表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮面仮面  作者:
15/26

大山レナの発見

街のあちこちを探し回ったのに、成果はゼロ。こんなことってあるのかしら。そろそろAOAに戻って、現状を報告しないと。ロビーに集まって会議を始めるけれど、これといった手がかりはないみたい。

ボスと高尾さんはさすがにお手上げのようで、顔をしかめたまま動かない。凪紗はぼけっと突っ立ってるし、この頃茂木くんとなにやらトレーニングをしていたもりりんは心配からか顔色が悪い。


「そういえばみーなは?」


居ない。なんだよどいつもこいつもすぐ消えやがって。


「こうやって一人一人消えていって……最後には……」


「そして誰も居なくなった……とな?」


「ギャア凪紗やめてこわぁい」


そんなやり取りをする私たちに、高尾さんはあきれ顔だ。


「あ、帰ってきたぞ」


森井さんが指をさした先にはみーながいた。丁度ロビーに入ってきていたらしい。三メートルくらい離れたところで、立ち止まった。会話をするには少し遠い。わたしは大きめの声で尋ねる。


「最後にきたんだからなにか見つけたんでしょうね?」


そうじゃなかったらただじゃおかないわよ。よく見るとあいつは手に紙を持っている。みーなはそれを折って紙飛行機を作り、私たちの方へ飛ばす。

そして手の甲を見せると、外へ走り去ってしまった。誰も彼女を追い掛けることができなかったのは、みーなの手の甲にあくまのマークがあったからだ。紙飛行機が私の額にコツン、と当たって落ちた。


「はあああああああ!?なんなのあいつ!」


「落ち着けレナ殿!」


混乱も束の間、すぐさま次のことが起きた。


「みんな!茂木くんから電話が来てるわ!」


盛川さんがそう告げるや否や、全員が受話器のまわりにあつまる。怒濤の展開ってやつね。


「聞いてください、藤原はなんらかの理由であくまに寝返りました!もしかしたら洗脳とかかもしれません!だからうかつに信じないようにしてください!」


場が静まる。疑惑が、確信にかわった。


「茂木くん!?無事なの?いまどこに……」


ブチッと音がして、電話が切れた。これは事実だろうか。それとも、策略?


「藤原がどうなったのかはとりあえず置いておくと。大山は紙飛行機を開いてみるたい。なんか書いてあるとね」


そうだ。考えるのはもう少し先、情報を集めてから。くしゃくしゃになった紙には、みーならしい綺麗な字で


「茂木を誘拐した。明日正午までに武器を捨てて投降しなければ殺す」


とあった。なんだか変な文章。しかも明日って学校あるんだけど。なんて下らないことを考えていると、右下の署名に目が留まった。なんだ、にせものじゃない。


「ボス、ここみてください。みーなより、って書いてあるところ。みーなはいつも名前じゃなくて肉球をスタンプするから、この手紙は偽物です」


なるべく論理的に、理路整然と述べると、ボスが頷く。


「たしかにそうったい。なら、さっきの藤原はあくまの変装あたりが有力とね」


「みーなも茂木と一緒に捕まってる可能性が高いです」


当然、我らが美南様だもの、裏切るわけ無いわ!そのとき、私たちを後押しするように盛川さんが言った。


「美南ちゃんからのSOS信号をキャッチ!座標特定します」


完全なる追い風だ!私は愛銃デザートイーグルと、みーなの愛刀ちんちん丸をひっ掴んで駆け出した。あ、まだ場所聞いてなかった。一旦戻って座標をおしえてもらい、再び走り出した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ