文化祭4
僕は……
―――
――
―
「やめておこう。」
こういう事情に触れないのが一番だ。
それが最も確実な護身である。
好奇心は猫を殺すと言ったものだ。
「じゃぁ教室に戻るか。」
そう健司が言った。
――瞬間。
唐突にぼやける視界。
そして、手足の感覚が消失していく。
まるで自分が消えていくかのような……
”なんだこれ……?”
セカイガマワル
動いているのは自分?
ワカラナイ……
徐々に蝕まれる思考。
アァ、何モ……
――プツン
意識が途絶した。
―――
――
―
――最近よく夢を見る。
いつからだろうか?
とても曖昧で、宙に浮いているような浮遊感。
それでも意識ははっきりしていて、なんとも不思議な夢だ。
もちろんそれを誰かに相談した事はない、する必要もない。
だってこれは夢なのだから。
目覚めれば終わってしまう儚いものだから。
――ダカラ、意味ハナイ
文化祭当日、珍しく僕は寝坊した。
健司とレイは既に学校に向かってしまったようだ。
起こしてくれればよかったのに。
玄関から出ようとすると寮母さんとすれ違った。
「珍しいわね。」
そう言って笑った。
なんだろう、何か引っかかる。
何か身に覚えのある感覚。
そう考えつつも、僕は学校へと急いだ。
~ラタトクス学園文化祭~
ラタトクス学園の行事の一つ。
作品発表・ダンス・音楽会・上演などが、各学級や部活動団体のほか、それ以外の自発的な在学生たちによって行なわれる。
一般の人や、政府関係者も訪れるため、自己アピールの場ともなっている。




