人種とハプロ
人種は使えないと遺伝子を知ってる人は皆言う。だがもっと知ってる人は使えるという。何故か?そもそも遺伝子から導かれるクラスターは案外人種が悪くないと知ってるからだ。
人種と言うのは専門外の人にもすぐに興味を持てるとても分かり易いクラスターだという事。もちろんそこには不正確さを含む。
とくに問題なのは、ハプロが大きい。核DNAだとあまり人種との問題が生じないが、ハプロは基本時間的な直系の系統図なので、これ言語などと組み合わせて、そういった謎を解くために使うもので、その他の形質には逆に使えない場合が多い。
ここ数回のエッセイでやたらと人種について述べてるので書いておきたくて書いてる。3大人種+オーストラロイドこれを3大人種で語るのも可能。実はそこが大事なんだ。遺伝子を知ってると形質じゃなくて、クラスター的に見るとオーストラロイドはモンゴロイドに近い、形質はもろネグロイドだ。
何故か?と言うと、そりゃ古い黒人の形質から変化せず残ってきた人種なので馬鹿みたいに当たり前なんだ。ただ遺伝子は見た目がすべてなのか?なら全く違う。その他の部分で他のアジア人に近いんだ。
新しい遺伝子を軸にした人種の発想で、人種とは混血した遺伝子の類縁関係にあると言える。
クラスターとはなんであるか?が重要に成る。Aと言うクラスターとBと言うクラスターがあり、これらが合流した新しいクラスターはCと言う。これが人種の遺伝子と絡めた根本になる。元のクラスターは全く重要じゃない。混合して新しく誕生したクラスターこそが人種のキーになる。
だがハプロは元のクラスターを強調してしまうので、ハプロで人種を語るのはとても危険なんだ。
そもそも今欧州の中心ハプロであるR系だが、元は東南アジアでO系などと別れた集団になる。もろモンゴロイドの系統になる。
モンゴロイドは典型的な新モンゴロイドと言う北方に多い変異した形質のものが言われる。だが南方のモンゴロイドもモンゴロイド全体の共通性が高い。特に重要なのは太りやすい遺伝子を持つ。これはかなり重要。人種は見た目によって決定してるが、遺伝子レベルだと様々な遺伝病の謎も人種である程度見える。
酒に弱いなどもその1つだろう。そのせいで食道から胃のガンが飲酒よって増加する傾向がある。太りやすいのは糖尿病になる。これはそういった遺伝子を持たない西洋的コーカソイドの食事を取り始めたのが原因になる。本来淘汰されるべき遺伝子が淘汰に向かわなかったが、そうじゃない集団の食事を取る事で今淘汰されてしまうようになってしまった。ただ進んだ医療のおかげでそう単純じゃないけど。
他にも何故か?分からないが顔が頬骨が突き出した微妙に横幅になる傾向がある。これは新モンゴロイドに顕著だが、それはモンゴロイドの性質が顕著にでたからで、元々モンゴロイドは大体この傾向がある。一説によると粗食に耐えうるため顎が頑丈になったとある。倹約遺伝子は肉食によって生じた可能性がある。
だが植物食でも糖分が少ない植物の方が多い。その場合肉食じゃなくても糖尿病にならない。それによって淘汰されずに有利な形質として残っていくことになる。倹約遺伝子は勘違いされてるが、決して糖尿病を誘発する欠陥遺伝子ではない。少量の糖分を素早く脂肪として蓄えて、食事の期間が空く生活に耐えるように働いているからになる。
これが過剰な糖分にさらされるとシステム(膵臓)が破壊されるだけで、そうじゃないばあい、食事が定期的に取れないサバイバル生活で生き残るためのとても優れた機能だというのを知っておいたほうが良い。
さて同じPから派生したQがアメリカ合衆国でRと同じ食生活をして肥満の問題を抱えている。これに関してQ系アメリカ先住民が何故モンゴロイドなのか?の重要なキーとも言える部分がある。アメリカに渡米前にシベリアでアジアのC2系のモンゴロイドとこってりと混血したからになる。それは実質モンゴロイドになったと言っても良い。
何を持ってモンゴロイドとするのか?それは混血した後均一な同質クラスターとなる集団に対してになる。起源はどうでも良いのである。もっと分かり易い具体的な例を出そう。シーボルトや小泉八雲の子孫が日本にはいる。どこをどう見ても日本人にしか見えない。何故か?母親が日本人だからだ。次の世代の母親の父親も日本人だからになる。
だがシーボルトも小泉八雲の子孫もハプロは調べるまでも無く、R1Bだろうと予想できる。これこそがハプロと人種を同一視してはならない点で、かつ形質はどうでも良いって点になる。あくまでハプロと形質の関係は参考までにしかならない。
これを遺伝子以外の情報を追加して読み解いていく。これが歴史とDNAのテーマだと言える。
サミー人の話しも言語を絡めて古いコーカソイド系だと読み解く。そもそもコーカソイドの形質の大半はI系がもたらしたもので、それがR系の性選択によって選別されたといわれている。元はアジア系のRが好みで選び出したのがあの形質なら、アジア人の日本人がコーカソイド好きでも当たり前と言えば当たり前。
んまーこれはとんでもだが、性選択は一つの説でしかないから。ただRが強烈な男性社会原理を持ってるのは確かなので、それによってそういった性選択が働きやすい集団だった点は私も考慮している。
ウラル山脈と言うのはとてもややこしくて、過去にはモンゴロイドとコーカソイドが分岐した場所だといわれていた。だが遺伝子によってそれが逆だと分かってきた。東から来たモンゴロイドと西から来たコーカソイドが衝突して混血したから間の人種になってるだけなんだ。あの地域はコーカソイドに近い集団と、モンゴロイドに近い集団。どっちとも言えない混血集団が明確に存在する。
私も写真を見たが、その2つの傾向は結構ハッキリしている。混血の歴史が浅いから均一な集団=クラスターになってなくて、こういったばらつきがあるのを、過去分岐途中だと勝手に解釈しただけになる。ここから、過去モンゴロイド北方シベリアルートが想像されて作られた。実際はN系の西方進出がスタートで、次にこれらから遅れて進んだC系の遊牧民の移動が重なっている。
遊牧民がモンゴロイドの形質を残したまま集団として存在できるぎりぎりの地域があそこになる。ただし、歴史が浅いモンゴル帝国などは各地にそのままの姿で残ってる集団も居る。トルコなどは国策として混血政策を進めていたので、当然全くモンゴロイドの形質など残ってない。
考古学や歴史によってDNAの補助をしたり、逆に歴史や考古学にDNAの知見で謎を紐解く。こうやって書くと私のシリーズの大テーマが見えてくると思う。その時歴史や骨によって判別しやすい人種の考えはとても使えるんだ。
フン族の集団の容貌は明らかにモンゴロイドとして歴史に記述されている。考古学と言う物証が無くてもモンゴロイド集団だったんだろうなと予想できる。それらがぎりぎり出るのがウラル山脈あたりなので、そのあたりから東の集団だったんだろうなと見てになる。
そこに対して東アジア遺伝子が豊富に出る匈奴との繋がりがあったのか?は不明だと書いたのが前回の話しになる。ウラルと言う言語集団じゃなくて、ウラル山脈という地域集団としてみると、別に匈奴じゃなくてもいくらでもモンゴロイドがごろごろいるので、北東アジアから西に向かって進んだシナリオはいらないとなる。なおかつ文化的にも似た騎馬民族モンゴロイド集団としての均一性もある。
結局人種は目的が摩り替わって人種論にならないようにするなら、あくまで答えを出すための道具として使うならまだまだ十分に使える地域的な同一クラスター集団である事をある程度示すものになる。
最後に補足として酒に弱いであるが、これモンゴロイドの特徴ではない。どちからと言えば南方系モンゴロイドの特徴で、似た集団のオーストラロイドのアボリジニなどには伝わってない。それはポリネシアには受け継がれてもアボリジニには受け継がれて無い。混血度が低いからだろう。
北部もこの傾向が薄い。新モンゴロイドの形質ではない。南部中国とはっきり分かってて、これらが南下した集団が東南アジアにも多いので、モンゴロイド全体の特徴に見えるだけとなる。
良くネットで、弥生人は北方人種で南部中国など関係ないとあるが、実際はこの遺伝子の高い集積が日本にあり、アジアでも南部中国とどうレベルで弱いのが日本になる。縄文人が混血したのに同レベルを保ってる。
これは選択的に増加したのが一番の原因だが、その元はどこから来たのか?で南部中国その強い血縁関係が伺える。人種的な概念では弥生人は明らかな北方人種だと言って良い。だがルーツとしてははっきりと南部中国の特徴を受け継いでいる。他にもHLAによる遺伝子分析から、南部中国との共通性が指摘されている。
私がおかしいと思ってるのは、呉の滅亡によって生じた戦争流民の子孫が弥生人だという話し。多分時代もっと古い。それに直接ルートがあったとしても山東省が大半だと見ている。大半の弥生人は、N系が築いた山東省黄河文明(こちらは少数派だと見ている)、遼河文明の継承者だと私は見てて、長江文明の後継者が弥生人になったわけじゃない。