変貌した学び舎1
夢を見ていた。
それはぼんやりとしていて、目覚める頃には忘れてしまう儚い夢。
繰り返される毎日。
繰り返される映像。
夢だと思っていた。
それは紛れも無い現実で、今までが夢だったと思い知らされる。
嘆きの木霊する町。
繰り返される惨劇。
あの日の記憶を再生する。
あの日の涙を思い出す。
真実は暗闇の中で息を潜め、全ては胸の中に仕舞い込む。
例え誰に理解されずとも、最愛の人に理解されずとも……
――私はその道を進む。
―――
――
―
見慣れた校舎。
仲間と共に笑い、泣き、苦楽を共にした校舎……
しかしそれは異様な姿へと変貌し、僕達に立ち塞がっている。
例えるならば要塞。
進入を拒む壁。
まるで、今までの僕達を否定しているようにも感じる。
もう、僕達の知っている校舎ではないのだ。
「黒島はおそらくこの中。 多分レイもここに……」
レイは間違いなくここにいる。
レイの目的もまた、黒島なのだから。
3人で校門をくぐる。
しかし、何か起こるわけでもなく辺りは静寂を保っている。
レイの対処に追われているのか、または……
「なぁ葉助、3人に分かれて探索しないか?」
急に、健司がそんな提案をする。
この状況での単独行動は明らかに危険だ。
しかし……
「――わかった。」
僕はその意見に賛成する。
いや、僕の中の何かが信用しろと言っている。
彼への絶対的信頼。
きっと何か考えがあることなのだ。
「そうだな、確かに危険ではるが、その方が早いだろう。」
兄さんも納得した。
「なら合流地点は、5階の俺達の教室にしよう。」
互いに頷き合い、それぞれの方向に走り出す。
「葉助!」
健司に呼ばれ振り向く。
「勝つぞ!」
「あぁ!」
健司が、いつもよりも大きく感じた。




