表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ドライブが嫌いな男

作者: 啓蟄穀雨
掲載日:2018/08/12

 俺はドライブが嫌いだ!

いや、別に車の運転そのものが嫌いということはない。

単純にドライブが嫌いなのだ。


 だってそうじゃないか?

あてもなくただプラプラとするなんて意味がないと思わないか?

それならエンジンをうならせて直線をかっ飛ばして、

この軽やかに走る相棒とひとつになるほうがはるかに楽しい。


 ましてや隣に女の娘が乗ってるならなおさらだ。

え?おっ、おいちょっと待てって、

別にいいだろ? 女の娘と過ごして何が悪い?

お前だってそのうちそうなるさ。

もうちょっと俺の話に付き合ってくれよ。


 助手席を見れば笑顔の君がいた。

その笑顔が見られれば本当に幸せだった。

他に何もいらないくらい、本当に幸せだった。


 でも俺はドライブより早くどこかで落ち着いて、

君の手を握ったり、抱きしめたりしたかったんだ。

そうする事ですごく安心するし、興奮だってする。


 でも今は隣に誰もいない。

どうして居ないかって?

どうしてなんだろうな。

運命の悪戯……だったのかもしれない。


 いや、それはどうでもいいんだ。

別に居ないのがいいわけじゃないぞ?

ただ……いや、うん、そうだな。


 居なくなって気が付くというのはよくある話で、

君を隣に乗せて、このくそったれな俺の住んでる街を、

あれ? なんでこんなくそったれな街を君に紹介したいんだろう?


 俺の好きな曲流しながら連れまわしてさ、

テンション上がって歌いだしたりしながら俺の歌を聴いてもらって、

俺の事もっともっと知ってもらっちゃったりなんかしちゃって……


 今度は君の街を観に行きたいな、

そんなこと思ったりしたんだろうな。


 本当にあっという間だったんだ。

まるで花火のように一瞬の恋。


 ああ、ほんとドライブってつまんねえな。

俺は誰もいない助手席をちらりと見て、

今日も車を走らせるのだろう。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 読む度に新しい発見があって、言葉にはなっていないところに 意味があるのではないか? と想像を膨らませることができる。 [気になる点] その想像が行き過ぎであったり 考えすぎであったりするこ…
[良い点] 伊津も思うのですが、東風先生の作品はテンポがいいですよね。 だからサクサク読めちゃう。 [気になる点] これ、東風先生の経験談? あっ、すみません。気になる点の意味違いましたね (苦笑…
[一言] 切ないお話ですね。 この主人公の男性には、幸せになって欲しいです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ