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第五投 結成!風中ウィンドウボール同好会!

*2020/07/15

 誤記を修正しました。

 賢明な読者なら前話を読んだ時、話数であったり、「目次」の隣に「次へ」が表示されていることに気がつき、「……であるのか?」と書いてあるが、続くの確定だろうと突っ込みを入れたはずである。


 ──(まさ)に、そのとおり。


 そして、この話に「次へ」がないので、これが最終話であることにも気がついたことであろう。

 そもそも、おっさんが中学生の話を書こうというのに無理がある。

 そのあたりを察していただけると、こちらとしても大変助かる。

 


 それはさておき、もう一人のヒロインが出てこないままに最終話を終えられるはずもない。


 ──梢である。


「遅くなった。

 曽我 微風のクラスメートの土方 梢……です。

 入っていい……でしょうか?」


 梢と言えど、たまには敬語を話す……いや、話そうとすることもある。


「入りたまえ」


 生徒会長が入室を許可した。

 梢が入室した。


「ちょうど今、話が終わった所だ。

 ウィンドウボール部の創設はなしということでで決着が付いたところである。

 が、もし何か言いたいことがあるなら言いたまえ」


 梢は生徒会長の言い回しが(かん)(さわ)ったが、我慢したようだ。

 一瞬(まゆ)(ひそ)めたが、表情を戻して授業で使っている端末を手にかざして話す。


「まずは、これを聞く」


 梢が再生ボタンを押すと、何やらざわざわとした音と共に、誰かの答弁(とうべん)が始まる。


『……であるからして、来年度は予備調査を行い、再来年度から学校教育において本格的にウィンドウボールに取り組む事とし、各県の中体でも正式種目として採用していくものとしました。

 これに伴い、来年度は予備調査費として180万円の予算を計上したいと考えております』


 国会の予算審議の様子である。


「これは、去年の文科省の諮問委員会の録音。

 この後、本案は可決された」


「何が言いたいのかね?」


 生徒会長は(いぶか)しげだ。


「今から始めれば、一歩先んじることが出来る。

 つまり、上位の可能性が出る」


 生徒会一同や、桜木先生が動揺している。

 今年種を()いておき、来年収穫するというのは、悪い話ではない。


「なるほど、言いたいことは解った。

 が、今更、予算は変更できないのだ。

 そこは、解ってくれたまえ。

 ただ、これは魅力的な話ではあるから、次の生徒会に申し送りしておくことにしよう。

 来年、創部したまえ」


 ゼロ回答から、大きく前進である。

 桜木先生も、


「それなら、予算的にも大丈夫ですね。

 申し訳ありませんが、今年は体育の授業の範囲で我慢して、来年、思いっきりやって下さい」


と、納得したようだ。


「ちょっと、よかとですか?」


 夏菜がおずおずと手を上げた。


「なんだね?」


「その、それだと折角のアドバンテージが台無しだと思うとですよ。

 来年からだと、他の学校も始めるっちゃなかとですか」


 それは他の人も気がついていた話だが、言い出せなかったことである。

 恋ちゃん先生がおずおずと手を低く上げながら、


「毎週、1時間だけ他の部活の時間を削って、私が監督すると言うので如何でしょうか。

 ただし、私は全くの素人ですし、運動も出来ないほうです。

 何か合った時に一緒に悩むか、大会に付き添うくらいしか出来ませんが」


 と提案する。

 校長先生、


「それは良いですね」


と乗り気だ。しかし、現在メンバーは三人だけ。


「とりあえずぅ、同好会って形かなぁ?

 部室は余っているわけだしぃ、そっちは問題ないよねぇ?」


「私も、運動は得意じゃありません。

 でも、人数合わせくらいにはなってあげなくもないかしらね」


 副会長、ちょっとデレが入ったか?


「よし。

 では、職員会議に生徒会からの議案として出しておくとしよう。

 それまでは、大人しくしているように!」


「「は〜い!」」「わかった」


「でな、本日はご苦労」


 生徒会長、相変わらず偉そうである。

 微風、成し遂げた感を出しているが、どう考えても一番の功労者は梢である。

 それはさておき、微風。


「みんな、ありがとう!

 これから打ち上げ、宜しく♪

 あと、恋ちゃん先生もね!」


 早速(さっそく)、打ち上げの提案である。


「ぁわっ、私?」


「顧問……来ればいい」


「あはっ、そういうことね。

 いいですよ」


「それじゃ、決まりね!」


 恋ちゃん先生、ちょっと嬉しそうである。

 ここで、桜木先生が一言。


「中本先生、放課後に生徒と会うのは構いませんが、くれぐれも距離感を(たも)って下さいね。

 最近は保護者から苦情が来て、仕事が増えますから」


 すっかり忘れていたが、恋ちゃん先生の苗字は中本である。

 なお、この日の打ち上げでは『桜木先生が距離感と言っていたでしょ?』と言って奢ってもらえなかった。恋ちゃん先生を出資者に飲み食いしようと(たくら)んでいた微風、残念。


 後日、職員会議でも可決され、微風達は無事ウィンドウボール同好会として出発することとなった。

 この話、風中で創部秘話として何年も語りぐさになったそうである。

 その後、正式な部活に昇格したり、翌年の県の中学体育大会で入賞を果たすのだが、それは別の話となる。


 おわり


 これで最後の投稿となります。

 短い間でしたが、ありがとうございました。


 ちなみに、今回のアイデアは以下でした。

 ・想定外の大気汚染で装置が壊れる(プロローグ)

 ・魔法を使う時、脂肪をエネルギー源として使う(第一投)

  (この設定は生きていませんが、微風さんを主人公に置いた隠された理由です)

 ・学校の先生も普通に残業代が出るべきだよね(第二投)

 ・休校やリモートワークでラジオを聞く人が増えているらしい(第三投)

 ・読まずに判子は押しちゃいけません(第四投)

 ・先生が生徒に奢るのは悪習だよね(第五投)

 相変わらず、雑ですみません。


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