔をする。

「そもそも、恋愛なんて、どうせ3年も経てば、倦怠期まっしぐらで、なんにも魅力がなくなっていくんだ」

「きた、ユーマのぐちり。そんなことないんじゃない?」

「そして、人は浮気をする。半分以上の人間は浮気をしたことがある」

「へー、そうなんだ」

「だったら、最初から浮気を認めてあげようじゃないか!」

 もしそうなれば、この世界はめっちゃ優しくなるよな。きっと。

「発想がくさってた⁉」

「だって、半分もの人は法律を犯したら、それは法律を設定している意味がない。それに、そんな法律間違っている」

「たしかにそうだけど⁉」

「禁酒法ってなんで愚かな法律だったかって言うと、法律でお酒を禁止したけど、みんな守らなくて、税による収入がめちゃめちゃ減った。おそカナ法律だったわけだ」

「ほうほう」

「他にも、もし、もてない奴らが過半数になったとき、モテるやつに対して嫉妬して恋愛を禁止されたらどうする?」

「発想が極端なんですけど⁉ というか、幸せにならないでしょ!」

「まあな。というか、また優香勝手に入ってきて……強盗?」

「違います。ソラに鍵渡してもらったのよ」

「きたな、ユーマの一人目のキープ」

「ソラちゃーん。行っていいことと悪いことがあるのよ?」

「いやー、これもユーマの教えでしてー」

「ユーマ?                」

 無言の圧力。

 なんか、ただより高い物はないみたいな矛盾したような言葉だよな。無言の圧力って。

「なに? また変な事考えてたでしょ?」

 はい、そうです。

「すいません」

「まあいいけど」

 すんなり受け入れてくれる。

「まあ、興味があったらやってみなよ。どっちにしろおもしろいぞー、特に俺が」

「まあ、考えてみる」

「おうおう、ちなみに、男はエッチするとき、ハーレムのときより、男2人に、女性1人の方が興奮するらしいぜ」

「へー、ならあれだね。フーゾクに一人で二人を相手にするプランを作れば、お互いに儲けられてwinwinってやつだね」

「お、いいなそれ」

「何言ってるのよ……」

 これも、悠真の周りじゃ普通の光景。性に関してオープンな環境。変なジョークも言い合える。だけど、女子が変なジョークを言ったら、少し違和感を感じるこれは、無意識の差別なのだろうか……?

 とにかく、環境というものを大切にする。クローズな環境なら、性に関する知識も身につかずに、事件が置きてしまったら、あとになって大変だ。だから、オープンな環境を作っている。

 そういや、学校のアンケートなんだよな。近くに相談できる大人がいますか? ……いるわけないじゃん。先生でも無理だよな。だって、言ったら何言われるかわからないような人ばっかりだし……そもそも、尊敬できるような先生……大人がいないっていうのは本当に可愛そう。俺とか、いじめられたことあるし。考えが極端だから。

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