新たな魔銃2
「ターゲットは処理、奴が持っていた情報はこれで全部です。」
机の上に、遺品と資料を置く。
銀華さんは、資料に目を通し始める。
「今度はターゲットの首でも持ってきてくれ。」
「もう、その話で弄るのはやめてくださいよ。」
こうやって、今でも初任務での事を言って弄ってくる。
余程、銀華さんにとって”面白い”事だったのだろう。
「おい、ちょっと待て……この最後の表記は間違いないんだな?」
「はい、確かに奴は”ロキア”と言っていました。」
ロキアという名に、何か覚えがあるのだろうか。
銀華さんの表情が、一層険しくなった。
それどころか、殺気さえも纏っている。
「これは、私も他人事では無くなってきたな……」
「銀華さん?」
「いや、これは後日話そう。 今はそれよりも――」
急に表情を変え、新しいおもちゃを見つけたように目を光らせている。
やはり、コレに気づいたって事か。
俺は観念してホルスターから新しい魔銃を取り出した。
「そのデザイン! 新型のガバメントをベースにしているな!」
「さ、流石ですね。」
俺の手から銃を奪い取り、観察を始める。
その姿はまるで子供のようだ。
「拡張性を高めて臨機応変に対応出来るようになっているのか。 しかも――」
「あの、銀華さん?」
「この口径で、リボルバー系よりも装弾数は多いし、反動も――」
だめだ、自分の世界に入って全く話を聞いてくれない。
こうなってはもうダメだ……
「名前は?」
「は?」
「コイツに名前はもう付けたのか!?」
「いえ、まだですけど。」
それを聞くと、銀華さんは急に悩み始めた。
予想通りなら、魔銃の名前を考えているのだろう。
「そうだな――”ヘイムダル”」
渾身の命名だとばかりにドヤ顔を決めている。
また銀華さんお得意の、昔読んだ本に出てくる名称なのだろうか。
「魔銃・ヘイムダル、いい名前だろ?」
「そうですね。」
彼女の命名からは誰も逃れられない。
それは呪いのように絶対的なのだ。
――たまには自分で名前をつけてあげたい。
「よし、じゃぁ早速試し撃ちに行くぞ!」
「い、今からですか!?」
「当然だ、さぁ行くぞ葉助!」
意気揚々と準備を始める銀華さん。
俺は、拒否する事すら叶わずに、ただついていくしかなかった。
~魔銃・ヘイムダル~
葉助が作った新しい魔銃。
コルト・ガバメントという最新の銃をベースに、魔術的改良が施されている。
.45ACP弾を使用、全長216mm、有効射程50m程度。
シングルアクション式で、装弾数は7+1発。
カートリッジ式のため、リロードはフェンリルよりも快適である。
拡張性が高く、仕事に合わせてサプレッサーや拡張マガジン等幅広く換装できる。
更に魔術的作用で反動もかなりマイルドになっており、片手でも容易に扱える。
威力自体もフェンリルに多少劣る程度で、Ⅲレベルの魔法も問題なく使用可能である。




