最悪の再会2
宗月という名は、おそらくこの街で暮らしている限りは必ず耳にする名だ。
この街――いや、この世界の実質的な支配者だ。
3賢者に技術を伝え、このヴィランを繁栄させた。
そして、時空龍達のトップでもある。
つまり敵は、時空龍の手先という事である。
「葉助、おあつらえ向きの相手が来たんだ。 さっさと片づけて来い。」
多分この人は、コイツの存在に気づいていて、魔銃の試し撃ちなんて言って外に連れ出したんだ。
なんというか――嫌になる。
俺はヘイムダルを握り直し、相手の隠れている場所を再確認する。
相手が魔法使いという事は、攻撃の初動ではこちらの方が早い。
かつ、格闘戦を苦手とする者も多い。
すぐに隠れたのも、距離を詰められたくない証拠だろう。
そこまで入り組んだ地形ではないが、市街に入られると面倒だ……
決着をつけるならここでだろう。
”ウィンドウェアⅢ”
俺は魔法を唱え、自らの脚力を強化する。
「ふっ――!」
建物の影から躍り出ると、相手に向けて駆けだす。
”フレイムタワーⅢ!”
相手も、こちらに向けて魔法を放ってくる。
俺はその火柱をスレスレで躱しながら、相手への距離を縮めていく。
ローブのフード部分でその表情は見えない。
だが、その挙動は確実に焦っている。
俺は相手に向かって2発の弾丸を撃ち込む。
その銃弾は魔法使いの魔法障壁を簡単に貫通して、あいての両肩目掛けて飛んでいく。
俺は跳躍し、相手の頭部を狙って銃を振り下ろそうと――
「甘ぇよ。」
魔法使いの口元が、笑みを浮かべたように見えた。
それと同時に、凄まじい殺気を感じた。
本能的に、殴る行動を止めて銃を盾にするように構えていた。
それは一瞬だった。
魔法使いは、銃弾を”殴り”落としたのだ。
その拳は炎を纏っている。
2発目の銃弾も殴り落とし、3撃目が俺目掛けて放たれる。
俺はなんとかヘイムダルで受け、後ろに大きく後退した。
「ちっ、やるじゃねぇか。」
「近接型か、面倒なやつだ。」
俺は相手を睨む。
ヘイムダルのバレルが少し融解している。
魔術的強化を施しているが、それを貫通するほどの火力ということだ。
存在は知っていたが、まさか近接を極めた魔法使いの相手をさせられるとは。
「オレはよ、この時を待ってたんだぜ!」
魔法使いはこちらに向けて駆け出した。
さっきまでとは、まるで逆の立場になっていた。
近接戦に持ち込まれたら、確実にこちらが負ける!




