作戦会議2
「さて、明日の実技試験の作戦会議を始めよう。」
「明日の実技試験は、戦闘総合試験なんだ。」
「ほほう。」
レイは興味津々に話に耳を傾けている。
「試験内容は各々のチームが迷宮を脱出するまでを評価される。
もちろん脱出失敗は単位がもらえなくなるね。」
「俺は瀬戸際だから落としたくないんだよなぁ。」
健司が切実に語る。
むしろ普段の授業態度を改めればそんな事にはならないと思うんだけど。
「そのチームというのは、どのように決まるんだ?」
「基本的には好きなように組んでいいんだ。」
先生のあの言い方だと多分僕ら3人でチームを組めって事なんだろう。
おそらくだが、レイの実力は上位クラスだろう。
それでバランスが取れると思っていそうだなぁ、あの先生は。
「そういえばレイのエーテル属性を聞いてなかったね。」
「あぁ、私は火と水だ。」
火と水、バランスタイプか。
「僕は水と風、健司は火と雷。 バランス的にはちょうどいいかな?」
「確かにそうだな。」
水と風の後方支援タイプ、火と雷の火力特化タイプ。
そこにバランスタイプの火と水である。
「まぁコンビネーションは試験中に調整する必要はあるけど、なんとかなりそうだね。」
「Zzz...」
ひどい寝息が聞こえてくる。
どうやら話の途中で健司が寝てしまったらしい。
「私達も早めに休むとするか。」
「そうだね、お休みレイ。」
部屋の明かりを消し、明日の試験に備えて早めに寝る事にした。
~境界~
全ての世界の総称。
境界での世界には、昼夜の概念は存在せずに宇宙や星、月というものは存在しない。
全ての世界に浮かぶ人口太陽によって疑似的に昼夜を作り出している。
夜の空に浮かぶ光点は、境界線に浮かぶ光なのだが、何故かそれを星と呼んでいる。
全ては創造神ファランによって全ての生命の安定のために用意したものだと言われている。