↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/144

喪失の先1

暗い夜道を照らすのは壊れかけの街灯。

時折点滅し、そのか細い光が消えかける。


ここは魔道都市ヴェネティアの影だ。

急速な発展の結果生まれた闇、スラム街と呼ばれる場所。

その夜道を一人、俺は歩いていた。


数人、闇の中で蠢く人影が見える。

しかし、誰も俺に見向きもしない。

纏ったローブは、闇に紛れれば誰も視認出来ない程の漆黒。

そう、誰も俺には気づいていないのだ。



――


―



寂れた酒場の前に辿り着くと、俺は壊れかけのドアを2回ノックする。



「アイコトバハ?」


「”銀の龍はまだ羽ばたく”」



そう答えると、偽装された古ぼけた木造の扉は掻き消え、代わりに鉄の扉が姿を現す。



”角膜スキャン完了”



機械アナウンスが流れると、音もなく扉が横にスライドして開く。

外部の見た目とは違い、中の設備は近代的な構造となっている。

あくまでも外部の酒場は偽装のためでしかない。


通路を真っすぐ進み、エレベーターに乗り込む。

階層表記はなく、下の居住区との行き来専用だ。

フードの部分を脱ぎ、外界に顔を晒す。

ここならば見られても問題は無いからだ。

今や時空龍達に追われる身だ、外で素顔を晒すわけにはいかない。



――


―



「ご苦労だったな。」



エレベーターから出た俺を出迎えた女性の、第一声がそれだった。

彼女は銀華(ぎんか)さん、俺の命の恩人だ。

そして、上司でもある。



「目標は死亡、無事任務完了しました。」


「それで、何か有益な情報は?」


「それは後で報告に行きます。」



銀華は一瞬眉を吊り上げると、何か納得したように頷いた。



「わかった。 とりあえず、”妹”にでも顔を見せておけ。」


「了解です。」


「それと、得物の整備も忘れるなよ。」



そう言って、自らの得物をちらつかせた。


”魔銃(まがん)”


俺が銀華さんに教え込まれた特殊な武器だ。

当然、俺のホルスターにも魔銃(まがん)が格納されている。

人の身で唯一、時空龍を殺せる大事な武器だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。