謎の転校生現る!3
「あら、戻ってきてまだ説教して欲しかったのかしら?」
戻ってきた僕達を見つけてキャシー先生はそう言った。
別にそういうわけではないのだが……
「いえ、職員室までの道案内を頼まれまして。」
キャシー先生も僕達の後ろにいるレイに気づいたようで、なるほどねっと呟いた。
「でも丁度良かったわ。 どうせ説明するつもりだったし。」
「と、言いますと?」
「実はレイ君の部屋なんだけど、貴方達と同じ部屋になるのよ。」
えっ、そういうのは前もって言っておくべきなんじゃ?
「さっき言おうとしたら君たち、説教終わってすぐ戻っちゃうから言いそびれてね。」
偶然というのは時に恐ろしいものである。
「荷物はもう寮に届いてると思うから、2人で手伝ってあげること。」
「分かりました。」
「あぁそれと、明日の実技試験の説明もしてあげてね~」
この先生、色々と丸投げである。
――色々あったが、僕達3人の共同生活が始まる事となった。
~ヴィラン~
境界に存在する世界の一つ。
カスパ・ラグナール、バルト・ザーフィル、メル・オルフェンの3賢者によって統治された世界。
しかしその実態は、時空龍達に支配されている。
文明レベルは時空龍達の知識でかなり高度に発展している。
魔法も発達しており、勉学の一つとして習得する事が必須となっている。
特に魔道都市ヴェネティアのラタトクス学園は最大規模の魔法学園である。