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ホビージャパンは本当に、作家を切り捨てたのか考えてみる

作者: にゃあくん

 このところ、一部世間を騒がす『二度目の人生を~~』における不適切な表現と、ホビージャパン社の対応について思うところがありまして書き始めました。


 というのも、この問題、いろいろな面で話が独り歩きして正誤入り混じって拡散しすぎている気がしたためです。きちんと整理して語られている方がどれだけいるのでしょうか。


 さてこの問題、当作品のアニメ化に伴って話題性が出てきたところで、とある人物(ここではS氏としておきましょう)のツイートにより、まいん氏の5年前の差別的表現が用いられたツイートと、作中の主人公の前世における大戦時に数千人斬ったという記述が組み合わせられて、あたかも南京事件の当事者であったかのように広まりました。

 結果、声優の降板(脅迫などがあったと言われています)や諸種の理由から、アニメ化は中止となりさらに大きな問題となります。

 そして、当書籍は「出荷停止」されることになりました。



 さて、この「出荷停止」という対応。何故か「出版停止」として拡散されています。

 そう、「出荷停止」なのです。「出版停止」ではありません。


 なぜか、「出版停止」として話が大きくなり、そこから「ホビージャパンは作家を守らない」という方向へと話が大きくなってしまっています。本当にそうでしょうか。本当に、ホビージャパンはまいん氏を切り捨てたのでしょうか。


 6/12にHJノベルスの公式サイトで6/22発売の新刊のあらすじが発表されました。

 その中には、まいん氏の「喰い詰め傭兵の幻想奇譚6」も含まれています。少なくとも、作家としての氏を切り捨てたわけではないということが明らかでしょう。


 一歩距離を置いて俯瞰的にこの事件を眺めてみれば分かってくることもあると思います。

「HJは作家を大事にしない」というフィルターを事前に通して見てしまえば、「出荷停止」が「出版停止」にも見えてくるのではないでしょうか。

 偏見を取っ払って、できるだけニュートラルな視点で「出荷停止」を考えてみましょう。今までと違ったものが見えてくると思います。


 今回の事件、『二度目の~~』に対して、民族的に不快な事件を彷彿させる表現があるとネット上という誰もが目にすることが出来る場でクレームが入れられた、とみることもできます。

 フィクションと現実は分けるべきだという意見もあります。あくまで小説の中での表現である以上、現実の事件とは無関係だとするべきだ、と。

 間違った意見だとは思いません。が、それがすべてだとも思いません。

 作者が意図しない形で、不特定多数の人を不快にさせるようならそれを修正する必要があると思います。逆に、作者があえて読者のヘイトを高めたいと考えるなら、ヘイトスピーチ的な表現も必要であると思いますしね。(もちろん、フィクションとしてですよ!)


『二度目の~~』に対して、外部から表現に問題があるとクレームが入りました。

 企業としては、クレームが入った以上対応しなければなりません。例えそれがでっち上げの難癖であってもです。書籍内の表現に対してのクレームである以上、対応は限られていると思います。

 まずは精査です。クレームがついた部分だけでなく、全体で問題のある表現がないか調べる必要があります。そして、問題があれば修正する必要がありますし、問題がなくても強引にでっち上げられそうな部分もチェックする必要があるでしょう。

 その間、書籍の販売はどうするべきでしょうか。売り続けるべきでしょうか。

 もし売り続けたなら、必ずこう言って批判する人がいるでしょう。そう、


「炎上商法」と。


 どのみち、内容の修正を行わなければならないことになれば、改訂版を出す必要があります。差別表現がある(とされる)旧版は回収しなくてはなりません。

 ならば、現在流通している書籍はそのままに、新たに市場には流さない「出荷停止」という対応にも合理性が見えてきます。

 もっとぶっちゃけると、HJ社としても、当作品は累計100万部を超すヒット作です。これを騒動が起こって僅か1週間で決定できるほどの決断力があるとは思えないのですよ。


 もちろん、ここまでの私の記述は、多分に推理や予想が含まれています。

 私の考えが正しいかどうかは、今回の対応を決めたHJ社の方にしかわかりません。

 改訂版が出るとしても、かなりの期間が予想されます。というのも、小説というのは著作権の問題上、たとえ明確な誤字脱字ですら、修正できるのは作者だけだからです。そして、今回の問題が中国で湧き上がったため、中国語版の方も精査、場合によっては修正(中国語へ翻訳した方とも綿密な打ち合わせが必要となると愚考します)が必要となると思われるからです。


 不幸中の幸い、というと語弊があるやもしれませんが、アニメ化中止など、事が大きくなり過ぎたためか、炎上の大本である中国の方での熱が冷めてきているという話も聞きます。


 一日でも早く、「出荷再開」されるといいですね。

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― 新着の感想 ―
[一言]  国内向けの文芸が、チャイナリスク(特亜リスク)を理由に、出荷停止の判断がされた、という事が一番の問題。  より問題は、本文そのものが問題ではなく、ツイッターが問題であるということ。いうなら…
[良い点] にゃあくん様のご指摘の通り、この問題は色々と迷走して何が真実なのか辿るのが困難なところですね。 過去のツイートは別問題として、書籍版のどの箇所が問題だったのかは、未読のため判然としません。…
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