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〜プロローグ〜

 例によってネタを思いついたので書いてみました。

 ただ、やはり長編を1本書いていると余裕がないので、書き溜めて一気に掲載しています。(と言っても、大した話数ではありませんが。。。)


 あと、プロローグを長々と書いていますが、ほぼ本編と関係がないので飛ばしてもらって構いません。

 うっかり気に入って、もう一回読みたいと思った人だけ、読んでもらえればよいかと思います。


 最後にもう一点、このお話は同好会を立ち上げる所までとなっております。

 ウィンドウボールをやっている描写は出てきませんので、悪しからず。。。(^^;)


 空中城塞都市バビトニア──古代魔法文明バビリンスが建造した、当時世界最高峰の技術の粋を集めて作られた魔法要塞である。


 ──バビトニアが誇る『世界魔素収集装置』


 これこそ、バビトニアの力の象徴と言うべき地上を支配するシステムの屋台骨である。

 この装置は、地球上の全ての魔力を吸い上げる脅威の装置であり、これが完成して以降、地上から魔法が無くなった。

 完成した翌日の新聞には、『地上に生命がある限り魔力を集め続ける、メンテナンスフリーの半永久機関』と大々的に宣伝されており、バビトニアの住民は両手(もろて)を上げて絶賛した。

 

 世界魔素収集装置によって集積された魔法力は凄まじく、地上に放った一撃でいくつもの都市が蒸発。

 誰もバビトニアに逆らえなくなった。

 このため、地上ではバビトニアに言われるがままに物資を強制徴収されていた。

 地上からバビトニアへの物資輸送には、世界魔素収集装置の影響を受けにくい魔素タンクを積んだ空輸装置により運ばれていく。

 人々は、自分たちがやっとの思いで育てた農作物や、命がけで掘り出した地下資源が空輸装置に乗せられてバビトニアに昇っていくのを、やり場のない怒りを抱えながら見上げる事しかできなかった。


 ──しかし、人間が統治している以上、いろいろな亀裂が生まれるもの。


 社会保障がなかったバビトニアの中に生じた貧富の格差は凄まじく、わずか一時間の労働で巨万の富を得る者から、丸一日働いて一つのパンをようやく買える者まで幅が広かった。

 このような状況下で貧民は何度も繰り返しデモを行った。そしてデモはクーデターへと発展し、治安の悪化、警察機能の停滞、要人の暗殺、軍隊の崩壊と悪い方に拡大していく。

 最終的には、貧民出身の大学生が行ったバイオテロにより、バビトニアには一人の住人もいなくなってしまった。

 地上では魔法が使えず、バビトニアに昇る手段もないため、空中城塞都市バビトニアは人しれず滅亡し、バビリンスも終わりを迎えたのだが、住人を失った後も、世界魔素収集装置だけは稼働し続けた。



 ──そして約五千年という膨大な時間が流れ、現代に至る。


 バビトニアの存在は、古い伝説で(かす)かに伝承されるにとどまる。

 強制徴収の名残が神に供物を捧げるという形で残ってはいるものの、(ただ)の祭りへと変貌し、何故このような祭りが始まったのか、その理由も忘れ去られていた。

 魔法は空想の存在であり、一部の愛好家の読む小説やアニメで面白おかしく描かれるための題材となっていた。

 しかし三十二年前、バビトニアの『世界魔素収集機関』がついに悲鳴を上げ、その機能を停止させた。

 設計当時、大気汚染は想定されていなかったのだ。

 『世界魔素収集機関』の停止は、魔素の収集の終わりを告げる。



 ───世界に魔法が戻ってきたのだ。


 これにより、今まで存在しなかった魔法使いというものが誕生した。

 『混沌(こんとん)とした世界の始まりか』などと言って不安を掻き立てるネットの記事や新聞、雑誌もあったが、現在は治安も安定し、魔法使いに対する理解も進み始めた。

 魔法が使えるようになるのは早い子で10歳前後からで、(ほとん)どの人は中学生のうちに発現する。

 そこで、小学校低学年から魔法倫理の授業が採用され、魔法が発現した時に暴発しないよう、緩やかに能力を身に着けさせるカリキュラムが組まれるようになった。

 そして、数年前から海外であるものが注目されるようになる。


 ──魔法スポーツである。


 子供にとって楽しく魔法が学べ、細かな制御も身につく魔法スポーツは、教育現場においても、魔法を暴走させる児童や生徒が減るというレポートがあったことから、両手(もろて)を挙げて受け入れられることとなる。

 魔法スポーツの中でも大勢の子供に人気が出始めていたのが、ウィンドウボール──サッカー半面分のグラウンドで六人が協力し、殺傷性のない風魔法だけでサッカーボールをゴールに叩き込むスポーツ──である。

 海外でのこの盛り上がりに目をつけ、文科省でも実験的に予算をつけ、ウィンドウボールを体育の授業に組み入れようとしていた。

 それだけではない。

 既に、来年度から中学の全国大会を行うことも決まっていたのだ。


 これはウィンドウボールの黎明期(れいめいき)、とある中学校でウィンドウボール部を立ち上げようとした少女たちの物語である。


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