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今日から学校と仕事、始まります。②莞

休日の再々配達

作者: 孤独

土曜も休み、日曜も休み。

お父さん、お母さん、お子さんも、どっちかはご自宅でゴロゴロしている事だろう。

そんな日だからこそ、平日に来ていただいたのに持ち戻る事になってしまった荷物の再配達依頼をする。


ピンポーン


いやまぁ、そんな日だからこそ。働くべき奴等もいるというわけだ。


「荷物でーす」


午前中の依頼だったのに、在宅しておらず。夕方になって再配の依頼が来た。

これ事態は別に珍しい事ではないし、大方寝てたり、買い物をしてたり、掃除してて気付かなかったとか色々な理由がある。察する事はできる。


ガチャ


「午前中はごめんなさい」


奥さんが出てきて、後ろから4歳か5歳くらいの子が興味津々で覗いている。家族のやっている事を真似たくなるお年頃だ


「判子押すーー」

「いいですか?」

「どーぞ」


可愛らしい光景だ。時間がない時は急かしてしまうが、子供にとっては。自分はできるんだぞって、アピールをしたいんだろう。奥さんの補助有り来だが、受領印に判子を押す。


「できたー」


いつ見ても家族というのはいいもんだ。

さすがに荷物は奥さんの物の為、大事そうに奥さんが受け取った。


「またご利用お願いします」


なんてことのない仕事。そんな時に、再々配達だと珍しくはない事が起きる。


「テメェ!!午前中に在宅してたのに!不在票入れてんじゃねぇぞ!!」


居たのに不在を入れてんじゃねぇというクレーム。旦那さんが大声を挙げて出てきた。

そー言われてもね、インターホン鳴ってたけど、反応なかったしと。

配達員の森橋は言い訳とかなにも無く、事実として。


「あー、10:00頃、インターホン押しましたけどねー。寝てるのか、出かけちゃったのか。他の御宅にも荷物あるんで」


どーしようもないのよね。こっちからそれ言われると、そんな感じの回答しかできない。

不在票を書いて入れるまで、待ってあげたけどさ。そんな感じ。

いつも通りだな~って慣れしたしんだ文句に、ぶちギレたのが


「テメェが11時半まで寝てるからだろうが!!!」

「!!?」

「!!」

「コンロの火と亜季(次女)の事、見とけてって言っただろ!!夕飯も作れねぇは留守番もできねぇ奴が文句言ってんじゃねぇ!!お前がちゃんとしてれば良かっただけだ!!忙しいんだよ!この時間帯!!」


靴箱を蹴り開けて怒った奥さん。

息子さんがビックリして廊下の壁に寄りかかり、蹈鞴を踏んじまった旦那さんはヒェッとした顔で、部屋へ逃げようとする。


「せめて、自分で荷物を受け取ってから文句言え!!」


奥さん、相当この荷物待ってたんだろうか。それとも、旦那があまりにも不甲斐ないからだろうか。

他のところにも行かなきゃいけないから、森橋はそそくさと退散する。


「あんなことってあるんだな」


テッキリ、過ぎた事を愚痴愚痴言われるだけかと思ったら、……。少しは悪かったと思ったが、さすがに旦那が悪いわ、そりゃ。


奥さんって怖ぇーな。


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