新たな魔銃1
「ねぇ、お兄ちゃん。」
「……」
「葉助お兄ちゃん、聞いてる?」
レイの呼ぶ声が、現在に意識を引き戻した。
俺は組み立てていた銃を机の上に置き、背後のベッドの上に座っているレイに振り返った。
「どうした?」
「そろそろ銀華さんの所に行かなくていいの?」
そう言われて腕時計を確認すると、作業を始めてから1時間が経過していた。
確かに、そろそろ報告に行った方がいいかもしれない。
「こいつの組み上げが終わったら行くよ。」
「もう!」
レイは呆れた顔でベッドに潜り込んだ。
僕は机に向き直すと、机の上に置いた銃を手に取った。
ガンメタルブラックのボディが、光に反射して鈍く光る。
これは、今組み上げている新しい魔銃だ。
コルト・ガバメントという最新の銃をベースに、俺好みにカスタマイズしている。
装弾数は魔銃・フェンリルよりも多く、威力も多少劣る程度だ。
更に反動を抑えて左手で扱えるように改良している。
暗殺用にサプレッサーも使用可能である。
組み上げを終え、軽く構えてみる。
重さはフェンリルよりも軽いな……
腕を下し、ホルスターへと銃を収める。
「ちょっと銀華さんの所に行ってくる。」
「はーい。」
レイは布団に潜ったまま、顔を出してはくれなかった。
――
―
「入れ。」
3度のノックの後、銀華さんからの入室許可が出た。
俺はゆっくりとドアノブを回して扉を開く。
目の前に広がるのは散らかった部屋。
足元には丸めた書類が散乱し、机の上は銃のパーツが占拠している。
唯一、本棚の本だけは綺麗に並べられていた。
「銀華さん、少しは掃除したらどうです?」
「気が向いたらやる。」
こんな人が寮母さんをやっていたとは、見る影もない有様だ。
床のゴミを避けながら、なんとか机の前まで辿り着く。
「では報告します。」
「うむ。」




